第3話 勅命『叙勲式婚約』
朝、人の騒がしさで目が覚める。
門の方を扉を少しだけ開けてチラリと見る。
人垣ができている。父が人垣に向かって何かを話している。
部屋を出ると母が「困ったわ、困ったわ」と言いながら、ちっとも困ってない笑顔でうろうろしている。
「どっちがいい?」とドレスを二つ持って私に聞いてくる。
「いらんわ! いつもの稽古服でいい」
「えぇ~ そうなの、元将軍家として恥ずかしくないかしら。でも、女騎士ですものね。ドレスというのも違うのかしら、でも、机の上の物だけでも持って行ってね」
机を見ると、祖父の愛剣が置いてある。
元将軍家の家宝といえばこれかもしれない。退役の時に発情王子から頂いたものだそうで、軍の将軍用の剣をそのまま元将軍に渡し、新品を軍に渡したそうだ。
昨日はなんだかんだで体を動かせなかったし、今日こそは剣の訓練をしよう。
祖父の剣を帯剣してみる。
腰ベルトが余りまくる。祖父と比べ私の腰はかなり細いようだ、残念。
実戦用の剣で、手入れがしっかりされている。それだけで手の馴染み方が違う。しっくりくるとはこのことか。
帯剣することで体のバランスは崩れているはずなのに、歩きにくくない。
派手ではないけれど、地味なバランス取りとかされている、心躍る。私専用に調整したらもっと良くなるのかな。
帯剣しただけだけど、気分がよくなって玄関を出る。
うぉー という歓声と拍手が起こる。
は? 大勢の人が、家の前で何しているんだ。
父が寄ってくる。
「いや~ 大変だよ。女騎士がどんな人なのか皆さん興味あるらしく、色々聞かれてね。今、生まれてから五歳まで話したところだよ。ああ、そちらに軍の方が来ていたので、入れておいたよ」
門の脇から人が寄ってくる。昨日私に泣きながら話してきた百人隊長だ。
会釈しながら百人隊長は私に挨拶をしてくる。
「おはようごぉぉぉぉぉぉ!!!」
百人隊長は驚きを隠しもせず、私の腰の剣を凝視している。
「その剣、発情王子から貰ったんすか?」
「そうよ、祖父がね」
「……いつから狙っているんだよ、あのすけこまし王子」
「聞こえてますよ、隊長さん」
「ああ、すみませんっす、剣に驚いてしまって、女騎士は元将軍家でしたっすね」
「今日は何しに?」と私。
「自分の隊は、今日は警備の番で、城下を巡回してたんすが、早朝から人だかりが出来ていて、聞けば女騎士の家だっていうじゃないっすか。これじゃあ、軍に来るのも難しいかなって、お待ちしてたっす」
「私、今日軍に行くって言ってないですよ」
「まぁ、そっすね。でも、あのさぼり魔の東軍中佐ですら、超~ 忙しそうでしたから、手伝って上げないと、恨まれますよ。今までさんざん東軍中佐の時間使ったんっすから」
それもそうか、少しは手伝いでもしよう。
百人隊長が人垣を押し除けてくれて、その後ろをついていく。
人垣から大きな拍手が起こる。
家から出るだけで、拍手されるって……。
私たちの後ろを多くの人がついてくる。
軍の入口に着く。
また立札が増えている。
布告
叙勲式に伴い、羊を買う。
価格は以下の通り。
五月の第一週まで、相場より高めに。
五月の第二週まで、相場通りに。
五月の第三週まで、相場の半額。
軍まで連れてくれば全て買う。
期日第四日曜日まで。
発情王子
「これは女騎士様でねぇか!」
昨日の肉屋が私に駆け寄ってきた。
「発情王子がうちの羊を全部買ってくれただ! 値段は相場と同じだったが、他にも塩をくれただ。市場で塩を売ったら、羊と同じ値段だっただ。全部で売値は二倍、儲けは三倍だっただ。これで家族にいいもん食わしてやれる。ありがたや、ありがたや。更に、軍の食事係として、家族の者ん全員雇って頂いただ。これも、女騎士様のおかげだ。女騎士様が頑張ってくれたからだぁ。ありがたや、ありがたや」
肉屋が私の手を取り、ブンブンと振り回す。
いつの間にか周りが静かになっていた。
私たちの後ろに居た人たちが蜘蛛の子を散らすように散らばっていく。今の話を知り合いに話すためだろう。噂が広がる早さを目視できた気がした。
肉屋と分かれ、私は百人隊長に案内されて、東軍中佐のいる昨日の会議室に連れていかれた。
「大佐~、女騎士を連れてきたっす、入るっすよ」
「おう、遅かったな女騎士。早く席につけ」
そこまで言ってから東軍中佐はゆっくりを顔を上げる。
そして、私の剣を見つけると、心臓が止まったかのように固まる。
そして、ゆっくり私の目を見て、小さな声で囁く。
「それ、発情王子に貰ったのか?」
この質問は本日二度目。面倒なので、同じように答える。
「そうよ、祖父がね」
東軍中佐は更にギョっとし、額に汗を噴出させ、そしてゆっくり深呼吸する。
「てめぇ、いくら冗談でも、やっていい事と悪いことがある!」
東軍中佐は怒鳴り、怒りに任せて机を殴り、天板を破壊する。
「……いや、これは発情王子が仕掛けた冗談か、お前も被害者だな女騎士、すまん」
つぶやくように東軍中佐は言うと、ぐったりと椅子に座る。
扉付近に控えていた、百人隊長が我慢しきれず、大声で笑いだし、笑い崩れ、四つん這いで笑いながら床をドンドン叩いている。
百人隊長の笑い声が続く中、東軍中佐にそこに座れと椅子を薦められる。
「その剣、なんだか知っているのか?」
東軍中佐はもはや、やけっぱちのように言う。
「元将軍の剣」
私だけ除け者なので、答えがつい雑になる。
「そうだ、その剣の所有者こそが総司令官で、その剣が抜かれるということは、どういうことか分かるか、女騎士」
「突撃?」と私は答える。
「そうだ。総司令官自ら剣を振るということは、死ぬ可能性があり、それは次の指揮を捨てるということ。つまり、軍人全員が死の特攻する、そのための指揮棒だ、その剣は」
私と東軍将軍に木のコップ注がれた水が配られる。配ってくれたのは叔母の一人である。
百人隊長も水を貰って、会話に混ざってくる。
「子供の頃やりましたよね、将軍ごっこ」
「誰もが通る道だな」と東軍中佐。
「将軍の剣を真似て、絶対やりますよね『突撃ぃ~』って。憧れてたなぁ」
男二人が話に花が咲いてるのは悪いけど、現状がよく分からないので、咳払いしてみる。
東軍中佐が答える。
「ああ、これか。発情王子が『座ってるだけの簡単なお仕事です』と言いやがるから、受けたらこれだ」
部屋を見ると、ひたすら積み上がるコインと計量されて袋に詰められていく塩。
叔母たちが必死に数えている。
東軍中佐が続ける。
「金庫番だとよ。ほら、王子様はよ、大金を持ってるかもしれないが、小銭なんか持ってねぇ。金貨とか宝石とか見たことあるか? 俺はねぇ。庶民は銀貨や銅貨だ。日当や商品代金は銀貨と銅貨で支払わないといけねぇが、その在庫を数えているのさ。異国の商人とかも呼んで、宝石とか塩とか売ってたぜ、筆談とかもしてたな。十人の商人と、売った宝石と値段、銀貨銅貨の支払いの期限の確認。また、塩の値段と量と受け渡し期限と輸送の有無。輸送する場合は軍の取り分の手数料計算。支払いもまた、銀貨、銅貨、更に軍に必要な資材での物納と多種多様。その全てを発情王子がやっていたから、大したことないだろうと思ったら、とんでもねぇ。手間がかかりすぎる。しかも金に関することだから、誰でもいいわけじゃねぇ。軍の出納部は、増えた従業員の日当の支払いで手一杯。物品の検品と支払いはこちらでやるしかねぇ」
そんな話をしていると、激昂少佐が入ってきた。昨日、発情王子にもらった本を大事そうに胸に抱えている。
「中佐ちょっといいか? 補修の物品リストと、兵士の武具チェックと身体測定の日程リストを書いてきた。ざっくりとした費用を出したいのだが……」
私に気づいて、いや、私の剣に気づいて激昂少佐が固まる。
ヨレヨレと片膝を着き、ひゅうひゅうとかすれた小さい声で、
「女騎士におかれましても……、ご機嫌麗しゅう、この度は就任おめでたく……」
私は困って、東軍中佐を見つめる。
東軍中佐は子供のような満面の笑みで大声を出す。
「激昂少佐、しゃっきりせい! 女騎士閣下に失礼だぞ!」
「はっ! 大変失礼いたしました、女騎士閣下! 我ら東軍は一丸となり閣下のご意思に従う所存、何なりとご命令くださいませ!」
激昂少佐はビシッとした姿勢で女騎士の声を待つ。
私は東軍中佐を見る。
東軍中佐は事も無げに「その剣、元将軍のお下がりだってさ」とつぶやく。
激昂少佐は、理解できないようで、キョトンとし、その後、顔を赤くし、ブルブル震え始めた。
ギンっ。
激昂少佐は居合抜きで、東軍中佐の首に斬りかかるが、東軍中佐も予測していたのか、その一撃をしっかり受ける。
顔を真っ赤にした激昂小佐が自分の剣を両手でつかみ、東軍中佐の首に向かって剣を力で押して行きながら呟く。
「人としてやって良い事と悪い事がある、今日という今日は、お前の腐った性根ごと叩き斬ってやる」
東軍中佐は激昂小佐の力押しに耐えきれず、一歩二歩と下がる。
三歩目を下がった時、積み上がったコインの机を倒す。
その倒れた机の脇に、一人の叔母が立っている。
「喧嘩なら、外やれーーーー!!!!!」
激怒した叔母に追い出された二人は疾風のように建物から出て、決闘を再開する。
ゲラゲラ笑いながら百人隊長は激昂少佐の落した本と書類を拾う。
部屋を後にしようとした百人隊長の首を叔母が掴む、そして、床に散らばったコインを指さす。
ギョッとした百人隊長は助けを求め私を見る。もちろん叔母は私も見る。
こうしてこの日は百人隊長と一緒にコインの山を積み上げるのだった。
翌日も百人隊長が迎えに来てくれた。
東軍中佐と激昂将軍がおもしろい事になってますよと百人隊長が教えてくれた。
内容までは『見てのお楽しみ』とのことで言ってはくれない。
百人隊長は建物前まで来ると、軍人の様にビチッと決めて言う。
「女騎士閣下に置かれましても、ご壮健でありますように!」
そして、百人隊長は、軍隊式競歩で去っていく。
私は建物内に入り、叔母達がいる部屋に向かう。
そこには、叔母達と二人の……顔を腫らして原型を留めていない男が二人、黙々とコインを積み上げている。疲れて手が止まると、つかさず、叔母が机を蹴る。コインタワーがグラグラと揺れる。
顔を腫らせた男二人は涙目で叔母を見る。
そこには完全に尻に敷かれた男が二人居た。
コインタワーと塩の計量、そして握手会の日々。
羊は大量に仕入れられていく、数日のうちに近郊の羊が集められ、支払いの一部として塩が配られ、それが市中に出回り塩相場が下落。羊肉が高騰するかと思ったら、肉屋が上手く融通してくれて、市中での消費分は市中に卸して価格を調整し、肉は普段の相場よりやや高い程度で推移した。
発情王子は時間を見ては、兵士たちにレバ刺しを振舞っていた。
それに、軍が提供する叙勲式までの限定メニューが肉の需要を吸収していった。
羊サンド・あっさりスープ・こってりスープの三種類。
羊のサンドは脳みそを塩ゆでしたものをパンに挟んだもの、あっさりスープは臭みが少ない部位のモツと野菜煮込みで、澄んだスープ。こってりスープは鮮度がよくても匂いが出がちなモツと、骨を折って煮出した白いスープに、ニンニクやショウガなど匂いの強い香草とたっぷりの塩を入れて、とにかく強烈な一品。
羊サンドとあっさりスープは少々お高めの値段設定。記念に一回食べるとか、毎日食べれるのは、そこそこお金持ち。こってりスープは気兼ねなく買えるお値段。普段このお値段で肉入りのご飯は食べれない。子供のお小遣いでも買えるのだ。この強烈な味と値段にしたのはもちろん発情王子で、小銭が足りないのと、肉体労働の人に合う味付けなのだそうだ。
こってりスープは作れば作るほど売れる大人気商品になった。軍の入り口に販売所を設置したのだが、早朝から長蛇の列。
早朝から畑や田んぼに出ていく農家の人、羊や軍の資材を運び込んでくる商人、噂を聞いて観光に来た人、もちろん城下の人々が買っていく。
売れたのはそれだけでなく、臨時雇用された独身女性たちもだ。縁談がドンドン決まっていく。結婚するのはお見合いが普通で、独身女性は基本的に家から出ることがない。結婚当日まで顔を見たことないことも少なくない。それが、販売係として顔を見ることができること、それより大きかったのが、日雇いで働くおばちゃんたちが、働きの良い娘に「うちの息子はどうだい?」と声を掛け、縁談に結びついていっている。
『叙勲式婚約』が決まるとなぜか私に面会し感謝を伝えられるのだ。悪い気持ちはしないが、私は何もしてないので気が重い。
ただ、こってりスープは売れば売るほど赤字だそうだ。東軍中佐が愚痴っている。
コンコンと扉が叩かれ、東軍中佐が私に声を掛ける。
「問題が起きた。発情王子が緊急会議を開くので、女騎士も来てくれ」
いつも使っている会議室は会計所と化したので使えず、木造宿舎の大会議室を使うため中庭を移動する。
私と東軍中佐が入ると、体調の悪そうな発情王子が教壇前に座り、その隣に私の席らしものがあるので歩いていく。二つの席の向かいに兵士たちの席があり、東軍中佐が一番前に座り、その隣りに激昂少佐、後ろに二十人の百人隊長が横二列になって座っている。
「起立、女騎士閣下に敬礼! 直れ、着席」
激昂少佐や百人隊長達まで最近はこの調子だ。私は将軍でも何でもないのに。
では、と言って発情王子が起立して話を始める。
「式典まで残り十日となった。激昂少佐、軍部の進捗はどうだ?」
激昂少佐はビシッと立つ。
「報告いたします。軍宿舎の移動完全完了。砦、および水路の補修完了。城外の魚粉工場への水路確保完了。武器、防具の整備は完了。羊の膀胱の水筒も予定数終了。羊毛の中あてと軍靴が非常に好評です。訓練は槍術・剣術・行軍は、基準をクリアしていると思われます。弓術の習熟が遅れておりまして、残りの日数で訓練予定です」
「了解。次、東軍中佐、式典の準備の方はどうだ?」
「こちらもおおむね順調だ。軍の食糧庫は一年分がもうすぐいっぱいになる。式典当日の机や椅子、薪や用具の準備は完了。櫓や当日設置する物の準備、時間スケジュールも作成完了。だが、問題がある。×教軍に追い立てられた羊たちが大量にこちらに向かっているとの情報がある。それを全部買うとなると金の問題より、人的資源が不足する。とても対応できる気がしない、赤字額も予想より大分ペースが早い。もう、羊の購入はやめたらどうだ?」
発情王子が首をブンブンと左右に振って答える。
「それは逆だよ、東軍中佐。羊を全部買い取るのが第一目的で、式典は第二だ。これは戦略だ。どんな戦略だ? 激昂少佐」
激昂少佐は考えをめぐらし、目が宙を彷徨う。失礼だが変な顔だ。
「あ、兵糧攻め、×教軍に対しての」
「まぁ正解。×教軍に略奪されて無料で奴らを満腹にしてやる必要はない。買えるものは全部今のうちに買ってしまう。奴らが来た時には奪えるものが無いくらいにしておけば、略奪も出来なくなるだろう。どうしてもというなら、こちらの好きな値段で好きな量を売ってやれ。きっちり×教軍に首輪をしろ。それに、△教軍は良い人、×教軍は悪い人となっていれば、市民の協力も受けやすいはずだ。東軍中佐と激昂少佐は親族から信頼できる者を寄せ集めろ、会計係を増員する。もちろん、女性従業員もさらに大量に集めろ、あと十日だ。何とか持ちこたえさせろ。軍部も訓練の中止してでも式の準備を続けろ。塩も遠慮せず渡し続けろ。城外にある塩工場も戦争で止まる可能性がある。金も塩も出来るだけ民が分散して持っている方がいい」
さて、といって、発情王子は私の剣を指さし渡すようにジェスチャーしてくる。
私は将軍剣を柄ごと渡す。
発情王子は柄をパシンパシンと叩きながら悪そうな笑みを浮かべる。
「こんなことは些末な問題なんだよ。連絡すれば済むことで、わざわざ緊急招集する必要なんかねぇんだよ」
口調がまるで鬼教官だが、青年というよりは少年に近い発情王子が言っても滑稽だ。
「てめぇらの体たらくには、我慢がならねぇ。特に百人隊長! 立て!」
ザンと一斉に百人隊長二十名が立ち上がる。
「この中で、何が問題なのか分かるやつ、答えろ!」
百人隊長たちには困惑の顔が広がるばかり。
発情王子は剣をパシンパシン叩きながら、百人隊長の列の後ろに歩いていく。
「お前はどうだ!」と言って発情王子が百人隊長のケツを思いっきり蹴り上げる。
「自分には分かりません!」
蹴られた百人隊長は答える。
「お前は!」
隣りの百人隊長も発情王子にケツを蹴らる。
「自分も分からねっす!」
フーンと言って、ゆっくり百人隊長の後ろを周り、壇上に戻ってくる。
発情王子は私に剣を返してきた。
「今週の『叙勲式婚約』は何組だ、女騎士?」
「五十組位かな、全部で百組くらいは居るかも」
私が答えると、空気が一気にだらける。
「百組の中で、東軍の兵士は何人いた?」
「ゼロじゃないかしら」
発情王子が怒鳴る。
「馬鹿野郎がぁ! お前ら金玉付いているのか! 腰抜け野郎! てめぇらなんか、玉の持ち腐れだ! 切って捨ててしまえ、そんなもの!」
流石の百人隊長達もむっとしている。
発情王子は怒鳴り続ける。
「激昂少佐は言ったぞ、『×教の傭兵隊は狼の群れと一緒』だと。千匹の狼がやってくるのが分かっていて、なぜ対策をしない! 城下の女性達は見殺しか? それとも狼たちにくれてやるつもりか! もしお前等に婚約者が出来て、その婚約者が襲われていたら、助けたくならないのか! それが東軍兵士二千人なら、どれほどの力になる!」
発情王子は、百人隊長を見回す。
「クソ野郎ども、今がその時だ! 粋がれ! 恰好をつけろ! 男を磨け! 女を護れ! 町を救え! 男を上げやがれ! 以上!」
発情王子は部屋を出ていく。
百人隊長たちは号令も無いのに、揃って発情王子に敬礼を送る。
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