ちいさな世界
一種のDVみたいに 子供へ伝わっていくものがある
それは歪んだ社会に歪められた 大人たちの言葉
周りは敵だらけだよと 何も望むんじゃないよと
最初から傷つかないようにするために警鐘を鳴らしている
だけど 子供たちが欲しいのは大人だった
生まれてきたときのように 望まなくても玩具が買い与えられたときのように
大人たちが何かを示してくれるのをじっと待っていた
いま欲しいのに いまだからこそ欲しいのに
苦痛を歪ませる
彼らはまた、子供に同じことを伝えるのだろう
いつまでも子供ではいられない
大人は相対的なものだから
だから小さな世界を作った
小さな、ちいさな、ちいさな世界。
ひらがなにすることや、。の数がいちいち癪に障るような
そこには、悪が現れることはないだろう
他人の心に土足で踏み込んでくる悪
憎むべきものだ、という感覚がある
それが正義になることはない
揺れる揺れる
はかない世界よ
ある周波数に同調して、地震のように揺れる
壊れ散りゆく世界を前に 泣くあなたを見て
どれだけ美しいと思うことか
それは一瞬でしかないのだけど
救われることは望んでいない
いつか救われるのを、まちわびている
弱さを、愛している
絶望するほどに あなたを愛している
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2013年8月作
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