第339話
噛み付き攻撃を緊急回避。飛び込み拘束攻撃をローリング回避。回避。緊急回避。回避。回避。こっちに向かって攻撃をしてこなくても回避。
ただ、回避をし続ける。
「・・・・城東さん、後どれぐらいかかりそうですか?」
〈ビビりww〉
〈一回、攻撃してみない?ww〉
〈歯茎出すなよ?w〉
〈頑張れ~!!〉
〈良い回避だ〉
〈こいつ、滅茶苦茶暴れるなぁ〉
暴走するギレンザードの攻撃をスレスレで躱しながら、剥き出しになった金属の脚に向かってカウンターを入れている城東さんと、重量を減らす為に出来る限りのアイテムを捨てて回避に全量を注いでいる、俺との差が激しい。
どうせなら、傷付いて柔らくなった部位に一発ぐらい喰らわせられたら良いのだが、ここで調子に乗るのは止めて置きたい。と言うより、プレイ二日目でこれだけ上手く操作出来ているのを褒めて欲しいぐらいだ。
回避をし続けながら城東さんの動きも確認して、偶にギレンザードの隙を見ては、キャラクターのスタミナの限界値上昇とスタミナ回復持続力アップのアイテムを使用するのを繰り返していると、城東さんが叩き込んだ大剣の一撃が、ボロボロだった右脚の金属部分からへし折った。
『GAaaaaaaaッ⁉⁉⁉GAaaaaaaaaaaaaaa!!!!』
「よっしゃッ!!最後にもう一発叩き込むぞっ!!」
自らチャンスを作り出し、自重に脚が耐えられずに崩れ落ちるギレンザードへと追撃を加える城東さんを慌てて追いながら、探索中に作成した新たな武器『甲毒刀』の特殊効果『甲毒刀の腐蝕液』を発動。
この特殊効果は、『機械生物』に対して30%の追加ダメージを与えるというもので、ギレンザードの剥き出しになった金属部分に有効だと、城東さんからおススメして貰ったギレンザードキラーの武器効果だ。
〈城東ツェェェ!!!〉
〈大活躍じゃんw〉
〈城東一人でも狩れるレベルだからな〉
〈城東キャリー〉
〈トドメだ、トドメを刺せ!!〉
〈フッ、雑魚が〉
〈うぉぉぉぉぉ!!!!!〉
『GRrrraaaaaッ!!!・・GRrrrッ!!・・・・・・GRrrrrr!・・・・・Grrrrr・・。』
差し出すように下がった頭に向けて大剣を素早く何度も叩き下ろす城東さんと、何とか左脚のみで立ち上がろうと暴れる行動に巻き込まれないよう注意しながら、何時になっても慣れない攻撃を繰り返していると、徐々にギレンザードの体から力が抜けていき、荒れに荒れた大地に伏してしまった。
「・・・・倒せたんですかね?」
「あぁ、何とか上手くいったな!!よしよし、さっさと剥ぎ取って近くにセーフティエリアに向かうぞ!!」
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