あの国の偵察へLet's Go

あの日から数日たった。エンリちゃんには、あれから魔術について色々と研究して貰ってる。もちろん、アルルちゃんとも勝負を続けてる。

今のところ、978勝488敗で8回引き分けらしい·······らしいというのは私がいない時とかも戦ってたからね。

アルルちゃんは村の人たちに色々と稽古をつけてる。

そして、私はというと·······


例の国の偵察をしてる。

復讐するにしても、まずは相手の情報を知ることは大切だよね。

今回、私は直接行かずに神狼眼で偵察しようと思う。もちろん、あの遠くの音が聞こえる魔法、【風の密偵ハイドイヤー】も一緒に使う。

とりあえず国の人の会話を盗み聞きしようか。

あの広場で良いや。


オリジナル合成魔法:風の密偵ハイドイヤー


「ねぇ、最近変なことばっかり起こってない?」


「あら?貴女もそう思います?」


「えぇ、育ててた作物はいつもより育たなかったし····怪我する人も増えたし·······」


「そうよねぇ、それに···最近、雨もなかなか降らないわ」




「なぁなぁ知ってるか?」


「ん?何がだ?」


「なんか占い師やってあそこの姉ちゃん、捕まったんだってさ」


「は?なんで?」


「何でも魔女だったらしいぜ」


「え!?本当か!?まぁ、でも確かにあそこの姉ちゃん、髪が炭みたいな色してたしなぁ」


「それにしても、魔女か·······昔も魔女がいたよな」


「あぁ、あの·······」




「ねぇねぇ、魔女とか魔法使いって本当にいるのかしら?」


「はぁ?そんなのいるわけねぇじゃん!大人達が俺たち子供を怖がらせるために作った作り話だろ!」


「えぇ、でも僕この前お母さん達が、こそこそ魔女が捕まったって噂してたの聞いてたよ?」


「私はいると思うわ!今度私達3人で親を問い詰めましょ!」


「おお、楽しそうだな!」


「えぇ····止めときなよ」




ふむ、魔法の存在を知ってるみたいだね。本当に魔法があるって信じてるかは置いといて。

それにしても、気になる会話があったなぁ。

新しく捕まった魔女ねぇ·······それっぽいところ探していこうかな。


あれから国を見て回って、それっぽい所を数ヶ所発見した。


候補①南にある教会らしき建物。そこで神様に拝んでるみたいだから、礼拝所とかそういう意味合いの場所だと思う。


候補②北にある教会らしき建物。こっちはお墓みたいなのが、たくさんあるね。


候補③この国の王がいる所。ちょっとした丘の上に家が建ててあり、他の家よりも広く少し豪華になっている。


この3つが一番怪しかった。理由としてはその3ヶ所だけ魔素が濃かったのだ。こちとら魔素のプロぞ?魔素に触れて何年経ってると思ってるんだ。見た瞬間にわかったね。

とりあえず、1番魔素が濃い王が住んでるところは最後にしよっと。

どちらにせよ、どうして魔素が濃いのか調べる必要があるからね。

じゃあ最初は南の教会らしき所!

外見は他の家と差ほど変わらない。だけど、入り口が他の家より明らかに大きいね。天井は木を何本か並べて、その上に泥と草を混ぜたものをのせてるのかぁ。人間の知恵はすごいなぁ。まぁ、数日後には全て無に還るけど。

中を早速覗いてみよう。

ん?なんだあれ。

部屋の丁度中心の位置に骨のようなものがあり、その骨のような物から魔素が漏れでてるらしい。

う~~ん?あ、もしかして?

私はその骨のような物の正体を考えていると、1つの可能性に気がついた。

もしかして、魔獣か魔物倒したんじゃね?と。

おそらく、魔物は強すぎるし自然で発生することは極々稀だから魔獣の骨かな?

私がさっきから、「骨のような物」と言ってるのは明らかに骨とは思えないような光沢があったからだ。でも、このような光沢がある骨を私は知ってる。そう、私が結構前に動物実験した時だ。あの時、魔素と馴染んだ生き物は骨も少し変化していたのを思い出した。

だから、恐らくだが何らかの魔獣化した生き物を狩って、それを置いてるんじゃないだろうか。

南の教会らしき所の魔素が濃い理由がわかったね。次!


次は北の教会。こっちはお墓がみたいなのが多いから納骨堂みたいな感じなのかな?

今回はすぐに魔素の原因が見つかった。南の教会にあった骨の持ち主·······恐らくこれは虎とかピューマみたいな猫科の動物だね。どの猫科の動物かは正確にはわからないけど。

その猫科の魔獣の頭蓋骨が飾られていた。

2連続で骨かぁ。まぁ、これで魔女って言われてる人は王の家ってことは確定かな?


じゃあ早速見てみよう!

ほほう、なんかすごく彫刻が掘られてるね。まぁ王が住むところだから、そりゃ豪華にするよね。ここは寝室?かな·····で、ここは多分調理部屋。色々と見て回った結果1ヶ所だけ違和感を感じた場所があった。

魔素がさらに濃く、そして·······草で隠されるようにして作ってある通路。ビンゴかな?

正直、この私の視線から逃れられる場所はこの世界のどこにもない。隠し通路なんて意味ないよ!

早速、奥の方を覗いてみる。これは、半地下ってやつかな?さすがにこの時代にはまだ地下を掘って崩落を防ぐ術は見つけれてないのかな?多分、隠蔽しつつ安全面を確保した結果半地下になったんだろうね。上には物を被せれば良いんだし。

そして、そんなことを考えながら、だんだんと奥の方に視点を移動していくと、行き止まりに着いた。いや、正確に言えば檻と言った方が正しいかな?檻の中には、広場の人が噂していたと思わしき女性がいた。あの人たちは「炭のような髪」と言っていたが、どちらかと言うと黒に近い深い紫色だった。

そして、髪から魔力が漏れでて空中で魔素に戻ってる姿も確認できた。

これは·······闇属性、さらにその派生属性の精神系統の魔法に適性があるらしい。

おそらく精神系統の魔法を使って占い師として活動してたんだろうな。

女性は衰弱してるように見える。

う~ん、これは········先に救出しようかな?

とりあえず保留、まず女性が弱らないように胃の中に直接果物とかすりつぶした物を送り込んだ。魔力が扱える時点で、体が少し頑丈になるから別に流動食とかにしなくても良いんだけど、一応ね?

とにかく今回で色々と収穫を得た。また次も見て色々と情報を集めていこう。



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あれから数日たった。あの日から色々と見続けて情報を集めた結果、あれからさらに色々とわかった。

まずあの例の骨なんだけど、あれはエンリちゃんが私のところに来て、しばらく経ってあの骨の持ち主の魔獣が現れたらしい。

あの国の人々は魔獣を協力して倒したらしく、最後の止めを指したのが今の王なんだって。

そして、その魔獣を倒した英雄の証拠としてあの骨を飾ってるんだとか。

私自身、色々とあの国にちょっかい出してたけど魔獣が来てたなんて知らなかったなぁ。

まぁ、ちょっかい出してたの1年に2、3回だったし。

そのちょっかい出してる間に来てたんでしょ。


そして、1番の問題·······あの女性だけど。あの女性が捕まってたのは、王が自身の未来を占えと言ってきて、それを女性が断ったからだと。

それに怒った王が自分を占うように閉じ込めたらしい。さらに、あの女の占いは魔法であの女は魔女だ!と噂を流した。王としては元の生活に戻れないように嘘を流したんだけど。

それがたまたま当たってたんだよねぇ。

闇属性はあまり変化がわからないから魔法として判断されなかったっぽい。

それにしても、未来を占えって·······あの女性の占いの評判を聞く限り「この先どんな行動をすれば幸せになれるか」といった内容の占いをしていたようで、それに従ったら本当に幸せになったらしい。う~ん···多分、その人の心の中を詠んでその人の行動を把握して、確実にその人が幸せだと感じることを教えてあげてたっぽいなぁ。

だから絶対に未来を占うなんてできないのに·······そもそも未来は常に変化してるから未来を詠むのはなかなか至難の技だよ。

私が未来を詠んだとしても1分先までしかわからないしね。しかもその1分先の未来が結構な数に分岐してるんだよ?正直ヤバイよ。

とにかく、王が女性が魔法を使えると知ってようが知ってまいが、あの女性を助けることに変わり無い。女性が捕まったのは私が原因でもあると言えるからね。

とりあえず、これからエンリちゃんと計画を練ろう。


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働かない頭で書いたので誤字や、おかしな文章のところがあるかもしれません。誤字脱字ミスがあれば教えてください。

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