第340話
「ふぅ~、戦っていた時間はそれほどでも無いのに、結構疲れました。」
「ハハッ、そりゃあ奈落の場合、一発でも喰らったらOUTの状態でずっと回避してたんだから、疲れるのもしゃあないだろ!なぁ、リスナー?」
〈5割くらい無駄な回避だったけどなww〉
〈あまりやりすぎると、指痛めるよ?ww〉
〈このゲーム、結構操作に意識を使うから疲れるよな〉
〈城東強すぎぃ!!〉
〈ギレンザードの中位個体だったか〉
〈程良い疲れがあるからこその狩りゲー〉
〈今日はどのくらいやるの?〉
〈『このコメントは削除されました』〉
狭く小さな洞窟の入り口前に設置されている、『携帯型中級鍛冶台』に近づいて行く城東さんのキャラクターを見ながら、ギレンザード戦の感想を漏らす。
今回のギレンザード戦を個人評価するならば、装備や経験に差があったとしても、配信的には◎、自分の見せ場に関しては×と言ったところだと思う。
特に、ギレンザードの攻撃を回避することにばかり集中し過ぎた結果、城東さんが戦っているシーンやギレンザードの攻撃モーション等を上手く映せなかった、カメラワークがガタガタになってしまった部分に悔いが残るなぁ。勿体ない。
「二日目にして、結構操作に慣れることが出来ましたし、ゼクスターロムの面白さも十分伝えられたんじゃないですかね?」
「いやー、まぁ、序盤の面白さの掴みに関しては十分なんだろうが・・・、ゼクスターロムはストーリー三章を超える辺りから、さらにシステムが追加されて面白くなるから、まだまだっちゃあ、まだまだだな!!操作だって、そのシステムが解禁された辺りからもっと複雑なものも出て来るんだぜ?」
「うっ、これよりもっと難しくなるんですか。」
「全部が全部難しくなる訳じゃあねぇから、その辺は安心しろ。ちょっと、戦闘中にやることが多くなるって思っときゃあ、何とかなる!」
「・・・なるほど?」
〈上級者は、変態です〉
〈多分、一番難しい操作の装備セットに関しては、開発者側の悪ふざけで出来たと思ってる〉
〈指が足りなくなる〉
〈一回攻撃するのに、三回ボタンを押す必要があったりするからなww〉
〈俺も、復帰しようかな〉
〈久しぶりにこの画面を見てたら、やりたくなって来た!!〉
〈調子乗って、碌に攻撃の当たらない装備達を作ったことも、今となっては懐かしいw〉
現在の視聴者数は6600人。
城東さんの配信の方では12900人が観てくれている。
ゼクスターロムの平均配信視聴者数が5000人と考えれば、今回の配信は成功したと言っても良いのだろう
「それじゃあ、ギレンザードの素材から出来る装備を確認したいところですが、残念ながら配信終了時間となりました。って、昨日の配信もこんな終わり方だったような・・?。」
「・・おっし!あ~、めっちゃ面白かったぜ!!観てた奴等の中でゼクスタに興味を持った奴は、今すぐ始めろ!今すぐに!そして、今度配信でプレイする時は一緒に狩ろうぜっ!!」
「はい、PRのような宣伝ありがとうございます。えー、本日もご視聴ありがとうございました。」
「・・・・あっ、ちょっとタンマっ―――――」
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