わぁ!びっくりしたぁ なんだ、ただのでっかいトカゲか~!ってなるかボケェ!
暗視のスキルをゲットした。ならばいざ、洞窟の外にいかん! って立ち上がろうとしたけどズデッと転んでしまった。そうじゃん俺、狼だから四足歩行じゃん。
どうしよ……
まぁ、こんなところで諦める俺じゃない!
スキル”理解”発動!
その瞬間、どうすればきれいに歩けるのか、どのようにすれば走れるのかが頭の中に自然と入ってきた。
よし! 今度こそ! 足に力を入れ······いざ!
ズデーー!!
………………まぁそりゃ、わかっただけで実際できるかは別だよな……。
だが、諦めん!
少しずつ脳内のイメージと体の動きをあわせて動くこと、およそ体感 1時間!
なんとか歩けるようになった!
やっとこれで外に出られる······。
うっすらと明るく光っている所があるので、そこを目指して上っていく。
しばらくすると小さな風が吹いてきて顔をそっと撫でた。
外だ!
外に出ると真っ先に目についたのがめちゃくちゃデカイ樹だった。
いやもしかしたら俺が小さいのかもしれない。
しばらく道を覚えながら進んでいくと、小さな湖を見つけた。覗いてみると水面が反射して自分の姿が写った。
本当に狼になってる······まぁ、俺が選んだから別に良いけど。
毛の色は白······いやこれは白銀?
目は右が青で左目が金色のオッドアイか。
格好いいな!
俺カッコ良くね? うん! カッコいい!
しかも、ただカッコいいだけじゃなく少しの美しさがあるな。
さすがに自画自賛しすぎか。
《一定の条件を満たしました称号:ナルシストを獲得しました》
うぉい! コラ待て!
俺は別にナルシストじゃねえぞ!
納得いかねえ!
ゼェ、ハアハァハァ!
まぁ、獲得してしまったものはしょうがない。
もう一度湖を覗いてみた。
あれ?
なんかさっきよりも毛並みが良くなってないか? 艶が増したというか······。
新しく増えたスキル確認するついでにステータスも確認するか。
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名前:noname Lv.0/5
種族:狼 性別メス
ステータス
HP 20/20 MP ∞/∞ SP 30/30
STR 30 DEF 6
AGI 50 DEX 20
スキル
理解Lv.1 状態異常耐性Lv.1 無限成長
武術の才能Lv.1 魔法の才能Lv.1
気術の才能Lv.1 気配の理Lv.1
高速演算Lv.1 絶対記憶 効果範囲拡張Lv.1
不老 魔素源 魔素放出Lv.1 神託
NEW!暗視Lv.2 NEW!歩行Lv.1
NEW!美麗
称号
※%¥&※※に認められし者 ※%¥&※※の友
世界の空気清浄機 NEW!ナルシスト
メールボックス
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____________________________________________
スキル
:暗視 オート
その瞳は闇をも見通すだろう
:歩行 アクティブ
生物の最も初歩的な移動法
その移動法を極めた先には………
:美麗 パッシブ
美しいものはさらに美しく
美しさに終わりはない
称号
:ナルシスト
己自身のことを心の底から美しいと思った者に
送られる称号
称号効果:スキル”美麗”が付与される
____________________________________________
スキル"歩行"は歩く練習をする過程で手に入れたスキルだ。
今は効果を切って歩いてる。
で、だ。
どうやら俺がさらに綺麗になったように見えたのはこの"美麗"というスキルのせいらしい。
······まぁ、良いか!
綺麗になるんだったら別に害はないし。
それに、人が俺の姿を見たら思わず拝みそうなくらい綺麗だもんな!
そんな風にスキルや自分の姿を確認していると
"気配の理"が急に反応した。
どうやら、気配察知が働く範囲にある程度の大きさの生き物が入ってきたようだ
さてさて転生して初めてお会いする生き物は何かな? 気配察知だと大きさも曖昧だからなぁ鹿とかなら安心だなぁ。
がさがさと茂みから音を立て、出てきたのは······
前世の記憶にあるトリケラトプスという恐竜に良く似た生き物だった。
?
???
????????
わぁ! ビックリしたぁ!
なんだ、ただのでっかいトカゲか~!
ってなるかボケェ!
え? いや何? ここ地球だよね?
神様、間違って異世界に転生してないよね!?
すると、タイミングが良いのか悪いのかステータス画面のメールボックスがピカピカと光った。
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やぁ!
ごめん!さっき伝え忘れてたことがあったんだよ!
君が今いるのは人間たちの時代を表す言葉でいうだいたいジュラ紀らへんだから!
結構肉食の奴とかもいるから気をつけてね!
君でも死ぬときは死ぬから! じゃあこれで全部伝えたから!
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神様ーー!!
なんでそれを言ってくれなかったんですか!?
神様確かに昔の地球っていってましたけど!!
普通! 昔って10~20年ぐらいでしょ!!
俺が1人で七転八倒してる時に、すぐ近くでトリケラトプスに似た生き物······まぁ、もうトリケラモドキで良いや。
トリケラモドキはこちらを嘲笑うかのように湖で水を飲んでいた。
よし! グダグダするのは止めだ!
幸い俺には不老がある。
つまり! 人の歴史をこの目で見ることができるということだ!
そう考えると別にジュラ紀に転生したのも別に悪くない気がしてきた。
なんてったって、恐竜をこの目で見ることができるから!
よし!
とりあえず神様が言っていたように、肉食恐竜などには俺も負ける可能性がある。
というか負ける!
そもそも俺はまだ攻撃手段を持っていない!
となると俺は今から鍛えなければならない。
普通だったら鍛えたとしても、こんな小さな狼が恐竜に勝てるはずがない······
だーーがしかし!
俺は普通の狼ではない!
スキルにより武術の才能、魔法の才能、気術の才能、さらに! 無限成長によって凄まじい速さで成長できる!
はず······まぁ俺には理解がある、きっと大丈夫だろう!
俺は!
ありとあらゆる魔法と武術、気術を操り、成長は止まることなく、神から仕事を任された!
世界の空気清浄機の狼だ!
最後ッ······
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