第337話
『ガサッ・・・・・ガサッ・・・キンッ、エイヤァ・・・ズバシュッ!!!』
背の低い木が視界を塞ぐ密林を並んで歩くハンター二人の目の前に、獰猛な牙をむき出しにしながら現れた小型モンスターは、そのハンターの人達で骸に変化した。
「そろそろ「パリッ」、セーフティエリアが近づいて来ても「ボリッ」良いと思うんだけどなぁ。」
「マップを見る限りこの近くにあるみたいですけど、如何せん視界が悪くて分かりずらいですね。・・・・ちなみに、ポテチ何袋目ですか?」
「ん?3袋目だぜ!チョコは5枚目なっ!」
「流石に太りますよ?」
〈食べ過ぎwwww〉
〈まぁ、普段から食事制限しているらしいから大丈夫なんじゃない?〉
〈やめられない~♪とまらない~♪〉
〈↑会社は同じだけど違うっ!!!〉
〈チョコは糖質さえ少なければOK!!〉
〈城東の画面、ずっとモグモグしててオモロイwww〉
『・・・・・GURrrrrrrrrr!!!!』
「っ⁉来たかっ!!!」
「これが・・・、特殊モンスターですか?」
緊張感の無い会話を遮るように森林の中から現れたのは、体長10メートルを超え、剝き出しにしている強靭な歯や口の横からボタボタと垂れる酸性の唾液を特徴した、ティラノサウルスをモデルにしたような漆黒のモンスターだった。
このモンスターは配信開始前、城東さんと配信設定を確認している時のちょっとした話題に出て来たのだが、『制限クエスト』のみに登場する限定モンスター『哭龍ギレンザード』。探索行動中にのみ出現し、その出現確率は約3%。ゼクスターロム配信コンテンツ最高峰のモンスターらしい。
いきなり現れたモンスターに驚きながらも、すぐさま周囲の開けた土地を見つけて移動し、キャラクターが攻撃しやすい位置を調整するキャラクター操作は忘れない。
そう、降って湧き出た見どころチャンス、此処を逃す訳にはいかないからな。
「良いか奈落、こいつの攻撃パターンは三種類。まず一つ目は、馬鹿でかい図体を利用した体当たりだ!まぁ、これはノロいから簡単に避けられるとして、二つ目の攻撃は三回連続噛み付き攻撃だ!これがなぁ、まぁ避けずらい!!ヤバいと思ったら、すぐに全力回避した方が良いかもしれん!!そして三つ目は、前方に突進しながらのローリング攻撃!!この行動をする前に頭を二回振るから、見逃すんじゃねぇぞ!!」
「・・・・分かりました。」
「よっしゃ!!今の装備じゃあちっと準備不足だが、まぁ、何とかなるだろうよ!!」
〈盛り上がってきたーーー!!!!〉
〈攻撃力高いから気を付けて!!!〉
〈防具がちょっとキビいな〉
〈ウラヤマ狩るぞボケェ!!!〉
〈ティラノサウルスかっけぇ!!〉
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