神界にレッツゴー!!
『よ、妖精だぁぁぁぁぁ!!!』
よ、妖精だ·······
明らかに妖精としか言いようがない見た目の生物?がいた。
あ、こっちに気づいた。
なんか話してる?·······なんかこっちに向かってきてるね。
なんか私に向かって話しかけてるみたいだけど········何言ってるかわかんないや!!( ᐛ)
とりあえず無視しとこ、私は何も見てない!
何故か蔓が狂喜乱舞してたのが気になってそっちの方向を見ただけであって、別に妖精みたいな謎の生き物は見えてない!!
·······すっごい体にまとわりついてくるじゃん。
えぇ、そんなにベタベタくっつく?
てか、この妖精みたいなのは本当に生き物なの?
ふと、神狼眼の中の魂眼で魂を確認してみた。
よく、命はみんな平等とか言ったりするけど魂に関してはそうじゃない。魂の大きさはそれぞれ一緒だよ?でも質は違う、綺麗だったり汚れてたり、濃厚だったり希薄だったり、魂の質はその魂の生きざまによって変わる。
例えば、ず~っと寝たきりでご飯も運ばれてくるものを食べている人と、同じくず~っと寝たきりでご飯を食べている人、だけど後者はたくさんの勉強をして膨大な知識を身に付けたとしよう。
この場合、質が高くなるのは後者だ。
これ以外にも寝たきりではなく運動をしたり、世界大会に出場したり、世紀の大発明をしたり、たくさんの人と関わって幸せに生きたり、様々な生き方によって魂の質は変わってくる。
魂の質と言うのは生前の豊かさによって変わってくるんだよ。
そして、生きている者の魂の質が高ければ高いほどその者は何かが"ある"ということになるんだ。
じゃあ、先程の妖精らしき者の魂はどうだろう。
魂の質は········目茶苦茶希薄だった。
ん~?薄すぎない?生まれたての赤ちゃんでももうちょっと魂は濃いよ?ん~?
もしかして·······
この世に生まれてそこまで時間が経ってないのかな?
魂が希薄な状態になっているのは生まれてからず~~っとなにもしてないか、そもそも魂が生まれてすぐの状態かしかない。
この子達は多分だけど後者だと思う。
にしても·······さっきよりもひっつく量増えてない?
えぇい!鬱陶しい!!貴様らなんぞ私にとっては虫も同然よハッハッハッハッ!!
とか言って脅かしたら離れてくれるかな?
いや、そもそも言葉が通じてない時点で意味ないか。
はぁ·······どうしよ
しばらくう~んう~んと悩んでいた時·······
ふと、何かが消えた感覚がした。
えぇ今度は何?
消えた感覚の正体を急いで探していると、なんと無しにアイテムボックスの中身を数えてみることにした。
ある、ある、ある、ある、あれもある、あ、そういえばこんなのもあったね、え~っと、ある、ある、ある、ある、ある─────
きっ消えてるぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!
うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
消ぃえぇてぇるぅぅぅぅぅ!!!
エンリちゃんとアルルちゃんから預かってた私が渡したプレゼントが消えてるぅぅぅぅぅ!!
なぁんでぇぇぇぇ!?!?
私がエンリちゃんとアルルちゃんに渡したプレゼントは《時空の図書館の鍵》と《ワールドメモリーブック》、《鑑定モノクル》、《スタミナ増強ブレスレット》、《反射神経増強ブレスレット》の5個なんだけど、それが全てなくなってるんだけどぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
んなぁぁぁぁぁぁ!!
どぉぉぉすればぁぁぁ!!!
よし、2人の所に行こう。
幸いにもセカイが2人を運んだ場所は移動した痕跡を辿って把握してある。
てなわけでレッツゴー!!
私はセカイが移動した先に行くために私自身の魔素で魔法を発動した。
ん?なんか抵抗がある?
まぁいいや、突っ込めぇぇ!!
なんだか粘土の壁を通り抜けるような、そんな感覚がしたあと目の前が明るくなった。
うぉっと!
危ない危ない、転ぶところだった。
辺りを見渡してみると、そこはとても広い1つの白い部屋だった。ただし真っ白というわけではなく右の遥か奥にとてつもなく巨大な黒い扉があったり、後ろの方に居住スペースのような所があったりしていた。
なんだろ、あの黒い扉·······すごく気になる。
私はその扉の中を覗きたいという、猛烈な気持ちに駆られた。
あの扉を開けないと·······
あの扉の奥に行かないと·······
私の足は自然と扉の方へ向かっていった。
ゆらりと、まるで自分の体じゃないような感覚に陥りながらも扉の前に辿り着いた。
そして、扉に触れようとすると·······
「何故あなたがここにいるのですか?」
後ろから突然声をかけられた。
『あ、セカイ·······』
「この先はできれば、覗かないでもらいたいですね。」
『ご、ごめん····なんかすごく開けたくなっちゃって』
「ふむ·······まぁいいでしょう。それよりも何故あなたはここにいるのですか?」
『え?いや、ちょっとエンリちゃんとアルルちゃんに用があって』
「そういうことではありません」
ん?そういうことじゃない?
「ベル様···あなたはここが、どこかわかっているのですか?」
『え?·······どこだろ?』
「はぁ···ここは、神界です」
『あぁ!あの神界ね!』
·······どの神界??
神界ってなに!?初耳なんだけど!?
「·······あの、私···心読めますよ?普段は基本的に読みませんが」
『うぇ!?いや~その·······実は知らなかったりして······あはは』
「神界とは我々世界と神々が存在する場所、我々世界と神々が協力して作り出した場所のことです」
『なるほど?』
「神界とは普通世界や神以外は侵入することができない絶対の領域なのです」
『ん?私、今ここにいるけど?』
「はい、なので何故ここにいるのか聞いてるのです」
『·······なんでだろ?』
本当になんでだろ?
なんか粘土みたいな感触がしたあの時に神界に入ったってことなのかな?
でも、そんな入れないとかそんなことなかったもんね。
ん~やっぱりわかんないや。
「はぁ、なんでここにいることができるのかは後で確認しましょう。それで、エンリさんとアルルさんに会いにきたんですよね」
『あぁうん、2人に用事があってね』
「わかりました。ではご案内しましょう」
『え?良いの?』
「はい、ここまで来たのなら用事を終わらせる方が良いでしょう」
『ありがとう!』
どうやらセカイはエンリちゃんとアルルちゃんの所に案内してくれるらしい。
確かに私、2人があの後どこに向かったかはわかるけど、今どこにいるかはわからないしね。
実にありがたい。
「では、ご案内しましょう。最上位神達と世界達が共同で創りし学園、そうですね···神々の言葉をあなたに通じる言葉に変えるとすると·······
全ての神と世界、知識が集まりし学園
ですかね?」
『おぉ····凄そう(小並感)』
「えぇ、すごいですよ。全ての神や世界が知識をその学園に渡しているので、ありとあらゆる知識がその学園に集まるのです」
『エンリちゃんとアルルちゃんはそんな凄いところに行ってるんだ·······』
「生まれたばかりの神や世界はそこに行くことが決められていますから」
へぇ~そうなんだ。
エンリちゃん·······凄く喜んでそうだなぁ。
「では、こちらへ。ベル様は私たちのように移動できないでしょうから」
セカイがそういうと白い壁に扉が出現して、セカイはその扉を
私も付いて行くしかないし、セカイの後に続いた。
外に出るとそこはまさに混沌だった。
いや、混沌でありながらもきちんと整然としている。
様々な様式の建築物が立ち並び、色々な神や世界と思われる種族が入り交じっていた。
人に良く似た形状の者もいればどろどろの液体のような者もいる。
空を見れば所謂ドラゴンという空想上の生物に良く似た形状の恐らくだが神がいた。
ただし大きさが半端じゃない。
この距離で普通の鳥くらいの大きさで見えるということは、地上に降りてきたら余裕でこの辺り一帯を潰せるだろう。
まさにファンタジーだなぁ。
明らかにダーク寄りな見た目の神とか機械みたいな神もいるけど·······
「ベル様、私に触れてください」
『あ、わかった。そういえば思ったんだけど、なんで私のことをベル"様"って呼ぶの?』
「あぁただ単に私が相手を呼ぶときに基本的に様を付けるのがクセになってるだけです」
『ふぅ~んそうなんだ。』
私はそう言いながらセカイに触れた。
「では、行きましょう」
セカイがそういうと景色が変わった。
そして、目の前にバカみたいに大きな門が現れた。
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