記憶が飛んだ

 目覚めると、薄暗い部屋にいた。窓のない打放うちはなしコンクリートにドアが一つ。そして俺以外に少女が一人。


 頭が痛い。記憶が飛んでいる。


「君、大丈夫かい」


 少女はおびえ切っている。手を差し伸べたその瞬間、少女は鉄パイプを振り上げた。それを受け止めて思い出した。


「あ。俺が君を連れてきたんだったな」

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