知識に貪欲となれ
さて、エンリちゃんに基礎体力がついてきたしこれからは体力だけじゃなく知識もつけていかなくちゃだね。
力があったとしても、毒とか危険なものを知らなくちゃ死ぬときは死んじゃうし。
というわけで今日は勉強の日!授業だ!
とりあえず私は昨日の夜に新しく作った部屋にエンリちゃんを連れてきた。
「···また、知らない間に部屋ができてる······」
『昨日の夜、エンリちゃんが寝てる間に作っておいたんだ!』
「やっぱり神様って凄いんですね·······」
うーん、私は別に神様じゃないんだけどなぁ。まぁ、私が神様って言っちゃったからか。
え?お前は村の守り神じゃないのかって?これが違うんだなぁ、村の守り神というのは称号であって別に神様じゃないんだよ。
強い人がいてその人の呼び名がライオンだとするじゃん?だからと言ってその人が本当のライオンって訳じゃないでしょ?
その人は結局、人間なわけ。それと同じで称号が村の守り神なだけで私は神様じゃないんだよなぁ。
多分これをエンリちゃんに説明しても理解できないと思う。それに今更神様じゃないって言われても混乱するだけだろうしね。
『まぁ、そこは置いといて今日するのは勉強だよ!』
「べん、きょう·······?」
ん?伝わってない?
私はエンリちゃんから話を聞くと、どうやらエンリちゃんは勉強をしたことがなく。
そもそも教えてもらうというより、人がやってることを見て覚えたり、お母さんから自然の知識とかを教えてもらっても、学んでいる、勉強してるという感覚がなかったらしい。
まぁ、まだ教育とかそういうのが発達してないからかな?とりあえず、エンリちゃんに勉強がどんなものか教えて理解してもらった。
「なるほど、つまり生きていくことに必要なんですね!」
·······なんかエンリちゃんに説明するときに全部生きていくために必要って言えば良い気がしてきた。
『まぁ、そういうこと!』
「なるほど!ならもっとやる気が出てきました!」
私はエンリちゃんにこれから学校で習うような算数、数学、理科、物理といった知識。そして私が今まで生きて経験したことを元に危険な植物の見分け方、適切な処理方法、食べれるものの知識といった私が持つ全ての知識を教えようと思う。もちろん魔法の使い方もね。
歴史改変?そんなのいつでも証拠を消すことが可能だから気にしない!
とにかく私はエンリちゃんを強くする!
私は魔素で構築した紙と鉛筆を取り出した。こんな風に物を創るのも大分なれてきたね。創造魔法といっても過言ではないんじゃないだろうか·······いや魔法ではないけどさ。
『エンリちゃんにはこれを使って勉強をしてもらうよ』
「これは?」
『これはね、紙と鉛筆って言って、ここに浮いてる紙にこんな風に鉛筆で書くとそれがずっと残ってるんだよ』
「すごい·······!これも神様としての力なんですか?」
『いやいや、これはエンリちゃんでも作れるようになるものだよ』
「それも勉強すればできることなんですね。」
まぁ普通の一般教養とかの域だったら紙を作るなんてことはしないだろうけど·······私が教えるのは私が知ってる全部の知識だしね。
『じゃあ早速勉強を始めよう!と言いたいところだけど、まずは文字を学ぼうか』
「あ、あの国の人たちが石とかに彫ってたあれのことですか?」
『まぁ文字としては一緒だけど種類が違うよ』
そう、なんとあの国では文字が使われていたんだよ。でも文字と言っても本当にできた頃の物で絵みたいなやつだったけどね。
今からエンリちゃんに学んでもらうのは私が一番馴染み深い日本語だ。日本語ならいろんな種類の言葉も表せるしね。
別に英語とか教えるのが面倒くさいとかじゃない。ないったらない。
いや、まぁね英語は文字数が少ないから覚えるのは楽かもしれないけど、私がそこまで単語を知らないってのもあるからさ。
とりあえず、まずは「ひらがな」「カタカナ」「漢字」を覚えることからだね。
『エンリちゃん!今から学ぶのは大変で辛いかもしれないけど頑張ってね!』
「は、はい!」
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あれから3週間、まぁ約1月の時間が経った。
·······エンリちゃん頭めっちゃ良くね?
いや、記憶力が良いのかな?
あの日から私は日本語を少しずつ教えていったわけなんだけど。
なんとエンリちゃん·····もう漢字を覚え始めてるんだよね。凄くない?
いや漢字と言っても大体小学校1年生で習うような漢字なんだけどさ。だとしても凄くない?
ちなみに、すでに数字のことも教えて割り算までできるようになってる。
·······凄くない?
多分エンリちゃん現代社会に産まれてたら秀才とか言われる部類じゃない?天才かどうかはまだ判断できないけどさ。
エンリちゃん曰く
「勉強って楽しいですね!自分の知らなかったことがこんなにもあって·····それが今からどんどん理解できるのが、とても楽しいです!」
良い子!エンリちゃん凄いよ!勉強が楽しいなんて尊敬の域だよ!私なんて前世の頃勉強嫌いだったもん!
ちなみに最近はエンリちゃんも文字を覚えたし自分の記憶の中にある絵本を作って読み聞かせたり、もっと聞きたいって言われたからたくさん作って図書室的な所を作ったりした。
あとエンリちゃんは運動とか食事以外はずっと図書室で本を読んでるみたいなんだよね。多分それのお陰もあって文字を覚えるのが早かったのかな。あ、ちなみに文字を教える過程で発音も教えたから片言ではあるけど日本語も話せるようになってる。·······やっぱりエンリちゃん努力の天才だよね?
そろそろ理科とか食べれる物、危険な物とかそこら辺も教えてあげようかな?
『エンリちゃんエンリちゃん』
「はい、なんですか?」
『エンリちゃん雨ってあるでしょ?』
「はい、まぁここでは雨が降ってるのは見たことないですけど·······」
エンリちゃんがその言葉を言ったとたん外から雨の降る音がザーザーと聞こえてきた。
「·······」
エンリちゃんがなにか言いたそうにこっちも見てるけど気にしない!
『エンリちゃんは雨がどうやって降ってくるのか知ってる?』
「え、えっと神様が地上が乾かないように水を落としてるんですよね。」
『残念~!不正解!実はね雨はもともと地面にあったんだよ。』
「え?そうなんですか?」
『なんで地面にあった水が上から降ってくるのか知りたい?』
「し、知りたいです!!!」
うぉぉ凄く興味津々みたいだね·······まぁこれでエンリちゃんに理科を教えることができるね。
いや、別に何の前触れもなしに教えても良かったんだろうけど少しでも興味を持ってもらってる状態で教えた方が良いじゃん。
それにしても、エンリちゃんはいろんな知識に飢えてるのかもね、もしかしたら。
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あれからまた1月経った。
どうしよう·······エンリちゃんが天才過ぎてヤバイ!文字は漢字を一般的な会話で支障がない程度に覚えてるし、算数は立方体まで進んだよ!
理科は酸素とかの存在も理解したし植物、生物も結構学んだ!
食べられる物、毒がある物、危険なもの物も教えたらスポンジみたいにどんどん吸収していくし、もう秀才じゃなくて天才で良いよ!!ちなみに体力とか筋力は並より少し低いぐらいだね。
あ、あと図書室も本が増えたよ、本の内容も文学、植物学、科学、物理、数学······etc
エンリちゃんが全部読みきる前にどんどん追加していくからどんどん増えていったよ。
·······そろそろ魔法について教えていっても良いかな?エンリちゃんなら魔法もすぐに覚えていきそうだけど·······
最近エンリちゃんの方が知的になってきてる気がするのは気のせいかな?
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