第330話
「配給されるアイテムは、『傷薬』が三つと『包帯』五つだけ。作成出来る装備にも変化は無しか。後は、もう・・・やる事がありませんね。『戦闘の準備をする』って目標の所に書いてありますし、何処かで大きな戦闘は起こると思うんですけど、そのイベントを発生させる方法が分かりません。・・時間経過?可能性はありますね。」
荷台からアイテムを運び出した後、陣の中にあった設備を全て回ってみたが、特に街にあった設備と変化は無く、少しだけ耐久力が削れていた防具の修繕をした以外、早々にやる事が無くなってしまった。
クエスト目標には最後の文に”戦闘の準備をする”と書かれている為、この陣を纏めている人に話しかけたり、何かしらのアクションを起こしたりすれば、ストーリーが進むと予想してみるが、何も起こらない。
『ブォォ~~!!ブォォ~~!!『と、討伐隊が帰還っ!!!すぐに動けるハンター達は、門の前に集まれーーッ!!!各自、狩りに必要なアイテムも忘れるなよっ!!』ブォ~~!!ブォ~~!!』
『急げっ、急げっ!!』
『聞いたか?討伐隊が半壊したってよ?』
『マジかよッ⁉そんなやつが、ここに向かって来てんのかよ!!なぁ、どうするよ?』
『・・そう焦るなよ。確かに、討伐隊は半壊したうえ、その変異型中層モンスターを引っ張って来ちまいやがったが、どうやらそのモンスターは瀕死らしいぞ?まぁ、瀕死と言っても俺らみたいな下層ハンターからすれば、命がけで挑まなければならないだろうし、瀕死のモンスター程怖いものは無いからな!』
角笛のような音が鳴り響いた後、集合の号令がかかり、周りに居た全てハンターが移動する。勿論俺も、主人公を操作して周りに居るハンターの背中を追いかけて行く。
集合場所の大門に到着してみれば、死屍累々のハンター達を治療する人達や、周りに居るハンター達と情報を共有する者、今からでも街に戻ろうか検討する人など、様々な声が重なって聞こえて来る。
「おぉー、集まったのは大体80人くらいか?この後は、陣に向かって来ているモンスターと全員で戦うか、それとも何か作戦が別にあったりするのかって、雰囲気ですよねぇ。」
〈場面だけ見れば、ストーリーの最終戦みたいな雰囲気を出してくるww〉
〈壮観だな〉
〈序盤のシーンにしては凝り過ぎだろ!w〉
〈この世界は腕とか脚を失っても治せるのかな?〉
〈指揮を執ってるのは末爺か〉
『目標が接近っ!!何としてでもダリュナルを仕留めるぞぉッ!!!突撃ぃ!!!』
大門の先から末爺の号令が響き渡り、気合を入れた動けるハンター達は一目散に門を通って外へ向かって行く。
『ふぅ~、・・・やるぞ。』
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