やはり暴力!!暴力は全てを解決するぅ!!
エンリちゃんとあの子が対決することになって大体1時間が経過した。
ルールを決めたり場所を用意したりしてたからね。ルールは私が決めさせてもらった。
ルールは簡単、たったの2つ。
1つ、戦うときは本気で戦うこと。
2つ、相手が死にそうな攻撃や、致命傷になりそうな攻撃は私が強制的にガードしてそこで対決は終了。
2人に確認したらこのルールで問題なかった。
そんなこんなで村からちょっと離れた開けた場所に来たわけだけど········
もう、エンリちゃんとあの子との間の火花がすごいね。バッチバチだよ。
あ、2人とも位置に着いたみたいだね。
そんなことを考えているとあの子が喋り始めた。
「私はアルル!私はこの村の子供で1番強い!
「じゃあ私も·······私はエンリ!私はお姉ちゃんの家族だから貴女に納得してもらうために絶対倒す!!」
『2人とも、準備は良い?』
「はい!いつでも大丈夫です!」
「うん!」
2人から元気な返事が返ってきた。
いやまぁ、元気というか相手を倒すって感情で気分が高揚してるからだろうけどさ。
まぁとりあえず、ここからは私も集中しないとな。いつでも2人の動きを止めれるようにしとかないと、万が一のことがあれば大怪我するかもしれないしね。
『2人とも!いくよ!始め!!』
私がそう言うと2人は同時に動き始めた。
あの子改めアルルちゃんがエンリちゃんに向かって走り出した。
それと同時にエンリちゃんも魔法を発動して周りに水を浮かび上がらせた。
アルルちゃんはほんの一瞬だけ怯んだようだけど、またすぐに真っ直ぐとエンリちゃんに向かって走り始めた。
てか、速っ!アルルちゃん速っ!
1秒もしないうちに10mぐらいの距離縮めてるんだけど!
エンリちゃんはこれに、どう対応するのかな?
アルルちゃんがエンリちゃんとの距離8mくらいの場所で急に右に跳んだ。
ここで普通の人が見てたら、アルルちゃんがなんで右に跳んだのかわからなかっただろうね。
でも、ここにいるのは素手で熊を捻り殺すような人達と人間やめてる私······あの瞬間何が起こったのかはよーく見えていた。
エンリちゃんが周りに浮かべていた水球の1つが凄まじい早さで分裂して、その分裂した水滴の1つがこれまた凄まじい速さでアルルちゃんに向けて発射されたのだ。
たかが水滴で···と思うかも知れないけど舐めたらいけない。ウォータージェットというのをご存じだろうか。水にもの凄く高い圧力をかけて一点から発射すると鉄すらも軽く切れちゃうんだよね。私はエンリちゃんの魔法適性が水と知って、魔力制御が十分だと感じたときにその存在を教えてあげたんだよ。
そして、教えた結果·······3日で完成させた。
やばくない?もう怖いよエンリちゃん。
それからエンリちゃんは独自に改良していって、今では水滴1つで凄まじい貫通力を誇る攻撃手段を得たわけよ。
まぁそれを撃つ相手が普通の人だったら当たってただろうね。
でもアルルちゃんはしっかりと余裕を持って目で水滴を追ってた避けてたよ。二人とも本当に10歳ぐらいなのかな???
この間ほぼほぼ外界での時間変化なし!ドヤァ!
···ふざけてないでちゃんと二人の戦いを見よ。
エンリちゃんの攻撃を避けたアルルちゃんは、またすぐにエンリちゃんに向かって駆け出した。
そして一瞬にも見える速さでエンリちゃんの前まで来たかと思うとパンチを繰り出した。
そのパンチに対してエンリちゃんは·······真っ正面から突っ込んだ。
エンリちゃんの体を見てみると魔力で強化してることがわかる。
これは私が教えた技術で身体強化(仮)というものだ。
なぜ(仮)なのかというと、まだまだ改良の余地があるからね。もっと上手いことやれば今より効率も強化率も高くなると思う。
エンリちゃんはそんな身体強化(仮)を使って、アルルちゃんのパンチを上手く躱して懐に潜り込んだ。
そして腕に力を込めてエンリちゃんも負けじと拳を繰り出した。
あ、アルルちゃんが後退してギリギリで避けたね。
エンリちゃんは基本的に魔法の方が得意だけど近距離でも戦えるように私が鍛えたからね!
そんじょそこらの遠距離から攻撃する魔法使いと比べてもらったら困るよ!魔法使い、エンリちゃんしかいないけどね(私を除く)!!
それから、何度も接近しては後退をするというのを繰り返していたときにアルルちゃんがこれまでとは違う行動をした。
エンリちゃんに近づくところまでは一緒だった。
が、いきなり空中に跳び上がったのだ。しかも4mぐらいの高さまで。
普通であれば逃げ場の無い空中に跳び上がるという行動はナンセンスだ·······そう、普通なら。
エンリちゃんは相手が空中に跳び上がったのを隙と捉えて攻撃を仕掛けた。
本来なら、ここで攻撃が当たって勝負アリだっただろうね。
だけどアルルちゃんにその攻撃は当たらなかった。なぜなら·······
避けたから。
何にもない空中で攻撃されたらどうすれば良いか·······それは簡単、何もないなら作れば良い。
それを実現するかのようにアルルちゃんは足元にあのオーラらしき物で足場を作り出し、それを使ってエンリちゃんの背後に跳んだ。
エンリちゃんからしたらいきなり目の前にいたアルルちゃんが消えたように見えただろうね。
そしてアルルちゃんがエンリちゃんの頭に向けて蹴りを放った!!ここで決着が着くか!!
アルルちゃんの足がエンリちゃんの頭に残り数cmとなったところでその足が止まった。
アルルちゃんの体に水が巻き付いている。
なぜ気づいてなかったのにエンリちゃんがアルルちゃんを止めることができたのか。
フッフッフッ·······うちのエンリちゃんを舐めてもらっちゃあ困るなぁ。もちろんトラップを仕掛けていたからね!!
私はエンリちゃんに、背後からの奇襲には気を付けろって何度も言ってきたし!!
しっかりと背後からの奇襲に対応できるよう新しく魔法を作ってたよ!
最初新しく魔法作ったって言われたときは驚いたけどね。
エンリちゃんが開発した魔法は至って簡単。
エンリちゃんの背後に常によーく目を凝らさないとわからないぐらい細い水の糸を張り巡らせているんだよ。その糸に変化があれば背後からの奇襲がわかるってこと。
いや、簡単って言ったけどやってることは変態的なことだけどね?
常に背後に見えないほどの水の糸を張り巡らせとく?やばいでしょ。そりゃ私はできるけど、普通の人だったら頭パンクするよ?
まあ、それは置いといて。
アルルちゃん、すごくもがいてるけど水でできてるからなかなか抜け出せてないね。
あ、なんか暴れるのが激しくなってきた。
アルルちゃんはまた足元に足場を作って無理やり抜け出した。そして最初と同じような位置に戻った。なんか喋り始めたね。
「ふぅふぅ、お前!なかなかやるな!」
「いや、さっき負けそうだったじゃないですか」
「うるさい!抜け出せたんだから良いだろ!」
「まぁ······」
「次で決着を着けてやる!私が今できる最強のの攻撃を使ってやる!!」
「最強って·······まぁ、じゃあ私も今の私ができる最大の攻撃をしてあげる」
おぉ、なんか二人とも次で決着を着けるみたいだね。
アルルちゃんがなんか姿勢を滅茶苦茶低くしてるね。ほぼほぼ四足歩行じゃん。
エンリちゃんはエンリちゃんで新しく水を出して周りに浮かべ始めてるし、あれをするのかな?
あ、アルルちゃんからめっちゃ謎オーラ出てる。
2人とも準備ができてるみたいだね。
まあ、動き始めたのは予想どうりアルルちゃんからだ。
今回は小細工無しの正面突破するつもりかな?そのまま今までの日になら無いくらい加速していってる。
そして、エンリちゃんとの距離残り1メートルといったところでエンリちゃんも動いた。
エンリちゃんは目の前に巨大な水の盾を作り出した。それは水でありながらも硬質な盾。普通の盾よりも衝撃を吸収する能力が高い盾だ。
そこに真っ正面からアルルちゃんが突っ込んできた。今回は勢いをのせたパンチをしてきたみたいだ。そのパンチによってエンリちゃんが作り出した水の盾に
そして、水の盾が完全に砕け散った。
アルルちゃんのパンチの勢いは盾によって落ちたが、それでも十分な勢いだった。
今度の今度こそ決着が着くかと思われた。
私を除いて。
丁度アルルちゃんが盾があった場所とエンリちゃんの間に来た瞬間。
砕け散った盾の水滴がアルルちゃんに巻き付き始め、そして完全に勢いを止める。
そのままアルルちゃんを巨大な水球に包み込んだ。そしてこれでもかとその水球の周りに水でできた剣が大量に出てきた。
勝負アリだね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます