魔法陣とかってなんであんなにカッコいいんだろうか

やーーーっと決着が着いたね。エンリちゃんの友達を作るために来たはずなのに·······なんでこんなことになったんだろうか。

気にしないでおこう。


エンリちゃんが最後に出した技は私とエンリちゃんとの共同開発?した魔法だ。

あの魔法はいろいろと条件が揃わないとなかなか当てるのが難しいんだよね。

今回は綺麗に全部の条件が揃ってたから簡単に当てれたんだよ。

あ、アルルちゃんが起きたみたいだね。


「がはっゲホゲホ····ふぅふぅ··············おい!エンリ!!あの最後のやつなんだ!!あのよくわかんないやつ、ぶっ壊したのにまた絡み付いて来たんだけど!!」


「起きたばっかりなんだから、もっと落ち着きなよ」


「私のことは良いんだよ!!早くあの最後のやつがなんなのか教えろ!!」


なんかアルルちゃんの目がスッゴいキラキラしてる気がするんだけど気のせい?


「はぁ·······まぁ、良いよ。あの技はお姉ちゃんと一緒に作った完全カウンター型魔法【水球牢獄】ともう1つはお姉ちゃんに教えてもらった【純水の剣ウォーターカッター】っていう魔法」


あ、エンリちゃんが敬語使ってない。アルルちゃんのことを少し認めたってことかな?

まぁ、それは良いとして。

エンリちゃんが最後に追い討ちとして出したあの大量の水の剣、そう!あれは私が最初の頃に作った魔法なのさ!形が全然違うのは、エンリちゃんにこの魔法を教えた時「なんで本に出てきた剣っていうものと形が違うの?」と聞かれて急遽作り直したからだね。

まぁ私が純水の剣とか名付けたのに、形は三日月形ってそりゃ疑問を持つよね。


「貴女を捕まえた魔法は水球牢獄って言って先に攻撃されないと発動できない。あの魔法を発動するには条件が3つあって。

1つ目、相手が真っ直ぐに真っ正面から突っ込んでくること。

2つ目、相手があの盾を破壊できる力を持ってること。

最後、相手が盾を壊してすぐに自分に向かってくること。

この3つが揃わないと使えない。

今回は貴女が真っ直ぐ向かってくるってわかってたし、あの盾を破壊できるだけの力を持ってることもわかってた。それにわざわざ盾を破壊したあとに罠を警戒するような性格じゃないのも戦ってるときにわかったし」


うん、エンリちゃん·······それ遠回しに脳筋のバカって言ってるよね。

アルルちゃんもそんなこと言われたら怒るに決まって·······いや、前世の全てを知った猫、宇宙猫みたいな顔になってる。

うん、あながち脳筋っていうのは間違ってないのかもしれない。


「よくわかんないけど、つまりエンリは強いんだな!私が負けたのはこれが始めてだ!エンリ!お前強いな!」


「えっと····うん、とりあえず私が勝ったし身内として認めるってことで良いんだよね?」


「うん!良いぞ!お前は強いからな!」


「ありがとう···?」


なんか周りの人の反応を見てみると、本当にアルルちゃんはこの村の子供の中で一番強かったみたいだね。女の子の中でとかじゃなくて男子も含めて。それを倒したエンリちゃんは実質この村の子供には負けない?のかな。


「おいエンリ!また今度勝負しろ!今度こそ私が勝ってやる!!」


「え、嫌だけど。なんでまた戦わなくちゃいけないの。それになんでお姉ちゃんには敬語使えるのに私には使わないの?」


「私が戦いたいからだ!さっきも言っただろ。私はこの村の子供の中で、一番強いって!私よりも強いのは大人しかいないんだよ!だから自分と同じ年で、私と同じくらい戦えるやつがいるってわかったら戦いたくなるだろ!あと敬語?は別に同じ年のやつに使わなくて良いだろ!自分より年上のやつに使うだろあれは!」


「はぁ、まぁ·······じゃあまた戦っても良いよ。敬語も私も普通に喋っちゃってるから別に良いし」


「本当か!?やったぁぁ!!!」


アルルちゃんは尻尾が着いてたら、ちぎれるほどブンブン振ってるだろうね。あ、そういえばついでに服を貰いに来たんだった。丁度すぐ近くに村長さんいるし聞こおっと。


『村長さん、エンリちゃん用に服くれない?』


「服?ですか。全然良いですよ!むしろ神狼フェンリル様の身内の方に私たちの村の服を着て貰えるなんて光栄ですね!」


エンリちゃんの服もなんとかなりそうだし、友達···ライバル?もできたし良かった良かった!

良かったのかな?たぶん良かった!うん。

これからも先もこの村にはお世話になりそうだなぁ。


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で、今に至るって訳。4年前にあの対決があってからずっとこの村に来るたびに、エンリちゃんとアルルちゃんは毎回のように対決してるんだよ。

対決するたびに二人とも強くなって、さらに2人で相手の改善点とか教えあってさらに強くなる。エンリちゃんはアルルちゃんのオーラの使い方を一緒に考えて、アルルちゃんはエンリちゃんに近接戦闘を教えて·······幸せのスパイラルだぁ( ᐛ)パァ。


いや、本当にとうとう最近じゃこの村の大人とも一人ずつで互角に戦えるようになってるし。

もちろん、私も体の動かし方とか見て改善した方が良いところがあったら教えてるよ?

さらにさらに!エンリちゃんはあれから魔力を貯めとける量が増えてもっと大規模な魔法を早く発動できるようになった。

別に魔力量が低くても、魔法を作りながら魔力を作れば魔法は発動できるけどね?

でも、多分だけど普通の人がそれをしようとしたら2日ぐらいかかるんじゃないかな?

魔法を発動しながら魔素を魔力に変換するのって、バカみたいに難易度高いからね。

まぁ、エンリちゃんはそれをできるんだけど···


あ、そうそう他に変わったことはエンリちゃんの服がこの村の現代に近しい服になったね。シャツとローブみたいなやつと、あと半ズボン。

基本的にアルルちゃんとエンリちゃんはこの服装で過ごしてるね。理由を聞いたら戦いやすいかららしい。

もっとおしゃれしても良いんだよ?


おっと忘れてた、そういえばエンリちゃんの髪の色が少し変化してきた。毛先からだんだんと青色になってきたんだよね。今のところ別に人体にこれと言った悪い影響は無いみたい。どちらかと言うと前より魔力が扱いやすくなったらしい。

実に喜ばしいね!

だけど、今私はとても悲しい!

なんと、悲しいことに私に対して前のように軽々しくに話してくれなくなったぁぁぁ!!

これが思春期かっ·······!

いや、だけど姉さん呼びだから嫌われてはないはず···!!

くそぅ!アルルちゃんにはタメ口なのにぃ!!

これは本格的に思春期か!思春期のせいなのか!!おのれ思春期めっ!!!

そんな風に私がひとりで思春期を恨んでいるとエンリちゃんが近づいてきた。


「姉さん、例の術試したいんだけどいつでも消せるように見ててくれない?」


『うん、良いよ!いつでも良いよ!今すぐ良いよ!さぁ、やろう!すぐやろう!今すぐやろう!』


「わかった、アルルに相手して貰うね」


私が相手でも良いのに·······おのれ思しゅn(ry

とりあえず、いつでもカバーできるように周りに結界張っとこ。


「アルル、いくよ!」


「いつでもかかってこい!」


エンリちゃんは目を閉じて集中し始めた。

すると、エンリちゃんの目の前に青白い環状の光が現れた。さらにそこから直線や星形、円がどんどんと形を作っていく。前世のアニメや漫画を見ていたらこの時点で大多数の人は気づくだろう。

そう、魔法陣だ。

この図形で魔法と同じよなことをする術、一番最初に気づいたのはなんと、エンリちゃんだ。

エンリちゃんによると、魔力を輪っかにしたり一本線にしたりして遊んでいたときに、魔法が発動するような感覚になったそうだ。そこからいろいろと確かめた結果、円は規模、線は威力、そして魔力の属性を変えることで発動する魔法が変わることがわかったらしい。

すごいねエンリちゃん!私、エンリちゃんが少し怖いよ!ちなみに星形とか四角形とかにすると発動する魔法の内容が変わる。これはエンリちゃんに教えてもらって、私がさらに見つけた法則だ。

私はこれを魔術と名付けた。

いや、まぁ転生する時のあの部屋で"魔術の知識"って言う"魔法の才能"の下位互換みたいなのがあったからなのと、森羅万象でこの現象のことを調べたから元々魔術って名称は確定なんだけどさ。


そして今、エンリちゃんが魔方陣を完成させた。その数10個、丁度アルルちゃんを真ん中にして囲むように発動してある。


「アルル、いくよ!」


エンリちゃんはそういうと一気に魔術を発動した。

魔術を発動すると、即座に水の槍ウォータースピアがその場にできてアルルちゃんに向けて射出された。

アルルちゃんはそれを避けるつもりはなくオーラを昔よりも滑らかに、さらに満遍なく大量に全身に纏った。

そして全ての水の槍ウォータースピアがアルルちゃんに命中した。

少しして砂ぼこりが消えると無傷のアルルちゃんが出てきた。そして·····


「うーん、やっぱエンリのいつもの攻撃の方が強いな!」


そう言い放った。

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