夢見る丘に住む少女


空を見上げておりました


ひとつ流れる星を見て


初心な思いを投げかけたの


「あの星を見ている人に届きますように!」


そして願いは天を越え


星を介して――



……


……


うおおお!

まさかの俺なのか!


冥王星の遙か彼方から俺は見ていたのだ!


これは居ても立っても居られぬ!


「王様! どこへ行くのです!」


「煩い!」


俺は部下を殴った!


持てる力を全て導入して宇宙船を作らせたのだ!


そして幾年の時が流れ――


「王様、ついに来ましたね」


そこは隔てられた場所


川は途切れ


森は途切れ


土も 砂も


儚さに溢れていたから


「……王様、どうやら『夢』だったようですね」


「うむ、では話しかけてみよう」


思わず目を剥く部下を背に


王様は夢の元へと向かっていった


きらきらとしていた


まるで星々を詰め込んだみたい


そのひとつに住む少女に、手を差し伸べる


たとえ指先が届かなくても


「お前の願いは私に届いたのだ」


吹き飛ばしてしまいそうで息もできなかった


献身が実ったのか


少女はこちらを見て微笑み


心を奪われる間に 散りゆく


何もない空間に佇めば


ひと時の


---

2014年8月頃?作

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