第9話
1週間ほどしたある日
「セルスさん、アテネさん、今日は魔の森へ行きましょう。」
アレスとの特訓は毎日続いている。毎朝9時から昼の休憩1時間を挟んで夜の5時までアレスと決闘したり森で魔物を狩ったりしている。そのおかげか俺らはなかなか強くなっている。最近ではアレスに一撃を入れられるようになってきた。アテネのほうも余裕でAランクの魔物を倒せるようになっていた。
「魔の森ってどこなんだ?」
「魔の森とは、ここから北に5㎞程のところにあるダンジョンです。この国、いやこの大陸いち凶悪な森です。まあ、セルスさんとアテネさんならば苦労せずに初層はクリアできるでしょう。」
「セルス。楽しみだね!」
アテネがハイテンションになっている。魔物を倒しに行くときにはいつもこんなテンションになっている。
「あ、ああ。そうだね。」
「じゃあ行こう!」
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「ここから先が魔の森です。ここでは、最低ランクの魔物でさえCランクです。」
「セルス。ビビってるの?」
アテネが煽ってくる。図星だ。
「ビ、ビビってるわけないだろ。」
「ふーん。ビビってるんだ。私が守ってあげようか。」
「くっ。婚約者に守られるなんて…。」
「私、セルスよりも強いもんね。」
アテネと決闘したとき、俺のほうが勝率高いし。俺のほうが強いに決まってるだろう。
「なんだと。俺のほうが強いし。」
「なら、私と勝負してみる?」
「いいだろう。じゃあより多くの魔物を倒したほうが勝ちね。」
「いいよ。」
「ほう。討伐した魔物の数で勝負ですか。なかなか面白そうですね。では、勝った方は明日の特訓は休みにしましょうか。」
「「おおー。」」
ここ一週間まったく休みがなかったからな。久々に休みが欲しい。家でゆっくり魔法の本とか見たいな。
「ではスタートです。」
「「いくぞ!」」
俺とアテネは森に向かって飛び出した。
「なかなか強いなっと。」
俺は森から飛び出してきたゴブリンを切っていった。家の近くの森にいりゴブリンよりも大分固い。防御200ぐらい上がってる感じだな。鑑定するか。
「鑑定」
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ステータス
ゴブリンロード 魔族 1歳 Lv14
称号:なし
HP:120/120
MP:31/31
筋力:239
俊敏:260
防御:193
器用:61
運 :0
固有スキル:なし
通常スキル:身体強化(Lv2) 闘術(Lv1)
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おおー。これは強い。これがCランクレベルの魔物か。こんな魔物がさまよってるのか。これで最底辺の魔物か。魔の森怖っ。
その後も俺はただひたすら魔物を狩っていった。たまにBランクの魔物も出てくるが、苦労せずに倒せていった。
「ふう。こんなもんかな。」
かれこれ2時間ほど魔物を狩り続けた。だいたい50匹ぐらいかな。もうそろそろ帰るか。
「ゴオオオオオオ」
突然横にあった巨岩が動き出した。
「な、なんだ!?」
「グルルルルルル」
こいつなんだ?あれ?岩、だったよな?
「とりあえず『鑑定』」
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ステータス
岩竜族 16歳 Lv51
称号:なし
HP:1041/1041
MP:240/240
筋力:948
俊敏:629
防御:1149
器用:291
運 :20
固有スキル:絶対防御
通常スキル:武術(Lv5) 防御(Lv4) 睡眠(Lv1)
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こいつ強すぎないか。Aランクレベルな。なんか燃えてきたな。こいつを倒して強くなりたい。
「やるか。」
俺は岩竜に向かっていった。俺の剣は岩竜の固い防御によって受け止められた。
「かてえ。」
俺の剣が岩竜の固いうろこによって受け止められている間に岩竜のパンチが飛んできた。
「ぐふっ!き、効くなあ。」
こいつの固いうろこをどうにかしないとジリ貧だな。どうにかして対抗策を考えないと。ダイナマイトでもあれば簡単に壊せるんだけどな。うーん。なんかないかな?あっ。そうだ。そういえば、岩の中にある水が凍って岩が壊れるって聞いたことあったな。あのうろこの中に水を入れて冷やせば壊れるんじゃないかな。使える通常スキルはっと。
「水生成ウォーター」
俺は岩竜に水をかけた。
「グアァァァァ」
突然水をかけられた岩竜はこちらに対して怒りをあらわにしている。
「ふっ。これで終わりだ。『凍結フリーズ』」
そういうと岩竜の内部まで染み込んでいた水が凍り
「ピキッ。」
そう音を立てて岩竜のうろこが崩れた。
「ぐぉっ?」
岩竜は自慢のうろこが崩れたのが驚いたのか、フリーズしている。隙だらけだ。
「シュイン」
俺の剣は岩竜に向かって突き刺された。
「ギャァァァァァァ」
岩竜はうめき声をあげて倒れた。俺はあの岩竜に勝ったぞ。俺の今の強さはAランク以上なのか。アレスとの訓練によって俺もだいぶ強くなったんだな。岩竜も倒したことだしもう帰るか。俺が帰ろうとすろと突然、小さい女の子に呼び止められた。
「私たちの種族をお救いください。」
そういって頭を下げた。
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