第202話 メスル

 ショウ達が奥の広間へと向かう頃、モルクとキリサキは


「ちっ。気持ちの悪い男ね」


 2人はこの店を迷宮化させた異能の持ち主、メスルと戦っていた。


「ひやっひゃっひゃっ!いいね!いいね!その顔最高だよ!他人が苦しむ顔ほどいいものはないね!」


 メスルはキリサキが斬りかかろうとすると広間の性質を変えてキリサキが攻撃する場所には壁ができていた。


「キリサキ!私が石の異能をぶつけますからその隙に!」

「わかったわ!モルク!」


 モルクは石の異能で石をとばしまくるがメスルは石の異能を自分の前に壁を出現させ無効化し、キリサキがその隙に斬りかかるとメスルはその場所から移動していた。


「ひやっひやっひゃっ!この程度俺の異能、迷宮化で簡単に対処できるわ!お前らを殺して奴の、ショウ・マスラギの絶望に歪む顔を想像すると、ひ、ひやっひやっ!ひやっひやっ!」

「このやりとり何度も続いていて飽きてきたけどとらえられないのが難しいわね」

「全くですわ。奴は時間稼ぎばかりして私達が疲弊してるの狙っているようですわね。小賢しいですわね」


 モルクとキリサキはメスルをどう倒そうか考えているとメスルは


「ひやっひやっひやっ!無駄無駄無駄!お前ら如き俺に攻撃を当てるなんて無駄なことは考えない方がいい!俺にお前らの攻撃は」

「じゃあ俺が加わればお前みたいな雑魚は楽勝ってことだな!」


 メスルの背後にまた知らない男が現れメスルは初めて攻撃をくらう。


「て、てめぇ!ゼム!リーダーを裏切りやがったのか?」


 ゼムと呼ばれていた男はにやけながらメスルを見下し


「別にうらぎったとかいわれてもなぁ。俺はやつとは金の関係だからよ。そんなどこまで持ち合わせちゃいないんだわ。俺はとりあえずきにくわないてめぇは殺す。それだけだ」

「く、この、やろうがぁ!」


 メスルは異能で一度ゼムから離れようとするが


「お前の異能は俺にはきかない。お前如き小物の異能はな」


 メスルはモルク達のいる広間を迷宮に変えるがゼムはそんなことも気にせず壁を砕きまくり迷宮の意味をなくしメスルにおいつく。


「こ、この化け物が!」


 メスルは腰にかけていた剣を抜いてゼムに向かって叫ぶがゼムは


「言ったろう。お前如き小物が何をしようが俺には勝てんと」


 ゼムはメスルの片腕を斬り落とすとメスルはみっともなく悲鳴をあげながら


「く、くそが!俺はこんなところで死んでいい人間じゃないんだ!何としてでも生き延びてやるよ!結局はなぁ!生きていれば勝ちなんだよ!」


 メスルが反対方向の入り口に逃げようとすると反対側からまた人が現れメスルの顔面は潰されていた。

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