第18話 To the gym
ルクルス 修練所・Muxa<ムクシャ>
「ったは!」
俺は古代魔術に耐えうる体を作ることにしていた
魔素を全身に循環させ 精密にコントロールする
それに必要なのは
「「筋肉だ!!!」」
筋トレが必要らしいのである
そういえばステラさんもやたら化け物体力してたな
「体の隅々まで自分のコントロール化に置く
その上で魔素のコントロール感覚を磨く
そうすれば君の少ない魔素量でも古代魔術の使用に耐えうる!!!」
街一番のムキムキの男が丁寧に俺に筋トレを教えてくれていた
近づくだけでとんでもない熱気だよ
「おっと しまった!!!!!
俺の名前はガルド・レックスガリアーグ
この街で一番熱い男だぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
確かに熱いな
だが魔術の腕は確かなのだろう
魔素の感覚が磨けてない俺ですら
ガルドの纏う山のような圧倒的な存在感を感じる
「ガルドさんは何で俺に?」
「体を鍛えたい者を拒まず
去る者も追わず
アルティメッティエット・マンプランの理念だからな」
そういえばそんな感じこと言ってたな
修練所 もといトレーニングジムも同じ名前だし
この人オーナーだったのか
「君の目標は彼女に追いつくことかな」
ガルドがちらりとステラさんを見る
とんでもない重量でトレーニングしている
「追い越すことです!」
そしてステラさんの叔父さんの家に戻ったら魔素を使い切るまで古代魔術の発動練習
古代魔術の光魔術は攻撃性が低いおかげで屋内で修行できる
おかげで体内魔素を使い切っても気絶しなくなった
この街に来るまでに倒した魔獣の素材を売り払ったおかげで金も少しあるし
あの実戦訓練も無駄じゃなかったな
「楽郎 どう?」
ステラさんが俺の部屋に入ってくる
風呂上がりらしくふわふわの髪からミルクのような匂い
「もう少しですかね
光の球<レルク・プリフェシオ>は安定して出せるんですけど
光剣<レルク・カルラ>っていうのが安定しなくて
光の剣がぼわーって出るんですけど
俺のは何か短いんですよね
指の先ぐらいの大きさしか出なくて」
「そう いい方法があるのよ」
「え?」
「アリスラから買った刀
どこに行くときもずっと持ってたでしょ」
「はい」
ちなみにヴィスターブは手元の持ち手の部分だけ一部残してナイフにしてもらった
「古代魔術は魔素のコントロール次第では」
ステラさんが俺の刀を掴み惑星魔術を発動する
ヴゥンと刀の周りに小さな星がぐるぐる回り始める
「こんな風に魔具に魔術を付与することも出来る
やってみればいいんじゃない
切れないようにもコーティング出来ると思うわ
やり方次第だけど」
「! なるほど」
俺の目的も達成できそうだ
人を殺さず無力化する
例えどんな人間でもな
それが元の世界でしか通用しない価値観だとしても
その一線は守りたい
「光剣<レルク・カルラ>!!!!」
俺は刀を握った状態で光の剣を発動する
ブゥンッと刀に光の力が宿る
と同時に眼の前がグラグラし始める
「魔素切れなの忘れて た」
「ちょっ 楽郎!?」
そこで意識が途切れた
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