第224話 箱外コラボ

午前7時

 おかしい。

 起床したと同時に、OOさんじの切り抜きを漁っていた所、何故か三期生の面々がデビューしていた。しかも、昨日の『監視カメラの映像を観る』と言う大型企画の中でだ。

 心当たりがあると言えば、二期生の皆さんと配信を進めていた途中、伸二さんに呼ばれて司会進行を城東さんに任せたタイミングだろう。・・・もしかして、伸二さんも後から知ったパターンか?

 急いで伸二さんの居る部屋に向かい、これもまた驚きの報告だったのだが、この配信を観た他のVTuber企業からコラボの依頼があったらしい。恐らく、一方的にやられている中、少しでも報いようと考えている所から申請が来ているようだ。


 話を戻すと、その報告を受けて、細かな日程の相談や配信内容等について話し合いが終わった時には既に、配信が終わっていた為、そのまま自分の部屋に戻って一日過ごした記憶がある。

 やはり、城東さんが司会をしている最中に、何かあったとしか考えられないな。


 「・・それならせめて、一言ぐらい連絡を―――いや、この忙しい中、一つや二つ忘れることもあるか。」


 取り敢えず、昨日の今日で何だが、今日は俺と城東さんの二人で、VTuber企業『マスカットカラー』に所属するVTuber、『マキシ・マイザー』さんと『センチネル』さんとのコラボすることが決まっている。と言うか、これから約一か月以上、毎日、スペースオペラライバーの誰かが担当する、外部コラボ配信が決まっている状態だ。

 要は、それだけ今回の配信を観て動くことを決めた企業が居ると言う事だな。


 「えーと、配信用のゲームはインストール完了・・・・アップデートと不具合の確認もしておくか。GETafterで告知と、配信時間は19時に枠を設定・・・もう少し早めにするのもアリだなー。・・・ん?」


 『あっ、もしもし?聞こえるか?』


 今回のコラボで使用する通話アプリから、城東さんの声が聞こえて来た。俺と同じく配信チェックか?この時間に珍しいな。


 「はい、聞こえてますよ。城東さんも、こんな時間に機材チェックなんて珍しいですね。まぁ、俺達が『コラボウィーク』の一発目なので、気を引き締めたい思いは一緒ですよ。」


 『あー、勿論それもあるんだが、昨日は夜遅くまで飲み過ぎて。気付いたらこの時間になってたんだよ!だから、先にチェックを済ませて置いて、時間まで寝ようと思ってな!』


 「・・・・自業自得じゃないですか。あっ、もしかして三期生のデビューを発表したのが、きっかけとかじゃ無いですよね?あのことに俺が気付いたの、つい10分前ですからね?しかも、社内の誰かから教えて貰った訳じゃなく、切り抜きで知ったんですよ?」


 『うぐっ、いや、あれは、あー、つ、通話の、電波が悪いらしいから、切るぞ!それじゃ!「プツッ」』


 「・・・・上手く動くか確認してるのに、電波が悪いからって通話を切ったら意味が無いでしょ。」


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