???



辺り一面が白い部屋


コツコツという音を鳴らしながら1人の長髪の女が歩いている。

その向かう先はハッキリと定められていて、少しだけ早足のようだ。


そして、その足音が止まった。

目の前には真っ黒···漆黒の巨大な扉が佇んでいる。

女は少しだけ考えるような素振りをしたあと、扉に触れた。


すると扉がゆっくりとだが奥に開いていく。

扉の中は真っ暗で一寸先も見えないような状態だ。

だが、女はそれに恐れることなく、どんどんと進んでいく。


そして、完全に扉の奥に入ると後ろで扉が閉じた。

女は完全に闇に包まれた。

女がふと、呟く。


「ふむ、魂魄循環機構に問題は特に無さそうですね。」


女の目線の先には何も写っていない。

だが、女の目には確実に何かが見えている。

それもそのはず、普通の状態で見ればただの真っ暗な場所だ。

だが、方法で見た場合はどうか、女が見ている景色を見てみると·······



目の前にぼんやりと明るく光る塊がある。

だが、回りを見るとそれが1つではないことがわかる。

奥の方に目をやると、どんどんと数が増えていき1、5、10、40、100とたくさんの光の塊が見えてくる。

そして、ほんの少し目線を上げると·······


大量の光の塊が···そう、それは例えるならば満点の星空、宇宙空間に漂う星々のように幻想的な空間を作り出していた。

そして、この空間を作り出している光の塊の正体、それは·······






先程、女が魂魄循環機構と言っていた通り、ここは魂が集まる場所のようだ。

魂を視認する前の真っ暗闇の空間では気づくことはできないが、視認できる状態でここに入った者は気づくだろう。

この空間が果てしないほど巨大で、下にも上にも左右も、四方八方全てが永遠に続くと思わせるほど広大であるということに。


そして、その魂が集まる空間の中心部、女が見ていた方向を見ると、魂が他の所と比べ物にならないほど高密に集まっている空間があった。


女はそこに近づいていく。


女が近づくと魂は自然と格の違いに気づいたのか、割れるように道を開けていく。

そして、その魂が一際ひときわ集まる場所の中心部にたどり着いた。

女が口を開いた。


「どうも、お久しぶりですね。あぁすみません、喋れないのはわかっていますよ。」

「私、新しく名前を付けてもらったんですよ。今度からセカイって呼んでくださいね。」

「えぇ、呼べないこともわかっていますよ。」


その女はとある狼からもらった名前を気に入ってるようだ。

その女の名はセカイ。


「ところで·······あなたですよね?ベル様を神界に招いたのは。」


セカイが語りかける先に人影が見える。

だが、魂がさらに集まっているため、時々手や足の指先が見える程度だ。

だが、どうやら両腕を肩の高さまで上げ十字架のような体勢とだけはわかる。


「これ程成長してるとは思ってもいませんでした。まさか·······他にも何かしてませんよね?一応、忠告はしておきます。あまり生命に干渉するのは止めてくださいね?」


もう1つの人影が何を思っているのかはわからない、もちろんセカイにも。


だが、了承という意味なのかほんの少しだけ回りの魂が揺らいだ。


「忠告はしました。が、これ以上も続けるのであればそれ相応の対応をします。できれば、そんなことはしたくありません。あなたは魂魄循環機構の要なのですから。それでは。」


セカイはそう言うと、扉のあった場所へ戻り外に出た。


扉がゆっくりと閉じていき、この空間はまた····暗闇に包まれた。



────────────────────────────

あとがき

どうも、オオキャミーです。

次から新しい章だぁぁぁぁ!!

いやっふぉぉぉ!!!


新しい章の話をちょっと軽くまとめたいので少しだけ更新が止まります。

まぁ、たぶん自分が更新遅れたときくらいの間隔です。

なので案外結構早く更新再開になる可能性があります。


ここまで読んでくださった方々へ、本当にありがとうございます。

自分の拙い文章をここまで読んでくださることに感謝感激雨霰です。

ちなみにこの感謝感激雨霰は、もともとは琵琶歌の乱射乱撃雨霰をもじった物らしいですね。


これから先も執筆に励んでいきたいので是非、

是が非でも!小説のフォロー、♥️と★で応援してください!

現在小説のフォロー1000人超えてるんですよ。

1000人が★を1つでも押したら

それは★が1000個なんですよ!(単純計算バカ)

なので何卒よろしくお願いします。


あ、今まで出てきたキャラの設定的なのをまとめて公開する予定もあります。お楽しみに。

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