抱き寄せた彼女の肩は、信じられないほど痩せ細っていた。何故これほどになるまで、気がつかなかったのか。


「寒くはないかい」


 信号待ち。気の利いたことも言えない。


「あったかい」


 笑顔が胸を締めつける。もう、こうして一緒に歩ける日はあまり残されていない。今更、こんな大切なことに気づくなんて。

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