あれ?崇められてる?マジ?



何でこの男は私にひざまづいてるの?

ってなんか周りの人達も崇めるような体勢とってるし。もしかして集落を襲った鳥を倒したから私、崇められてる?でも、私も3mはあるデカイ狼だよ?なんで······?


そんな怖がらずに崇められるようなことに心あたりは············あるね。


スキル"超美麗"


このスキルによって私は神々しい美しさを持っていて、毛はキューティクルにより艶々になり白銀色に輝き、荘厳な雰囲気を醸し出している。私を端から見たら神の使いが降臨したのかと思うほど美しい姿をしている。あ、実際ネロの眷属だし別に神の使いは合ってるか······


まぁ要するに集落を襲った鳥を倒したのと、さらにその鳥を倒したのが思わず崇めたくなるほど美しい狼だったからこのように集落の人私に跪いてるのだろう。


······とりあえず、なんか面倒くさいことになる前に逃げよう······!


私はすぐに今までOFFにしていた全てのスキルをONにして"手加減"を解除した。


ハッハッハッハーー!貴様らと会うことは二度と無いだろう!ではさらばだ!

逃げるんだよー!


私が駆け出すと周りの景色が一気に後ろに流れ次の瞬間私は神域···洞窟にいた。私を崇めてきた男がなんか話しかけてきてたような気がしたけど······まぁ良いか!とりあえず不安要素の魔臓器持ちはいなくなったわけだし。

後は龍脈を完成させるだけだ!だけど龍脈はそんなすぐに完成しない。今回は世界中の魔素を同時に操作して魔素に馴染んだものを傷つけないように慎重に魔素を分離して龍脈に流さないといけない。それも魔素に馴染んだものに少し魔素を残さないといけないという面倒きわまりない作業をしなければならない。最低でも1~3万年はかかる見込みだよ。


······龍脈作らなくて良いかな?


いやダメだこれも未来の地球のため······快適な世界のため頑張らないと!あ、でも私······狼だから快適な生活送るの無理じゃね?

ま、まあ頑張ろう······考えちゃダメだ······

ついでに私が龍脈作ってる間にあの集落の人達も私のこと忘れてればいいな······さすがに1万年以上経てば忘れるでしょ······


私は龍脈を完成させるために自分が操作できる魔素を世界に広げていった。世界に馴染んだ魔素を回収する方法は自分の魔素を世界に馴染んだ魔素に絡ませて自分のところに持ってくる。そして、持ってきた魔素をゆっくりと龍脈に流していけば龍脈が自然と世界に馴染み魔素が世界を循環し始め地上の魔素がほとんど0になり完成する。

とにかく私の魔素を全世界に広げて魔素を絡めとる作業を完了しないと······。


___________________________________

_________________________

____________

_____


どうも、あれから6万年経ちました。

なんでそんなに時間が経ってるのかって?それは······魔素を剥がすのが思ったよりも時間がかかったからだよ。一度魔素に馴染んだものから魔素を剥がすのがあんなにも大変だったなんて思わなかった······


世界に魔素を満たすのに約1万年、魔素を回収するのに3万年、龍脈に魔素を流すのに1万年

経過観察に1万年、計6万年になります。レジ袋はご利用されますか?なんてね。

1~3万年くらいで終わると思ってたのにその2倍もかかっちゃった。

はぁ······だけどそれだけ頑張った結果とうとう龍脈は完成した。龍脈は全ての大陸を太い龍脈で繋げていてそこから細く枝分かれしていき世界全体を覆うようになっている。

中心部はもちろんだ。そう、なのだ。私が世界のどこにいても近くの龍脈と細い線で繋がるようになっていて、いつでも龍脈の整備や制御が可能なのだ!


最初私は中心部は自分の洞窟にしようと思ってた。しかしそれでは私がどこかに行った時に龍脈を整備することはできない。別にすぐに洞窟に戻ることはできる。だけどわざわざ毎回龍脈に何かあったときに整備をするため洞窟に戻るのは正直言って無駄な行為だ。そこで私は考えた······わざわざ戻らずに整備をしたり制御したりするにはどうすれば良いか······その時!私の超ウルトラスーパー高性能でデラックスな頭脳に稲妻が走った!実際に周りに放電してしまうほどの素晴らしい閃きだったね。毛が爆発したみたいになったけど······

いちいち毎回戻って整備するのが面倒ks···無駄なことなら常にその場で整備できるようにすれば良い!つまり私を龍脈の中心部にすれば良い!と、そういうわけでいつでもどこでも整備できるように龍脈と私を繋げているのさ!

私って頭いい!



あ、そういえばあの集落はどうなったんだろ···ちょっと覗いてみよう。


さてと、ここら辺だったよね。あの集落があったの。もう滅んじゃったのかな?しばらく草原を神狼眼で眺めていると草原の奥の方に木でできた塀のようなものが見えてきた、多分あれかな?集落の位置も変わってないみたいだし。その集落を上から覗いてみると6万年前よりも少し丈夫そうになった家がたくさん見えた。だけど人は見当たらない。どこだろ?私は村の奥の方をさらに覗いてみた······すると人が何かに集まって祈っているような様子が見えた。


なんだろ?もっと近くで見てみよ!私はさらに村の奥をズームした。人が集まって祈っている先を見てみると、そこには············白い狼に見える土偶のような物が見えた。そう······に見える土偶のような物があったのだ!



ッスー························あれって絶対に私だよね····



"森羅万象"で確認したところ白く見えるのはどうやら近くの川からとった貝を砕いてそれを塗っているからそのように見えるらしい。その土偶のような物······もう土偶でいいや。その土偶の前に鳥の死体が供えるようにして置いてあった。



························よし!私は何も見ていない!

別に私を崇めるような人達なんていないし、

私が鳥を倒した時に関連してそうな土偶と鳥の死体も存在しない!

ここには何もないから見るのを止めよう!



___________________________________

____________________

__________

_____


今日はなんか滅茶苦茶疲れたなぁ······この6万年一睡もしてないのもあって今とても眠いし。


確か人類が農作業を始めたのは1万2000年前ぐらいって聞いたなぁ。あと3万年ぐらい寝れば人類は農作業を始めてるのか。


············よし、この6万年一睡もしてないから眠いし、あと3万年くらいしたら人類が農業してると思うから3万年寝るか!

農作業をしてるということは結構まともな野菜を食べれるということ!3万年後が楽しみだなぁ!

もう精神的に限界に近いしさっさと寝よう······




おやすみ~······パン、オコメタベタイ············Zzzzz

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る