俺の戦場
張りつめた空気が弾けるのに、さして時間は必要なかった。
先陣を切ったのはシンセサイザー。短い音を連ねていく彼の役割は、場に俺たちの存在を知らしめること。
続いて声をあげたのはスネアドラム。彼の刻むビートは、シンセサイザーの音を支え、そして観客たちの鼓動を跳ね上げる。
パン、弾ける音が鳴ったのは、果たして己の幻聴か、あるいは演出の一つか。閉じた瞳の向こう、感じる熱と光で照明が己を照らし始めていることを知覚していた。
上がるボルテージ、広まるさざめき。弾けた空気に内包されていた、期待や緊張が会場に広がっていく。それを肌で感じながら、俺は目を開けた。
眼前に広がるライブ会場は満員御礼。集まった観客達の目は、期待と緊張に染まっている。
――さあ、ここが俺の戦場だ。観客に想いを届けるために、口を開いた。
――――――
以下企画の参加作品です。
https://mobile.twitter.com/kro_ba_/status/1622157020043567106
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