神器って響きなんか格好良いよね

「姉さん!久しぶり、再会が早すぎるよ」


「ベル姉さん!!久しぶりだな!!」


扉の向こうから現れたのはエンリちゃんとアルルちゃんだった。


『エンリちゃんにアルルちゃん!!1年ぶり!』


「私たちからしたら4日だけどね」


『あ、そっか。こっちだとそんなに時間は経ってないんだ』


確か·······地球時間100年でこっちは1年なんだっけ?

単純計算で地球時間1年で3~4日かぁ。

あれ?じゃあ寂しかったの私だけ?

するとドアからセカイが入ってきた。


「ベル様お2人を連れてきました。それと·····」


セカイがそう言うともう一人ドアの奥から出てきた。


「どうもこんにちは!私エンリちゃんとアルルちゃんの担任をさせてもらってるソラというものです!」


チマーン


·······ちっちゃい。幼児かな?

現れたのは少しブカブカな服を着て黄緑色の髪の小さな先生?だった。


『えっと·······先生?で合ってるんだよね?』


「えへへ、この見た目だとそう思われちゃいますよね」


「姉さん!!ソラ先生は凄いんだよ!いろんな物事を知ってて、いろんなことを教えてくれるの!」


『エンリちゃんがそこまで言うってことは凄い先生なんだね』


エンリちゃんが凄く興奮した様子で私に言ってきたけど。

うん·····やっぱり幼女にしか見えない。


『えっと、ソラさん?』


「あ、別に呼び捨てで良いですよ!私知り合いからは呼び捨てで呼ばれてるので!生徒達からはさすがにソラ先生って呼ばれてますけど」


『えっと、じゃあ·······さすがにエンリちゃんとアルルちゃんの先生だからソラ先生って呼ぶね』


「はい!」


『その、失礼じゃなければ良いんだけど。ソラ先生は何の神様なの?』


「あ、いえいえ!生徒達には普通に教えてるので全然良いですよ!えっとですね私は知識と天気を司ってる神です」


『へぇ!天気司ってるんだ!私も天気操れるよ!』


「ほへー、お揃いですね!」


うん·······もう幼女でいいや!

かわいい!

言動が凄く幼さが出てて生徒からも愛されてそうだね。ブカブカの服も相まって凄く保護欲を掻き立てられるよ。


「ねえ、姉さん何か用事があって来たらしいけど、何かあったの?」


「そうだ!ベル姉さんがわざわざここまで来るってことは、ヤバイことがあったんだろ!」


『あ、そうだった!そういえばその事でここに来たんだった』


ヤバイすっかり忘れてた!

それにしても、どう説明しよう····

いきなり無くなったって言っても信じてくれるかな?

いや、でもやっぱり正直に話した方が良いよね。よし!い、言うぞ!


『そのーあの、えっとですねぇ·······エンリちゃんとアルルちゃんから預かってたプレゼントした道具全部消えちゃった!いやね、私は別に何もしてないんだよ?でも気づいたら無くなってたの!信じて!』


「「あー」」


チラッ


エンリちゃんは私の謝罪兼言い訳を聞いてアルルちゃんと一瞬意味ありげに目を合わせた。



「えっとね、姉さん。その·······言いにくいんだけど、知ってるから。」

『え?』

「ベル姉さん、私たちその事知ってるぞ?だから別に謝らなくていいんだぞ?」

『ん~???』


私が混乱しているとエンリちゃんがソラ先生に近づき話しかけた。


「先生、アレ出しても良いですか?」

「んーそうですね~基本的に上級生にならないと学園内じゃ出したらダメですけど·······今回は私が許可しましょう!」

「ありがとうございます。」

『え?なに??』

「姉さん今から姉さんに預けてた道具が無くなった原因を見せるね。」

『え?あ、うん。』


どういうこと?

道具が消えた原因って2人なの?

でも、なんで??

まぁ、道具一式が消えた原因がわかったし別に良いか。

そんなことを考えているとエンリちゃんがてのひらを上に向けて伸ばした。

そして、目を見開くと掌の少し上と首もとに歪みが発生した。

次の瞬間掌の上に本とモノクル、首もとに紐を通した鍵が現れた。


『え、えええええええ!!!それって·······!』


「うん、そうだよ。姉さんから貰った道具だよ」


『で、でもなんで!?』


「ベル姉さん、こっちもほら」


アルルちゃんがそう言うと腕に歪みができて腕輪が現れた。

わぁお、まじぃ?


「えっとぉ···ベルさん、私から説明しましょうか?」


『あ、ソラ先生。·······うん、お願い』


「ではまず、2人が出した道具について説明しますね」


『?あれは私がプレゼントした道具だけど?』


「えっとぉ、そういうことじゃないんですよ。エンリちゃんとアルルちゃんが取り出したあの物は·······



神器です。」


『·······はい?』


「ではまず、神器について説明しますね。神器とは─────」


ソラ先生から説明された内容を要約するとこうだ。


神器とは神の道具であり、神の数だけ様々な種類が存在する。神器は主にその神の一番の得意分野や特徴が反映される。

神器には武器や衣服、なんと家具や生き物も存在するらしい。


次に神についても説明された

神には種類が2パターン存在する。

1つは神という種族として生まれ落ちた神

もう1つは神になる前、要するに普通の生物として生きていて何らかの原因で神になったものだ。

例えば人というのは自分よりも強いものや、圧倒的なものを恐怖したり時には崇めたりする。

その崇められた者の魂の位が上昇して神になるのだ。

物が崇められた場合魂が宿るかもしくは発生するらしい。


そして、それぞれの神は神器の生成方法が違うらしく。

元から神として生まれ落ちたものは身近な物に影響を受けやすく、学園で本をひたすら読んでいて本が大好き!という神がいた場合その神は本の形の神器を生成しやすいらしい。

じゃあもう片方のただの生き物から神になったものはどうだろうか。

この場合、生前特に思い入れが強いものだったり、大事にしてたもの、その者の特徴だったものが神器になるらしい。

過去に元が動物だった神は牙が神器になったそうだ。


そして今回、エンリちゃん達は学園に入学して早々神器を生成する授業を受けたらしく、そこでエンリちゃんは《時空の図書館の鍵》と《ワールドメモリーブック》、《鑑定モノクル》を

アルルちゃんは《スタミナ増強ブレスレット》、《反射神経増強ブレスレット》を神器として召喚+生成したらしい。

よくよく2人に渡した神器になったプレゼントを見てみると、少し装飾が増えたり品質がグレードアップして豪華になっていた。


ほえー神って不思議だなぁ。


何はともあれ、道具が消えた原因がしっかりと判明したから良かったよ。


『いやぁごめんね?なんか自分だけ心配したみたい』


「いや、姉さんは悪くないよ。私たちも神器がこれになるとは思ってなかったから」


「ベル姉さんがくれたこれ、神器になって性能も上がったんだぞ!これのお陰でず~っと鍛練できるんだ!」


「ベル様これで用事は終わりましたか?」


『あ、セカイ。うん、セカイのお陰で用事をすませることができたよ。ありがとね!』


「いえいえ、こちらこそ。」


これで用事も終わったしあとは地球に帰るだけだ!地球に帰ったらしばらくは言語の塔の修復作業かぁ。

うぅ·····もっとエンリちゃん達といたいよぉ。

はぁしょうがない私は大体2億生きてんるんだから100年1000年なんて一瞬だ!

くぅ·······でも早く会いたい!!

これが孫を待つ、お祖父ちゃんお祖母ちゃんの気持ちなのかな?


『急にお邪魔してごめんね。エンリちゃん、アルルちゃんこれからも勉強頑張ってね~!』


「うん、もちろんだよ!今は学園の図書館の本を《時空の図書館》にコピーしてどんどん増やしてるの!」


「私も強いやつと戦って楽しんでるぞ!」


アルルちゃん·······ちゃんと勉強してね·······

てか、しれっとエンリちゃんとんでもないこと言ってたなぁ。


『セカイ、帰りお願いできる?』


「はい、良いですよ。ここまで連れてきたのは私ですし、そもそも私がいないとこの学園から出れませんからね」


『ありがとう!じゃあエンリちゃん、アルルちゃんまたね!』


「うん、またね」


「ベル姉さんも元気でな~!」


「それでは行きましょうか。ベル様来たときと同じように腕輪をかざしてください」


セカイに言われた通りお手のようにして腕輪をかざすと、来たときと同じように青白い光が腕輪に走り


ピコンッ


という音が鳴った。


そして、エンリちゃんとアルルちゃん、ソラ先生が手を振ってるのを最後に景色が変わった。

次に目を開けると最初の黒い扉と居住スペースが少しだけある真っ白い部屋だった。


「ベル様あとは1人で帰れますか?」


『うん大丈夫。問題なく帰れるよ』


「わかりました、私もやることがあるのでここでお別れです。気をつけてお帰りください」


『うん、何から何までありがとうね!』


「いえいえ、それでは。」


セカイはそう言うと最初からそこにいなかったかのように姿を消した。

いや~あの転移の違和感の無さは見習いたいね。

私も早く帰るかぁ。

それにしても·······


私はふと黒い扉に目をやった。


なんで私は最初に来たとき、あの扉におかしなほどに惹かれたんだろう·······?

まぁ、気にしてもしょうがないか!

私もさっさとかーえろ!


私は自信の魔素を魔力に変換し転移魔法を発動した。




────────────────────────────

どうも作者のオオキャミーです。

ついにロリっ娘が登場しましたよ。

ロリっ娘が!

なんか、こんな娘出す予定なんて一切無かったのに、セカイが勝手に連れてきちゃいました。

不思議だ·····実に不思議だ·······


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