あ、そういえば私····神になる方法しらないや byベル
さてと、とりあえず2人にお茶でも用意しようかな?
気術の鍛練のために念能力で物を操っていく。
『エンリちゃんとアルルちゃんは今日は何の用事で来たの?』
「姉さん、忘れたとは言わせない。
言語の塔」
『あ·······』
気が動揺したことにより一瞬念能力が揺らいでしまった。
ッスー……
そうだよねぇ。許されるわけないよね~。
一昨日帰ってきたときに何も言われなかったから気にしてないのかと思ってたけど。
駄目だったか~。
ここは1つ、元日本人としての伝家の宝刀を出そうではないか。
『大変申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!』
私はそういうと土下座を繰り出した。
そう、土下座! これをしたら相手は相当後ろめたい気分になり、私自身は無防備な姿勢のため許すしかなくなるというもの!
ハッハッハ!!
さぁ! 許すんだエンリちゃん!!
「姉さんふざけてるの? 伏せされただけで許すと思ってる?」
oh……シット! 伝わらなかった!!
ただ伏せをしただけって思われてる! そうだよね、確かに人の姿じゃないと土下座は意味ないよね! でも、私……狼だから無理!
『大変申し訳ございません! どうすれば私は許されるのでしょうか!!!』
「いや、もう謝ってもらったし良いよ。それにもうすでに塔自体は直ったんだし。」
『じゃ、じゃあ! 「ただし! バラバラになった言語を集め直すの手伝ってね?」あ、はい。……わかりました』
それから私たちは、村の人数がどうだの最近の村の調子は何だの他愛のない話をした。
それにしてもエンリちゃんの髪真っ青になったなぁ……毛先にいくにつれて明るくなっていくようなグラデーションがかかってる。
これはこれでアリ!
『はい、エンリちゃんとアルルちゃんのお茶』
「あ、ありがとう」
「姉さんありがとな!」
『まぁ、お茶と言ってもそこら辺にある栄養がある葉っぱを煎じただけなんだけどね。そういえば私気になってることあるんだけど』
「うぇ……苦ぁ。気になってること?」
「なんだなんだ?」
『2人って神として生まれ変わったわけでしょ?』
「「うん」」
『どうやって神になったの?』
「え、今さら?」
「ベル姉さんもおっちょこちょいだなぁ」
「おっちょこちょいは違うんじゃない?」
「そうか?」
『ちなみに神になった瞬間は覚えてるの?』
「そうだね、しっかりと覚えてるよ」
『どんな感じだった?』
「えっとね……───────」
エンリちゃんが話したことをまとめると。
エンリちゃんは死んだあと魂だけの状態になった。
そこで天界に行く前に入り口でアルルちゃんをずっと待っていたらしい。
そしてアルルちゃんの魂と合流したあと2人は一緒に天界へ向かった。
天界というのは死んだあと魂が休息に訪れる場所とネロから聞いている。
2人は天界に向かう途中、自然と自身が····魂の階位が上がると感じたそうだ。
そして、気づいたら体が変わっていくような感覚がして、頭の中に声が祝福されるような声が聞こえてきたらしい。
ちなみに聞こえてきた声の内容は
「ようこそこちら側へ」
といった内容だったらしいよ。
後にその声の主が世界そのものっていうのがわかったんだって。
世界というのは1つの生き物だ。
比喩表現無しに、マジで。
世界は主に10個の次元で構成されている。
というか10個の次元を生み出している。
1つの次元は表世界と裏世界で構成されていて、もちろんこの宇宙にも裏世界があるよ。
私も行こうと思えば行けるけど、別に行くメリットがないから行かない。
そんな世界だけど神と並ぶほどの上位存在だ。
なんで私がそんなことを知ってるかって?
スキルで調べたからね。
"森羅万象"実に便利だ。
神と同列の存在が世界……しかも世界から神が生まれたりすることもあるから、一定の神達の母であるとも言える。
ちなみに神が世界のようになることもある。
そしてエンリちゃん達はそんな上位存在、ようするにこの世界から祝福されたことになる。
エンリちゃんが今も魔法を使えるのもこれが理由だ。
魔法を使うための魔力の元は魔素、さらにその魔素は世界の欠片。
世界が拒絶すれば魔法は使えなくなってしまう。
エンリちゃんは世界に祝福されたわけだから魔力もまだ使えてるみたい。
私?私が生み出してる魔素はそもそも私なんだよね。
意味がわからないって?
私もわからない。
いや最初は世界から渡された魔素を私が間接的に放出してるのかな~って思ってたんだけど、なんか私から魔素出てるぽいね。
うん、なんで?
まぁ、私の体から出た時点で世界の魔素になっちゃうみたいだけど。
やろうと思えば主導権奪えちゃう。
でも、やっぱりそう考えると私が神になってない理由良くわかんないんだよね。
多分レベルを100にしたら、なんかあるんだろうけど。
そんなことを考えるとエンリちゃんが衝撃的なことを言った。
「あ、姉さん私達しばらく学校に通うことになるから。だから、しばらくこっちに来れなくなるよ」
学校……?
学校ってあのたくさんの子供達が一緒に学んで遊んで青春を謳歌するって言うのが表向きで。実際はカーストワースト決まって、さらに陰キャ陽キャで別れて陽キャがほとんどクラスカーストになるあの?
女子はイケメンの元に集まりバレンタインなんかはほとんどイケメンがチョコを独占するあの?
陰キャに学校で騒ぐことは許されず教室のすみっこや図書室で大半の時間を過ごすあの?
学校……!?
『あの、とてもおぞましく。社会の縮図とも言える恐ろしき学校……!?』
「姉さんの中で学校が、どんなイメージなのかは知らないけど。その学校だよ」
「おう! 世界から私達は神についてもっと知った方が良いって言われたからな!」
『その学校はどこにあるの?』
「世界さんから自分が案内するって言われてたんだけど……直接迎えに来るらしいよ」
「ええ、そうですよ。なので迎えに来ました」
『ふーん、そうなんだ』
……?????????
!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?
誰この人!?
いつの間にか一緒に座ってるんだけど!
『えっと……あなたは?』
「どうも、あなた達が世界と呼ぶものです」
『え、あどうも私はベルです』
「えぇ知ってますよ。……知ってますとも」
「あ! 世界さんこんにちは! 私達を迎えに来たのか?」
「ええ、あなた達2人を学園に連れていくために来ましたよ」
「世界さん、いつの間に……気づかなかった」
どうやらこの人は世界らしい。それにしても世界さんって言いにくいなぁ。
『あの、世界さんって名前はないんですか?』
「え? あぁ……私には名前と言われるものはありませんよ。ただの世界です。それに普段通り喋ってもらってかまいませんよ」
『あ、そう。じゃあお言葉に甘えて普通に喋るね。それにしても名前無いのかぁ。じゃあセカイとかは?』
「はい?」
『いや、だから仮の名前。世界ってなんか呼びづらいし·····なら同音でセカイって·······』
「せかい·······セカイ、セカイですか。良いですね。じゃあ私のことはセカイとお呼びください」
「なぁなぁエンリ、世界ってすごい人なんじゃないのか?」
「いや、本来だったら上位存在のはずなんだけど……なんで姉さんは普通に喋ってるんだろ」
2人がコソコソ喋ってるけど、対話ができるんだったら別に怖い存在でもないでしょ。
「では、2人とも行きましょうか」
『じゃあねエンリちゃん、アルルちゃん!』
「あ、うん。またしばらく会えないけど……頑張っていろんなこと学んでくるね!」
「ベル姉さんまたな! がっこう? って所に強いやついるかなあ?」
『アルルちゃん、問題起こさないようにね』
「では、ベルさん突然お邪魔して申し訳ありませんでした。それと、神界と現世では時間の流れが違うので神界で言う1年は現世の100年と思いください。それでは」
セカイがそう言うと指を鳴らした。すると3人の床が光始めた。
ん? ちょっと待てよ? つまりそれって最低でも100年はエンリちゃんと会えないってこと!?
『うわーん! エンリちゃんと離れたくな~い!!』
「姉さんのいつものが始まった……」
『やだやだ! 私もエンリちゃんと行くんだぁ!』
「姉さん……何言ってるの。恥ずかしいから止めて!」
「それでは、またいつか」
セカイがそう言うとより一層強くなった光が部屋を包んだ。
目を開けると3人はいなくなっていた。
『行っちゃったぁぁ……』
エンリちゃん……
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