第25話 To the three force
カジノ方面
「まさか 獲物がのこのこ1人で来てくれるとはな」
「っはぁ~~~
夜明けの明星も部下の育成が下手ね
使い捨てなんだとしてもセンスがないわ」
ステラは惑星魔術を展開し
男達はそれを取り囲むように魔具<ガイスト>を構えている
そして男達の後ろにはボロキレになったような男が数人倒れていた
「貴様っ!
くっ
トライデントの方がいない時に限って」
「へー トライデントね
幹部の名前かしら」
ステラがニヤリと笑う
「しまっ おい お前ら絶対に逃がすんじゃないぞ」
「しかし こんな奴をどうやって倒すんですか!!」
男の1人が金切り声を上げながら倒れている男達を指差す
「そ それはお前ら戦闘員が考えろ!!」
「くそっ!!!」
男たちが舌打ちしながらジリジリとステラへにじり寄る
「銃型の魔具<ガイスト>があるのにわざわざ近寄らなくてもいいんじゃないの?」
ステラが火星の惑星と水星の惑星を両手の上で回転させる
「貴様っ!!!
その珍妙な技といえど近づけば弾は通るだろう!」
「馬鹿 やめろ!
それは惑星ま ブッ!!!!」
男の顔面に炎を纏った岩が直撃して吹き飛ぶ
「楽郎の様子を見に行きたいし
さっさと片付けてあげる」
ステラがすぅと右手を上に上げ
ドドドッ!!!
と次々と男達の体が地面に叩きつけられていく
「ひぃっ!!!
化け物!
俺たちにこんなことをしてただで済むと」
「正当防衛よ」
ステラが右手を振り下ろすと同時に
火の石礫が男の頭上に降り注ぐ
だが
本来倒れているはずの男が目を見開いて棒立ちしていた
「!?」
ステラが木星の星を背中側に展開する
「いい勘
さすがボスがポケットマネーで
懸賞金掛けただけはあるね」
14歳ほどの白髪の少女がステラの背後に立っていた
「やれやれ 困っちゃったね
まさかこんな大物が近くにいたんじゃ落ち落ち
酒も飲めないよ」
カウボーイハットに口髭を伸ばした男が
少女の後ろから現れる
「くっくっくっ 懸賞金ランキング1位
稼げそうだ」
全身を黒いコートで覆った男が金歯を覗かせながら笑う
「やめなよ 君達2人は戦いが派手すぎる
街中で使っていい能力じゃない」
口髭を伸ばした男が他2人の前に出る
「じゃ アルに任せる」
「発見したのは俺だからね
手数料で3割」
「無茶を言うねぇ
治療費で懸賞金なんて」
口髭を伸ばした男が魔素を周囲に張り巡らせ始める
「....あなた達がトライデントってことね」
ステラが顔を歪ませる
「頭のいい女性を殺すのは忍びないし
どうだい 一緒に一杯いかないかい」
「お断りよ」
「...そうか 残念だ
僕の前は紳士ロンベルク
君の最後の男になる」
「残念 私の男は決まってるのよ」
ロンベルクは懐から銃を取り出してステラの頭に向ける
タァァンッ!!!
ロンベルクが銃弾を放った瞬間
「!?」
”何もない空間”で二度跳弾してステラの顔めがけて弾丸が迫る
スパッ!!!!
弾丸がステラの右髪の一部を切り裂く
「やっぱりその魔術
防げる方向があるようだね」
「ちっ!!!」
ステラが火星の星に捕まり上空に飛び上がる
「どこに行っても逃げられない
僕は女性を逃したことがなくてね」
タタタァッン!!!!
ロンベルクが銃を3連射し
すべての弾丸が同じく”何もない空間”で跳弾して3方向から襲いかかる
「くっ!」
ステラが火星の星を回転させると同時に身を捻って躱す
男の頭上から石礫が降り注ぐ
だが全ての石礫がまるでロンベルクを避けるかのように軌道が逸れていく
「魔術の相性か」
ステラの額に汗がにじむ
「残念だよ
美しい女性が死ぬのは
いつだって悲しいものだ」
ロンベルクが銃を構える
「くっ!」
ステラが惑星を自分の周りに集める
「3度目の正直だ
今度は外さない」
タタタンッ!!!
3連射で放たれた銃弾がステラへと迫る
「悪いな」
「っ!!」
スパッ!!!!
ロンベルクが背中から血を吹き出しながら倒れる
「楽郎!?」
ステラさんがあの黒い星で無理やり銃弾を吸い取るようにして銃弾を止めている
どんな状況だ
だがこいつが敵なのは間違いない
「き 貴様は」
「楽郎! 気をつけて!
そいつの銃弾は躱せないし
こっちの攻撃が当たらないわ!」
「なるほど 試しましょう」
俺は刀に魔素を集中させて再び男の腹めがけて振り下ろす
ゴロッと男は地面を転がり躱すが
スパッと別の何かを切った感触がある
「そういうことか」
「不意打ちとは汚いことをする!!!
紳士にあるまじき行いだ!!!!」
「殺人犯よりはマシだろう
現行犯だしな」
俺は刀を構え 光の魔素を全身に薄く纏い突撃する
ロンベルクが銃を構え連射する
「楽郎!!
弾が跳ねるわ!」
さっき一瞬だが見たからわかる
こいつは空間のいくつかの場所に銃弾の軌道を変える何かを置いている
さっき切れたのはそれだろう
「切るべきは」
俺は自分の半径2m以内にある空間をデタラメに切り裂く
「何っ!」
その瞬間 銃弾が跳弾しなくなり全く別の方向に飛んでいく
「見切ったところで銃弾を増やせば」
男が懐からもう一丁の銃を取り出す
「させるかよ」
ザザッドッ!
刀を振るい
ロンベルクの銃を破壊すると同時に胸に刀を突き刺す
「がっ」
「紳士ロンベルク
私を超える男とは
惚れてしまいそうだ」
ドサリとロンベルクが倒れる
「悪いな
俺は熟女にしか興味ない」
その後
騒ぎを聞きつけた衛兵が駆けつけその場は収束し
いつの間にか姿を消していたトライデントの残り2人を追うのは取り止めた
夜明けの明星の男達を捕らえ
心付け程度の謝礼を受け取って宿ではなく街の外のフィルビスに戻った
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