第211話 来訪者
「ま、まぁアンさんやキリさんもいたからデート?と言えるもんかはわからんが添い寝くらいならべ、別にいいぞ」
俺はできるだけモルクに対して冷静な対応をする。モルクは粗暴といっちゃ粗暴だけど一応は女だ。ドキドキするに決まってるだろ!アンさんよりはしないけど。
「そ、そうですか。わかりましたわ。で、ではお背中を拝借しますわ」
モルクは俺の背中にしがみついてくる。モルクもやはり女ということか。めちゃくちゃ風呂上がりのいい匂いがする。
モルクはしばらくすると寝息をたてて眠っていた。こいつ。俺は少しドキドキして寝られないというのに。俺はまさかこいつに少しでも惚れているのか?こんなドキドキするってことは?いやそんなことはないはずだ。
俺もそんなことを考えていると疲れが溜まっていたのか寝てしまっていた。
次の日朝起きてみるとモルクは既に俺の布団からいなくなっていた。
「く、ふぁー!やっぱ昨日は流石に疲れたからなぁ。とりあえずおきるか」
俺は起きてリビングに向かうとモルクとマルは朝飯を食べていた。
「あら。おそようですわ。ショウ」
「おそよう。ショウ」
「おう。おはよう2人とも」
俺はモルクとマルの真ん中のとこがあいていたからそこにすわると
「おいおい。おねぼうさんはだめやろ。ショウ」
俺の前の席に先日デパートで会った男、ゼムが座っていた。
「お、お前!なんでここに!」
「ん?何でって言われてもお前に会いに来たんだよ。ショウ。なんせ親友だからな!」
ゼムは俺に言う。俺は確かにこいつのことをデパートで会う時より前には知っていたということは思いだしたが親友というところまでは覚えていない。
「とりあえず外に出て話そう。ゼム」
「お。俺の名前言うてくれたってことは俺のこと思い出した?」
「その話も含めて外で話そうか」
俺はゼムを連れて外に出て、モルクとマルは寮の部屋に残る。俺はゼムをつれて1年生訓練所まで移動する。
「ショウ。ここは外じゃないが」
「見ればわかるだろ。あの2人には話したくないから外に出ようと言ったんだ。お前に聞きたいことがあってな」
「俺に答えられる範囲なら何でも教えてやるよ。なんせ俺はお前の親友だからな」
ゼムは俺に胸を張って言うと俺は
「まず何で今日俺のとこに来た?どうやって学園に?」
「それについてはな。昨日のデパート襲撃の時なお前の友達のキリサキとかいうやつとさっきの嬢ちゃん助けたからや。それで時間があれば学園に入れるよう手配してくれと頼んだんや。まぁ次の日とは思わなんだが。はっはっは」
ゼムは笑いながら今日どうやって学園に入ってかをまず話した
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