不死身って、死から蘇る時のエネルギーどっから来るんだろう
エルキルを鍛えるのが終わって暇ができた。
ドルフには5~10年くらいで戻ると言ってたけど。4年で終わるとは予想していなかったよ。
まぁ折角だし、あと1年は何かしてからドルフのところに戻ろうかと思う。
で、何かするって言ってもどうしようかな~。
何かやらなきゃいけない事とかあったかな?
『あ……!』
やば。ビックリしすぎて声出ちゃった。
出てないけど。
そういえばドルフと最初に会ったときに、虎を神域に送ってたんだった。
大丈夫かな? 一応向こうの時間はこっちの時間と同じ流れにしてるけど。
あれから100年は経過してるんだよね。
虎死んでない? そもそも私のこと覚えてる?
魔物だから、寿命はあってないようなものだけど。魔物は魔素があればずっと生きていられるからね。
神域は魔素が充満してる空間だから、事故でも起きない限り魔物は絶対に死ぬことはないと思う。
あ~でも。
あの子達に襲われてたら、死んじゃってるかもな~。
妖精達は一切問題ないだろうけど。
まぁ、流石にあの子達もいきなり襲うってことは無いでしょ。
……そう信じよう。
もし、あの子達と仲良くなってたら。
あの虎も名前を付けてあげても良いかもね。
白かったしまんま白虎とか。
それもこれも「もし」の話だけど。
とりあえず、それは置いておくとして。
他に忘れてること……。
あ!
ファンタジー鉱石!!
そうだ! あれがあるじゃん!
アダマンタイト!
……あれって加工できるのかな?
明らかにファンタジーでマジカルな鉱石なわけだし。
よし! ちょっと人がいないところで実験してこよう。
─人がいない大陸のどこか─
よし、ここならどんな実験でもできる。
とりあえずアダマンタイトの鉱石が大きすぎるから、ちょっと切って小さくしよう。
目の前の15メートルほどの大きさの塊を見やり、私の相棒とも言える剣を取り出した。銘はない。
あの空間でひたすら修行してる時に気がついたんだけど。剣を媒体に魔法を発動できるんだよね。
しかも、ただの魔法というか剣の魔法なんだよ。意味わかんないと思うけどね。
この感じ杖とか作ったらそれを媒体にできそうな気がする。
こういう魔法はどうやってそれを剣と認識してて。そもそも、剣そのものにどんな効果があって剣の魔法に変換してるんだろう。
こういうのを決めてる存在がいるんだろうか。
いや、まぁ十中八九セカイだろうけど。
まぁいいや。
とりあえず目の前にあるアダマンタイトを目標に。ついでにこの大陸から感じる魔物の気配もターゲットにして。
剣技 一閃
+
【オリジナル剣魔法:鎌鼬】
+
【オリジナル空間魔法:空間接続】
神狼流複合魔剣術 初撃の剣 斬
そぉれ!!
ガキーーーン!!
ん? ガキーン?
目の前を見てみると、ほんの数センチ傷ついただけのアダマンタイトがあった。
はぁぁぁ!?
これ一応ダイヤモンドとか、それより硬い私の1つ目の結界も斬れるくらい凄い技なんだけど!?
硬! アダマンタイトかっっった!!
あ、魔物も2体生きてる!
マジかぁ、30体近くいた魔物のうち2体無事なのかぁ。
自信無くなるなぁ。
今回使用した2つの魔法。
1つ目は剣魔法。
この剣魔法は、なんか剣を持ってたら発動できそうだった魔法を発動したら何故かできた魔法。
を、さらに改良した魔法なんだよね。
効果は魔力に斬れる性質を付与して、その魔力を飛ばすっていう聞くと単純な効果だよ。
私も魔力を飛ばして物を斬ることができるけど。
私の場合は目茶苦茶硬い棒を、凄まじい速度で物に当てて斬ってるって言ってるようなものなんだよね。
剣魔法はきちんと刃物で物を斬るって感じ。
まぁ要するに私はゴリ押し、剣魔法は包丁とか剣とかで斬ってるってこと。
で、鎌鼬はただ斬る性質の魔力を飛ばすだけじゃなくて、一点に凄まじい数の斬撃を当てる魔法だよ。
2つ目の魔法は空間魔法の空間接続ってやつ。
この魔法は凄いよ! 私の最高傑作のうちの1つ!
この魔法は空間と空間を接続する魔法なんだけど。
空間aと空間bがあったとしよう。
空間aが主空間、空間bが作用空間。
この魔法を使うと空間aで風が吹くと、空間bでも風量、風速、方向全てが同じように風が吹く。空間aで物が濡れれば空間bでも物が濡れる。
そして……空間aで斬撃が発生すれば空間bでも全く同じように斬撃が発生するんだよ。
ちなみに空間bで風が吹いても、空間aで風は吹かない。
今回この魔法で魔物がいる空間に接続して、アダマンタイトを斬るついでに魔物を殺したのだ!
まぁ、2匹殺せなかったけど。
はぁ、もういいやアダマンタイトもさっさと小さくしちゃおう。
【オリジナル空間魔法:空間切断】
目の前のアダマンタイトは見た目的には変化はない。
アダマンタイトの塊に近づきそっと前足で触れた。
スルッ ガラガラガラ!!
触れた瞬間にアダマンタイトの塊がズレて、ガラガラと崩れた。
よし、綺麗に15等分できたね。
さて、アイテムボックスに納めてっと。
次は残った魔物を確認しよう。
どうしてあの斬撃を受けて生きてるのか気になるし。
──────────
──
─
燃えてる。
最初に見た第一印象は、ただただ……それだけだった。
私の目の前には炎に包まれた鳥がいた。
『ええええええ!??? 魔物何でもありじゃん! 何で燃えてるの!?』
驚きすぎて思わず思考に出てしまった。
いったい、何がどうなって燃えるようになったの? 燃える必要性は???
まぁ、火は自分の身を敵から守るためって考えれば納得するけど。
自分の体が燃えちゃったら本末転倒じゃない?
とりあえず魔力刄飛ばそっと。
シュパ!
魔力刄は私が魔力ゴリ押しで斬るやつね。
ん?
魔力刄で燃える鳥を斬ったと思ったのに。
なんか回復してない?
しかも魔力刄の魔力吸収して。
これは普通だったら私とかエンリちゃん以外あり得ないことだ。
魔力と言うのは人それぞれ練り方に違いがあるから、他人や他の魔物と同じ魔力って言うのはあり得ない。
他人の魔力を自分に吸収するのは、一度その魔力を自分の魔力に変換する必要がある。
これは神業とも言えるほどの魔力への理解と、魔力操作能力がないと絶対に不可能な技術なんだよ。
この魔物凄ぉ……
そんな風に驚いていると、焼き鳥が完全に復活した。どうしよう、焼き鳥って考えたら美味しそうに見えてきた。
下らないことを考えていると燃えてる鳥と目があった。
何かすっごい絶望してるみたいな顔してる。表情豊かだなぁ。あの鳥。
燃える鳥は急いで方向転換すると、凄まじい速度で羽ばたき逃げ出した。
フフフ私から逃げようなんざ1億年早いわぁ!!
魔力刄で傷つけれることはわかってる。
てなわけで、さっきよりもちょっっっと強い魔力刄×2……えいっ!
魔力刄は吸い込まれるように逃げる焼き鳥の翼に当たった。
「クルァァァァ!!??」
鳥の悲鳴が聞こえてきた。
う~ん少し可哀想。
少し遠くで木々が折れる音が聞こえてきた。
さてさて向かいましょうかね。
「クルルゥ…!?」
鳥からしたら急に目の前に現れたようなもんだからそりゃビックリするよね。
「クルルゥァァァァ!!」
おうおう威嚇凄いねぇ。
目は凄く怖がってるのに。
魔物は知能が高くなるから感情が豊かになったりするのかな。
案外生き物を殺すことに対して愉悦感を抱く魔物がいたりして。
この鳥には申し訳ないけども死んでもらおう。
せめて苦しくないように首を斬って殺してあげよう。
シュパ!!
よし、これで1匹目。
あと1匹か。
結構時間かかっちゃったなぁ。
私が次の魔物を殺しに行こうと振り向いた瞬間。
後ろの鳥の死体が燃え上がった。
その炎は煌々と輝き、炎特有の恐ろしさは存在せず、全てを包み込むかのような暖かな雰囲気を醸し出していた。
そして……死体の全てが灰になり燃え落ちた時、灰の中から一匹のヒヨコが誕生した。
『えぇ……不死身なのぉ……? そんなのアリぃ?』
ピヨピヨと鳴くそのヒヨコはこちらを先ほどの鳥のように、殺したことに怒っているかのように睨み付けながらも、その目はやはり恐怖に染まっていた。
────────────────────────────
オオオオオオオオオキャ!
「せめて苦しくないように殺してあげよう」
↑
……実に傲慢だぁ。これで自覚無しってマ?
そして不死身なのアリ?と神狼(完全不老不死、魂の状態からの復活アリ)が申しております。
久々に今月1万PVいきそうです。
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