第3話 犯人のヒント
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【鈴音視点】
父さんと母さんが死んだ。
ただ殺されたんじゃない。
無惨に殺された。
朝、兄さんが警察と話しているときに色々と探索をしてみた。
そこにはなにかの毛と思われるものが落ちており直感的にこれがなにかの鍵になると思い隠し持っている。
兄さんはいま風呂に入っている。
それに気づいているなら警察に知られた可能性があり少し厄介だ。
これは普通の殺人ではない。
現場を見ても明らかに異質だというのはまだ子供の私でもわかることだ。
色々と考え悩んでいると時計が目に入った。
だいぶ自分の世界に入っていたのはわかったが兄さんがなかなか風呂から上がらない。
いつもならすぐに上がるはずなのに。
ふと頭に兄さんもこのことについて考えている可能性が頭をよぎる。
取り敢えず上がるように言おうと階段を降り風呂場まで行きノックをする。
すると兄さんはびっくりしたのか反応が少し遅れていた。
そして私は早く上がるようにという事と話したいことがあると伝えると部屋に戻る。
兄さんが何を考えているのか気になりながらも着替えを用意していた。
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部屋で本を読んでいると風呂を上がったのか静寂の部屋にノックの音が響く。
「兄さん。話があるんだけど入っていい?」
と鈴音が声をかけてくる。
「ん。良いよ。」
と言うと静かだったのに勢いよく開けてきて少しキレそうだ。
しかも無礼なことに勢いよく座りやがった。
本当に苛つくがそれにキレていると話が進まないからとりあえずおいておこう。
「で、何を話したいの?」
と聞くと
「これについて。」
とジッパーを出された。
いや、正確には中身の入ったジッパーだろうか。
中には銀色?いや白い何かの毛らしきものが入っていた。
「これは?」
と聞くと
「リビングに落ちてた。なにかのヒントになるかもしれない。」
と言われた。
「まぁ、俺も少し調べておくから取り敢えず寝ようぜ。」
と今日は色々と疲れたからと鈴音に言うと
「確かに。おやすみ。」
と部屋に戻っていった。
全く掴み所のない妹である。
電気を消し布団に入ると予想以上に疲れていたのか早い段階で睡魔に襲われ眠るのだった。
昨日は疲れていていつもより早く寝たのが良かったのかいつもより早く起きることができた。
そして今日は平日だ。
正直学校に行く気力がなく調べ物をしたいため学校を休もうと思う。
その旨を鈴音に伝えると
「私も休む。」
と言い出した。
正直学校に行ってほしいいが疲れているだろうししょうがないと思うことにして学校に休みの連絡を入れるのだった。
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