第2話 ってかツンデレかよ?!

4年生の終わり頃……

オレは宮本さんにからかわれる。


『私に振られたからって、そんなに走ってばかり居なくても〜。』


『うるせぇ。』

『あ!良いのかなぁ?クラス1番カッコイイ岬君と付き合っちゃおうかなぁ。』


『勝手にしろ💢』


痴話げんかが勃発する。クラスの皆は慣れっ子になっている。


『また、やってんぞ〜!宮本夫妻。』


『分かったから笑』

先生までもが便乗するのである。


『宮本夫妻ー!どっちかコレ解けるか?』



宮本さんとオレは1歩も引かない。


ツーン!!とする宮本さんに、、

遂にオレは今までの鬱憤うっぷんをぶち撒けた。



『ざけんなお前…俺を舐めんのも大概にしろよ?!』


目を大きく見開く宮本さんが…

まるで狐につままれた様な表情を浮かべながらも、



次の瞬間……

笑いを堪えきれずに笑い始めた。


更に怒るオレ。


『何なんだよ?!お前はよ?オレをオモチャとでも思ってんの?めでてぇな。はぁ〜明那あきなは…可愛いよなぁ。タオル持ってきてよぉ、頑張って下さいって可愛いよなぁ〜!違ってよ?!は?』



次の瞬間には、大きな瞳を宮本さんはウルウルさせながらも

オレをキッッ!!と睨む。( ≖_≖)




お互い1歩も譲らない攻防にクラスの担任は冷や冷やしていた。


『まーまー宮本君も、宮本さんも、夫妻なんだから!』


!! 』


こう言う時だけ声は揃う。



お互い気にはなる存在なのに……

素直になれないオレ。


バカ正直過ぎる宮本さん。


隣同士の席でも…どれだけ痴話げんかしても、

席替えして!!の一言は言わなかった。



席替えして!=別れを意味するからだ。


『お前ら好き同士なの??』


『知らねぇよ』


『じゃあ何で宮本さん、いつも陸上部の練習見てんだ??』


『は??』


オレは初耳だった。


吉田曰く……。

雨の日は傘を1つ余分に持ちながら、


暑い日は、ポカリスエットを凍らせてバッグから何時いつでも

出せるように、


練習が遅くなったら、

震える身体に缶のココアを押し付けて、



大会があれば、率先して応援に来ている。

吉田悪友は…そう話してきた。


オレは疑った。


『そんなん。ある訳ねーし。今更知るかよ!』


『まぁまぁ、宮本タケルお前が思ってるより、宮本カオルは…大切に考えてくれてるよ?』



『ホントかよ?!』



オレは、、。その日の練習をワザと遅くしてみたのだが。






居る。 ほんとに…居る。




ソレを見たオレは……

ため息をつきながらも……考えた。


『バカなのか?ツンデレなのか?全くよ』

呆れてモノが言えなくなった。



俺としては、素直な明那あきなちゃんが可愛く思うのだが、


ツンデレなのは、勘弁だぜ。



『はぁ、モテる男は辛いなぁ』

と独り言をワザと言うと……


すかさず明那あきなちゃんが心配そうに見つめてくる。



これだよな??

女の子の可愛いところはなんだよなぁ。



はぁ〜。宮本さんかぁ。




どうする俺??


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