ボーイミーツガール的なあれ。なおボーイじゃなくてガールの模様、そして険悪だぁ
さてと、言われた通りに広場に向かおうかな。
「ねぇお姉ちゃん·······集められた子と仲良くしてもらえるかな?さっきの人お姉ちゃんのこと凄く崇めてたから、私も一緒に崇められたりとかしないよね?」
『·······多分、大丈夫はず。多分』
「多分って·······」
そんな風に会話をしながら歩いていると広場についた。すでに何人かの子供が集まっているようだ。耳を澄ませばいろいろと私達のことを言っているのがわかる。残念だったな!この私の耳にかかれば世界の裏側でこそこそ話をしようと聞こえるのだ!
で、なんのことを喋ってるのか聞いてみると、大体が私と一緒にいるエンリちゃんが何者なのか、とかなにをしに来たのかとか話してる。
コラ!そこの男子!エンリちゃんが可愛いのはわかるけど付き合いたいだって?エンリちゃんと付き合うなら私を倒していけ!!!!
そんなことを考えていると、この村にいる全ての10歳くらいの子供が集まったようだ。
全員合わせて20~30人くらいかな?
「
『いや、いいよ私が説明するから』
「わかりました。」
さてと、子供達の意識がちゃんとこっちに向いてるね。
『やぁ、子供達!こんにちは!今回、君たちを集めてもらったのは、私の足元にいるエンリちゃんの為なんだ』
「こ、こんにちは。エンリです·······」
『エンリちゃんと私の関係が気になってる子もいるだろうから、先に言っておくとエンリちゃんは私の身内みたいなものだよ』
私がそう言うと子供達がザワザワとしだした。
うんうんそりゃ驚くよね。自分達が崇めてる神様が身内····つまり家族を連れてきたってことなんだから。私はエンリちゃんにこっそりと喋りかけた。
『エンリちゃんこの人数の前で話せる?』
「う、うん·······ちょっと緊張するけど話せるよ」
『ならエンリちゃんからも自己紹介してくれる?』
「わかった!」
エンリちゃんが私の足元から離れて子供達の目の前に立った。ちなみに翻訳機能はエンリちゃんと私を魔力の導線で繋いでるから、離れても使える。
「どうもこんにちは、私はエンリです。お姉ちゃん·····あなた達の言う
エンリちゃぁぁぁぁん!!????最後になんか喧嘩売るようなこと言ってなぁい!?今ここであまり人と接さなかった弊害がぁ!!???
そして、なんで少し誇らしげなのかなぁ!?
友達欲しいんだよねぇ!??
そんなことを思っていると1人の子供がエンリちゃんに近寄ってきた。
「お前!!エンリって言ったな!私は文句があるぞ!!!」
本当に直接文句を言いに来ちゃったぁぁぁ!!
いや、今のはエンリちゃんも悪かったけどさ!
だとしても、本当に直接言いに来るとは思わなかったよ!
私がひたすらポーカーフェイスを貫いて心の中で七転八倒していると、いつの間にか話が進んでヒートアップしてた。主に相手の方が。
「だとしても私はお前が
「そんなこと言ったとしても、お姉ちゃんは私のことを身内って言ってるんですよ?それを認めないってことは、あなたはお姉ちゃんを···
「いや、ちがっそう言う訳じゃ!!」
「なにが違うんですか?あなたはさっき私をお姉ちゃんの身内として認めないって言ってましたよね?」
「うぐぐ·······」
エンリちゃん·······だんだんとこっちの言語で敬語を表す言葉を、喋ってきてるから圧がすごいよぉ。なんか少しだけ怖いよ!
まぁでも、そろそろ止めないとね。
『はいはい、エンリちゃんストーップ!!』
「お姉ちゃんなんで!この子とまだ話してるよ!」
『エンリちゃん』
「···はい。わかった」
良し、なんとか止めれたぁ。とりあえず防音結界作って一回エンリちゃんとはなそうかな。
『エンリちゃん···今回はエンリちゃんも悪かったよね?あんな風に煽るように、喧嘩を売るようなこと言ったんだから。たしかに、エンリちゃんが私と身内のように···家族のように見られたいってのもわかるよ?でもね、あの子からしたら急に今まで崇めてた人が知らない子供を····それも自分と変わらないくらいの子供を身内だって言ったらあまり良い気持ちはしないんだよ。さらに自分と同じような年の子に煽られるようなことを言われたらなおさらね』
「うん、確かに私が悪かった。でも、ずっとチクチクしてたから思わず言っちゃった」
ん?チクチク?
『チクチクって?』
「えっと、前いた国の人たちの中に私に嫌な言葉を言ってきた人とか暴力を加えてきた人たちからも同じようにチクチクしてたから。多分言葉にするなら····敵意?かな」
oh·······HATUMIMI☆
いや、本当に始めて聞いたんだけど!?
なにそれ!?第六感的な?
まぁ、考えられる可能性としては魔素かなぁ?
今、この世界の空気中にある魔素はものすんっっっごく薄い、海水に醤油1滴落としたぐらいにうっっっっっすい!その弊害か元からなのかは知らないけど魔素が人の感情に反応するようになっちゃった。これに気づいたのは、あの村の人たちに会った時なんだけどね。だからエンリちゃんはその感情に反応した魔素を何らかの方法で感じているんだと思う。
それにしても敵意ねぇ·······ふーむ
『エンリちゃん、ちょっと待っててね』
私はそう言うと結界を解除してもう一人の子に近づいた。
『やぁ、さっきはうちのエンリちゃんが煽るようなことを言ってごめんね?』
「わわわ、ふ
『まぁまぁ、ところで質問なんだけど、なんでエンリちゃんを身内として認めたくないの?』
「うっ····そ、それは·····だか··ら」
『え?なんて?』
「あ、あの子が私より弱そうだから!」
う~ん?思ったより斜め上の答えが返ってきたぞ?もしかして脳筋族の方かな?
いやいや、本当に予想してなかったんだけど?
なんかてっきり子供によくある嫉妬とか羨ましいからとか思ってたんだけど??
『なんで弱かったらダメなの?』
「それは!あなた様が最も強く!最高の神様だからです!!!そんな神様の身内ならば!もちろん強いはず!というか強くないといけない!!もし弱かったら
·······蛙の子は蛙。狂信者の子もまた狂信者ってわけか☆
ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!どうすれば良いんだぁぁぁぁ!!!!!
その時エンリちゃんが近づいてきた。
「お姉ちゃん······簡単に解決できる方法があるよ?」
『え、エンリちゃん!そんな方法があるの?』
「うん、簡単なこと····私とその子が戦えば良いだけの話だよ」
『え?』
ええええええええええ!?エンリちゃんまで!?
エンリちゃんまで脳筋族になっちゃったの!?
いつものエンリちゃんはもっと話し合いで解決してたじゃん!私のことを言いくるめてたじゃん!
「お姉ちゃん、相手は私が弱そうだから認めないって言ってるの。つまり私が強いことを証明すれば良いんだよ」
『え、いやでも「それに!普段はお姉ちゃんとしか戦ったこと無いから、今の自分がどれだけ戦えるのか知りたいの!」あ、はい』
「あなたもそれで良いですよね。」
「ああそれで良いぞ!」
私、エンリちゃんと相手の子の間にバチバチとした何かが走ってる幻覚が見えそうだよ。
まぁ私も今のエンリちゃんが人とどれだけ戦えるのか知りたかったし、今回の決闘?は丁度良いか。
それにしても·····熊を素手で捻り殺すような大人がいる村の子供·······しかも謎のオーラが使える人と戦って自分の力を試すのはなんか意味が無いような気がするんだけど···気のせいかな?
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