第225話 『マキシ・マイザー』『センチネル』

午後7時


 「イェーイ!!マスカットカラー所属、マキシ・マイザー!!と――」


 「・・・・センチネルだ。相変わらずお前は煩い奴だな。」


 「奈落の底からこんばんは。どうも、鬼道 奈落です。」


 「喧嘩 城東だ!よろしく!」


 予め、決めていた順番通りスムーズに挨拶を済ませ、配信画面を『漢の三番勝負!!』と大きく見出しの書かれたスライドに切り替える。


 今回のコラボでは、『男性スペースオペラライバー代表の城東さんと付き添いの俺VS男性マスカットカラーライバー代表マキシ・マイザーさん+巻き込まれたセンチネルさん』が、ちょっとしたゲームや視聴者からの質問に答え、最終的にどちらが漢の中の漢なのかを決める、しょうもない対決となっている。

 ちなみに、この対決の様子は、両企業の他のライバー達にも見られており、そのメンバーの最終合計票で結果が決まるらしい。


 久しぶりに、コラボ企画で楽が出来そうだと嬉しさを感じながら、マキシ・マイザーさんの企画説明が終わるのを待っていると、一種目目の説明が始まった。


 「そんじゃあ、パパっと始めましょう!一種目目は、漢の一発勝負『拳刀波じゃんけんバトル』だぁ!!この競技は、1対1《デュエル》で行い、先に二勝した方が勝利を掴むことが出来る!!!但し、これはただの『拳刀波』ではない!!デュエルを行う二人は試合開始前、手札の『グー』『チョキ』『パー』の三枚から、三回戦分の勝負札を選択し、デュエルに臨まなければいけないのだ!!三枚すべてを『拳』のカードに選択したり、バチバチに相手の思考を読んで選択をしたりも自由!!勿論、デュエルの最中に、手札を変更するなんて無粋な真似はしないよな?」


 「面白れぇじゃねぇか!!」


 「いや、事前に説明してた気が・・・」


 「チッ、無駄に丁寧な説明をするせいで何も言えん。」


 〈?じゃんけんだよね?〉

 〈脳筋には無理だwww〉

 〈保護者が可哀そうだwww〉

 〈保護者wwww〉

 〈・・・ちょっと中二病が混ざってるのは何で?ww〉

 〈『マキシ・マイザー』とか『センチネル』と言う名前から察してくれ・・・〉

 〈自分で付けたんだwww〉

 〈ちょっと面白そうなの腹立つなww〉

 〈・・・・・漢気じゃんけん?〉


 『拳刀波』初戦。

 当然ながら、マキシ・マイザーさんと城東さんの勝負だ。

 次に勝負は、俺とセンチネルさんとの勝負なのだが、何となく結果は見えている刑がする。


 「ヘイヘーイ!!漢は、どっしり構えて『変更なし』だな!!僕は『拳』『刀』『波』の順番で挑む!!!」


 「それなら俺は、一点突破!!一枚の手札で勝利を掴むぜ!!」


 何故かお互いに作戦を言いふらすと言う、意味不明な行動をすると共に、一回戦目のデュエルが開かれる。


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