第226話 『拳刀波』
「うーん、これか?いや、安直過ぎて読まれてる可能性もあるから。」
「あー、読み合いってのは本当にめんどくせぇなぁ!!!こうなったら、運だめしてもしてやろうか!!」
〈早く決めてくれwww〉
〈マキシ・マイザーはともかく、城東が長考するタイプだとは思わなかったww〉
〈こんな時間かかる?ww〉
〈早く!!〉
〈こんな感じのを三回もやるの?ww〉
〈いきなり詰んだな〉
〈草〉
一回戦開始から既に既に10分。
未だに互いの勝負札は一枚も決まっておらず、最初の緊張感も薄れてしまっている中、センチネルさんに至っては好きな作業をして時間を潰していた。
「・・・・もういいや、これにしよう!!」
「っしゃ!俺も決まったぜ!!!漢は前進あるのみよっ!!!」
「・・・・お前達、時間がかかった割に適当な理由で選んだな。」
「まぁ、決まっただけマシですよ。それじゃあ、拳刀波三戦分を一気に――ではなく、一戦分から見て行きましょうか。まず一戦目、城東さんが選択した札は『拳』。まぁ、城東さんっぽくはありますね。そして、マキシ・マイザーさんが選択したのは、『刀』。これにより、一戦目は城東さんの勝利になりました。あー、こう見ると名前の割に、地味なゲームですね。」
「うわぁーーーー!!!負けたー!!!!」
「漢は拳で語るぜ!!!」
「・・・・地味だな。」
「あっ良かった。俺と同じ感性の人が居て。」
〈なんか、盛り上がりに欠けるなwww〉
〈まぁ、ただ三枚の札を選んで出すだけだからな〉
〈城東ナイス!!〉
〈これ観てる、他のライバーの配信の方が面白いぞ!!!〉
〈ギトラちゃん、大真面目に喜んでて可愛かった!!!〉
〈誰なのか名前忘れちゃったけど、マスカットカラーの方は舌打ちしてたよwww〉
「えー、それじゃあ流れに乗って二戦目、城東さんはまたしても『拳』の札です。恐らく、三枚目も拳でしょう。そして気になるマキシ・マイザーさんの札は、『刀』。・・・もしかして、お互いあんなに時間をかけた結果が、好きな札三連単ですか?ある意味、イカれてますね。」
「・・・・馬鹿しかいないのか?」
「また負けたーーーーー!!!!」
「拳最強!!!!」
〈バカwwww〉
〈脳筋過ぎwww〉
〈小学生の方が、このゲーム上手いだろwww〉
〈拳と刀なら、刀の方が強い!!(現実では)筈!!〉
〈あの時間何だったんだ?〉
〈これ城東が勝ったの?〉
「城東さんが二勝したので一回戦目は城東さんの勝利となりましたが、一応三戦目の札も公開しておきましょうか。まず、城東さんの三枚目は、、え?『刀』の札⁉それで、マキシ・マイザーさんの方も、って、こちらは『拳』の札⁉・・・どういう理屈ですか?」
「「勘だ(です)!!」」
「・・・・頭が痛くなるな。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます