はったり
「お前ウマそうだな。食う」
怪物が言う。男も冷静に言う。
「あれを見ろ。月と言うんだがお前に消せるか?毎晩ここへ来い。もし俺が消せたらお前を食うぞ」
男は毎晩月を睨んだ。怪物は笑っていたが、日に日に細くなっていく月に青ざめた。やがて糸程になると悲鳴を上げて、新月の晩は姿を見せなかった。
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