第212話 ゼムと記憶
「それじゃ何で俺に会いに来た?」
「親友が友に会いにくるのに理由なんているんかいな。俺はお前に会いたかった。それだけや。だめか?」
だめというわけじゃないがなー。なんかなぁ
「親友とかいうなら俺の居場所くらい知っていただろ?なんで今更会いに来たんだ?」
「それを言われたら俺が辛いわ。ま、不覚ながらショウがさらわれてから俺たちもお前のこと探す前に生きるのに必死やったからな。ま、今は落ち着いてきたからこうやって会いに来たわけよ」
さらわれた?俺が?
「何の、話を?俺は、さらわれた、記憶、なんて」
「やっぱ覚えてないんだな。ま、いいけどさ。じきに思い出すさ」
じきに思い出す?何のことだ?
「お、俺は中学とかの思い出はあるんだ。あるはずなんだ」
そうだ。俺には小中過ごした思い出が
「そう?それなら何をしたのか教えて欲しいな。俺たちにとっちゃ小中なんて戦いに明けくれてた日々さ。ま、思い出せないだろうけどさ」
た、確かにゼムの言う通り今考えてみれば記憶がなんだか曖昧な気が、いや待てその前に
「お前用心棒とかで働いてるんだろ!年齢につりあわなくないか?」
「なーに。今の時代、16なれば働けっからな。それに俺たちにとっちゃ、年齢なんて関係ないさ」
俺たちにとっちゃ?う、ぐ、頭が、痛くなって、きて。
「そこまでですよ。見知らぬ人」
誰かが1年生訓練所に入ってくる。誰だ?頭が痛すぎて意識がもうろうとしやがる。
「見知らぬ人。早くお帰りください。でないと痛いめをみますよ」
「やっぱりお前がこの件に関わっているのか。オードのやつがお怒りだぞ。お前がやったことがバレたらお前」
「私はあなたのことは知りませんしそれにオードとかいう人も知りません早くお帰りを。でないと手荒なまねでかえすことになってしまいます」
「・・・あくまでしらをきるか。まぁいいや。俺はお前らと揉めるために来たわけじゃないし。今日のところは帰るわ。ショウ。また会おうな」
頭が痛すぎてはっきりはしないがゼムのやつは帰ったのか?
「あなたは先に戻っていなさい。ショウは私が連れて行きます」
多分1年生訓練所に入ってきた人が部下?を連れていたのかその人に言うとその人は多分出て行き俺と最初に入ってきた人だけが残った?
「ショウ。あなたは疲れているんです。今は眠ってしまいなさい。そして今日会ったやつのことは忘れなさい」
俺は最初に入ってきた人に頭を掴まれ、そのあとそのまま意識を失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます