ペロッ···これは!青酸カリ(ドワーフ)!!
目の前の髭モジャおじさんが、デカイ丸太を持ってこっちを睨んでる。
ふむ·······ふむ、ふーむ。
うん。
何か酷い勘違いされてるねこれ。
ぜぇぇぇぇったい、されちゃいけないような勘違いされてるよねぇぇ!?
どうしよこれ?!
ど、どうやって誤解を解けば!?
思念を伝える!?
でも今、無視されたよね?
oh···ジーザス!
とりあえず、攻撃は絶対にしないようにしないと。
攻撃したら完全に敵対関係になっちゃうし。
それに、あの丸太じゃ私を傷つけるなんて絶対に無理だよ。
別に攻撃されても痛くも痒くもないしね。
つまり、ここから導き出せる答えは!!
持久戦!!!
髭モジャおじさんが私を攻撃して万が一、億が一、宝くじ一等に当選した後に王族だと判明して一国の主になって、その国が栄華を極め全世界を統一して、巨大隕石によって星が滅ぶくらいの超超超超超超超超超超低確率で私に傷をつけて倒したら髭モジャおじさんの勝ち。
私に攻撃してきた髭モジャおじさんの体力が、底をついて攻撃できなくなったら私の勝ち。
そのまま説得して誤解を解こう。
てなわけで、今凄い勢いでこっちに向かってきてる髭モジャおじさんの圧が凄いから、ゲーム開始で!
─1時間後─
いまだに攻撃をし続けてきてる。
ちなみにずっと鬼気迫る顔で咆哮をあげてる。
疲れてる気配がないから相当体力があるんだろうね。
─5時間後─
え~なんなの?
この人、無限の体力持ってるの?
私の無限の魔力みたいに、体力が無限なの?
しかも、丸太の振る速度が速くなってるんだよね。
─9時間後─
ねぇ!もう夜だよ?!諦めなって!?
おかしいよねぇ?!?!
ヒョェッ···!?
い、いいいいい今結構後方の大木が折れたんだけどぉ!?
飛ぶ斬撃でもだしてるのかなぁ?!!!
──────────────
────
─
····························あれから1日、とまでは言わないけどそれくらいの時間が経った。
勝敗の結果から言おう。
結果的には私が勝った。
この勝敗は私が勝手に決めたからあれだけどさ。
おかしいよ?
人間って、そんな自分の身体の力だけで木を折って丸太を作ったり、丸太を両手で抱えて1日近く振ることってできないよね?
だから、またあの村の人達みたいな凄い突然変異かなって思って、気絶した髭モジャおじさんを調べてみたけどさ。
····普通の人だったんだよねぇ。
いや、魔臓器が生成されてたから普通とは言えないのかもしれないけどさ。
魔力で力を上げてるようには思えなかったし、気力を操作して身体能力を上げてるわけでもなかった。
だから、さらにもっと詳しく細胞レベル(物理)で調べてみたら·······
大当たり!
なんと、この人の身体は細胞レベルで魔力に馴染んでいたんだよね!
でも、それだけであの怪力が出せるかと言うとNOだね。
あの怪力の原因は魔力に馴染んだ細胞にあった。
[筋肉]
それは全てを解決する万能の力。
まぁ万能は冗談だけど。
筋肉って言うのは力に直結する一番重要な所なんだけど···
あの髭モジャおじさん、筋肉の密度が半端じゃなかった。
どれくらい半端じゃなかったのかと言うと、炭素がダイヤモンドになるくらい半端じゃなかった。
炭素がダイヤモンドになるかどうかは置いといて、急いで比べてきたんだけど筋肉密度がエレスの国の人の100倍以上はあった。
BAKE-MONOだよ。
そりゃあねぇ、丸太も余裕で振り回せますよね。はい。
しかも一番おかしいのは、ただ密度が上がってるんじゃなくて、なんか体内の空間が歪んで実際よりも細く見えてるって所だよね。
あれかな?十分に発達した筋肉は、魔法と見分けがつかないってやつかな?
·······この事は保留にしよう。
心臓の鼓動が少しずつ早くなってるのが聞こえるから、そろそろ目覚めそうだね。
あ、手が動いた。
髭モジャの目蓋がピクピクと動き、次の瞬間目を見開き私と目があった。
そして息を吸い込むと···
「はっ!····狼よなぜ儂を殺さん。バカにしてるのか?」
起きて早々何を言ってるんだ、この髭は。
よ~し勘違いを解くとしましょうか。
~カクカクシカジカ中~
「ガハハハ!なるほどなるほど、全部儂の勘違いだったのか!」
『そう!!全部君の勘違い!わたし、わるくない、わかる?』
「すまんな狼よ、あの状況だとてっきり儂も虎みたいに殺されるのかと思ってたわ」
『虎?あぁ!殺してないよ?あの虎は別世界···まぁ別の遠い所に行っただけだよ』
あれから30分ほど時間をかけて、なんとか誤解を解くことができた。
この髭おじさん、命を捨てる覚悟で私に向かってきたらしい。あの時私が反撃してたらと考えると、恐ろしいね·······
『ところで、気になってたんだけど。あの必死に抱えてた物は何なの?』
「ん?抱えてたもの···あぁ、あれか。あれはな、木を切ったりする道具や岩を壊したり出来る道具の材料さ」
『?普通の石じゃないの?』
「いいや、あれは普通の石よりも固い。何より叩くと伸びる」
お?叩くの伸びる?
『それって、もしかしてだけどキラキラしてる?それと少し角ばってたりとかも』
『あぁ、叩くと光沢が出て綺麗だぞ!角張ってるかと言われたら····角張ってるのもあるし、少し丸いのもあるって感じか?』
·······鉄鉱石、かな?
ちょっくら神狼眼で見てみよう。
名称:鉄鉱石
どの世界に必ずあると言っても良いほどの鉱石。様々な文明の礎になったと言っても過言ではない。
主な成分は酸化鉄である。
やっぱりね!ビンゴ!
景品はありません!
そんなことを考えていると髭おじが話しかけてきた。
「そういえば狼よ、名前はあるのか?」
『ん?名前?』
名前かぁ···このモジャおじと、これから先も会うのかと言われたらあれだしなぁ。
これからずっと一緒に会うのならまだしも、すぐ別れるかもしれないモジャに真名を教えるのも微妙だなぁ·····よし。
『あーとりあえず
「ふぇん、りる·····フェンリルか。なるほど、では狼改めフェンリルよ今さらだが、儂の命を助けてくれたことをここに感謝する」
『いやいや良いよ。君が襲われたのって、私があの虎にちょっかい出したせいでもあるから』
「それでもだ、儂の命を助けてくれたことに変わりはない。大地の民の族長ドルフとして、お前さんを儂の集落に案内したい」
んんんんんん??????
族長?
族長ってあれだよね?
村とか集落とかの一番上の立場の人だよね?
このモジャ髭が!?いや、今ドルフって名前聞いたしモジャ、髭モジャ、モジャモジャ、髭改めドルフか。
ドルフ、偉かったんかワレェ·······
いやぁ私には関係ないけどさ。
『君、偉かったんだ。なんで外に出て回ってるのよ族長(だからちゃんと自分の命を守らないと)なのに』
「ん?儂は族長だぞ?族長(は皆を引っ張る者だし、そもそも材料調達隊の隊長)が率先して資源を採って回らないなんて駄目だろ?」
『え?』
「え?」
『「え?」』
『ま、まぁいいや。まぁ折角だし、お言葉に甘えて案内してもらうことにするよ』
なんかすれ違ってる気がするけど、置いておこう。
旅は出会いと別れが付き物って言うし、この出会いも運命みたいなものだから、しばらくは一緒に行動しようと思う。
「そうかそうか!では、早速洞窟に帰るするとしよう!」
ドルフはそう言うと、鉄鉱石を抱えて立ち上がり辺りを見渡した。
「ふむ」
キョロキョロ
「ふむふむ?」
キョロキョロ
「ガハハ!なるほどな!」
『ドルフ?どうしたの?』
ドルフは辺りをキョロキョロと見渡した後に何か分かったかのように頷いた。
すると、しばらくして自信満々に私の方を見てきた。
なんだろう?
「フェンリルよ」
『?』
「迷った!!!」
はい?
えぇ·······マジですか。
──────────
───
─
結局あれから夜は暗いし帰り道も分からないということで、一旦寝て朝になるまで待った。
そして今ドルフに連れられて、ドルフの言う洞窟に到着した。
カンッ!カンッ!カンッ!キンッ!
洞窟の中から金属を叩くような音が聞こえてくる。
ドルフは洞窟の入り口に近づいて大きく息を吸い込むと···
「おーい!お前ら!!!このドルフが帰ったぞぉぉぉぉ!!」
もの凄い大声で仲間に呼び掛けた。
その声が聞こえたのか洞窟の内部から金属を叩く音が消え、こちらに走ってくるような音がたくさん聞こえてきた。
そして、しばらくすると洞窟の中から数人の人が出てきた。
容姿はドルフよりも背が低く、皆毛深かった。
ふむふむ、なるほどね。
ほほ~ん。
いや、ドワーフじゃん!
────────────────────────────
ハーァイ!オオキャミーですよぉ!!!
前回の話の更新から1週間以上経ったってマ?
まぁ前回の更新から一週間くらいは薬の副作用の眠気で、ほぼ1日中寝てたからノーカンにしてもらって。
副作用が悪いんですよ副作用が。
最近「」の最後は 。を付けないって知ったんですけど。マジかぁ!全部変えてこよ。
更新が遅れたお詫びと言っちゃなんですけど。
ちょーかっこいい落書きアルルちゃん(神様バージョン)置いときます。
https://kakuyomu.jp/users/oukyami/news/16817330663102878497
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