第201話 ゼム・ゼクス

「忘れたのかよ?俺たち仲間だろ?」

「・・・知らないな」

「そうか。知らないというなら思い出させてやらねぇとな!」


 金髪の男は腰に装備していた長いサーベルを抜き、俺に斬りかかる。


「そらそらそらぁ!」

「ふんっ!」


 俺は金髪の男の攻撃を避けて殴りかかると金髪の男は


「ふんっ!」


 俺のパンチを腹で受け止める。奴の体はなぜか銀色の鋼のような肉体に変化していた。


「それがお前の異能か?」

「あ?何いってやがる。俺の異能はとっくの間に知っているだろ?俺の異能は鋼の肉体。単純に防御力だけ優れているだけ、かーらーの」


 金髪の男はサーベルを持たない方の片腕を鋼の腕に変えて俺に殴りかかる。


「鋼パンチ」

「ふん!」


 俺は真正面から殴りかかり、金髪男の鋼の腕を砕く。


「はっは!やっぱやばいな!お前は!」

「初対面だと言っているだろ?知り合いのような口を聞くな。妄想が激しすぎるぞ」


 俺は金髪の男に言うと金髪の男は高らかに笑いながら


「はっはっは!わかったわかった。いい加減名のるよ。俺はゼム・ゼクス。まぁ今はアスカルトの世話になってるまぁしがない用心棒だよ。まさかあいつの用心棒をしてお前に会えるとは思っていなかったよ。親友。流石に名前まで言えばわかるだろ?」

「知らないな。俺はエンドレアス学園に通う生徒だ」

「エンドレアス学園?あー。なるほど。わかったわかった。そういうことか。理解できたよ。なら俺を覚えていないのも無理はない。ま、とりあえず」


 ゼムは先へと進むドアを開ける。


「な、何のつもりだ?」


 俺はあまりのことに驚く。こいつ、この組織のボスの用心棒じゃないのか?なぜわざわざボスを売るようなまねを?


「驚くのも無理はないだろうが世話になっていると言ってもあくまで気まぐれで奴の助けに俺はこたえただけ。奴の思想はもはや正直ふるい。今の時代には暗黒企業と呼ばれている奴らの方がマシだろうさ。だからアスカルトは煮るなり焼くなり好きにするといい。俺はそうだな。もう片方のやつのとこにでも行くよ。あの性格腐ってる奴は俺も嫌いだからな」


 ゼムはそれだけ言うと俺たちのいた広間から出ていく。


「アンさん。俺たちはゼムの後ろのドアから進もう」

「は、はい。な、何も、で、できなくて、す、すいません」


 アンさんはひたすら俺謝りながら俺は謝らなくていいとアンさんにいい。俺とアンさんはゼムの後ろにあったドアからすすんだ。

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