第336話
『カンッ!カンッ!カッ、カンッ!!『鋼虫の大剣+1』を作成出来ました!!』
「よしよしっ。後は適当に回復アイテムと次の『キャンプ道具』を作成しておけば良さそうですね。あっ、城東さんの方はどんな感じですか?」
「おうっ、良い感じに肉が焼けてるぜぇ!やっぱ肉を焼く時は一人称に限るっ!!見てるだけで腹が減ってくるなぁ!」
膝下まで伸びた草が広がっている草原の真ん中にポツンとある、経年劣化から柱が腐り倒壊しているウッドハウスのセーフティエリア内で俺達は、手に入れた素材を使い装備を整えていた。
「それにしても、喉の渇きや空腹度まで設定されているなんて、一つのクエストに滅茶苦茶力を入れてますね。」
「まぁ、開発者の中に「ボリッボリッ」、リアルサバイバル系のゲームが好きな奴でも「パリッ」居たのかもな!ほら、木を切り倒した後の切り株とか「サクッ」、今焼いてる肉のテカテカ具合とかを考えると「パリッ」、数年前のゲームとは思えねぇレベルだろ?」
「それはありますねって、城東さん?何食べてるんですか?」
「ん?あぁ、『アイテム調合』は自動のうえに時間がちょっとかかるからよぉ、この後の長期戦に向けて糖分補給よ!!ちなみに、俺が今食べてるのは『クリンkeyーチョコレート』と『ザザビ―のポテトチップス』だぜ!やっぱ、しょっぱい物と甘い物の組み合わせは犯罪的だっ!!」
「うわっ、俺も食べたくなったのと同時に太りそうなラインナップ。」
「ヘへっ、案件よろしくぅ!!!」
「いや、無理でしょ。」
〈ほのぼのタイム!!〉
〈『このコメントは削除されました』〉
〈『このコメントは削除されました』〉
〈案件www〉
〈ゲームしてる時のポテチ素手派?箸派?〉
〈チョコ×ポテチ=四天王最強〉
〈しっかりアピールもしていくwww〉
このクエスト・・・良いな。
探索中は普通の狩りゲーとして楽しめるし、セーフティエリアで装備を整えている間は視聴者との、日常コミュニケーションの時間に使えると言う無駄の無い配信コンテンツだ。見る人によってはある種の、雑談配信や作業配信と捉えられて良いかもしれないな。
現在の視聴者数を確認していれば『3640人』の文字。
普段の配信に比べればまずまずの人数だが、土日の午後と考えれば多い方だろう。
このまま配信の時間帯的に人気な雑談配信にするか、ガンガン狩りゲー配信としてやってみるかが悩ましい。
「あ~、コメント欄にあったんですけど、ポテチを食べる時って城東さんは素手と箸、どっちを使います?」
「そんなもんは、素手だ!素手!・・・って言いたいところだが、俺はフォーク派なんだよなぁ。」
「フォーク?どうやって使うんですか?」
「いや、フォークって三又に分かれてるだろ?だから、ポテチを袋に入ってる状態でも皿に取り出してある状態でも良いから、適当にフォークを突っ込んでれば―――――」
「―――――それ、箸で良いんじゃ―――――」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます