第227話 運試し


 脳筋同士のよく分からない戦いにより、スペースオペラ側が一回戦目は勝利を収めてところで、第二回戦。

 付き添いの俺とセンチネルさんが、拳刀波の勝負に挑むこととなった。


 センチネルさんに軽く挨拶を交わした俺は、『拳』『刀』『波』の札をから並べ、『波』『刀』『拳』の順番に選択しようと思ったが、少しだけ札を入れ替えてから決定を押すと同時に、勝負が始まった。


 どうやら、考えることは似ているようだ。


 「おっ!!もう決まったの?少しぐらい頭を使えば良かったのに!!」


 「なんだ奈落、俺達が戦っている時に決めてたのか?案外、せっかちなんだな!!」


 「「イラッ」」


 〈煽り?ww〉

 〈最低でも、あんた達より考えてるでしょww〉

 〈勘で選んだ奴等に言われてくねぇwww〉

 〈10分考えて勘に頼った奴等がwww〉

 〈ブーメランって知ってる?あっ、脳筋だから知らないかww〉

 〈まぁ、保護者の二人も頭脳派って訳でも無いからね!〉


 「それじゃあ、一枚目から見て行くよ!!最初に奈落君の方は、『波』だね!!良いねぇ、サーフィンとかやるのかな?次のセンチネル君は、『拳』!!あぁ、センチネル君の負けだね!!もぅ、しっかりしてよ!」


 「奈落ナイス!!!やっぱ、司会しながら相手を観察してたんだな!!」


 うるさい二人は置いといて、この一枚で、センチネルさんが選択した残りの札二枚が、どれなのか予想が付く。

 あー、グダらないように調節して良かった。


 「そしてそして!!お次の二枚目は、奈落君が『刀』!!!マキシ・マイザー君も『刀』!!!!ここで、初めてのあいこが来たぁ!!!滅茶苦茶熱い展開だよ!!」


 「ん?・・・・お前らもしかして」


 〈あー(理解)〉

 〈あー(理解してないけど)〉

 〈君達、興味が無いかって酷いぞ!!ww〉

 〈流石の城東も気付いたかな?ww〉

 〈無邪気なマキシ・マイザー君可愛いwww〉

 〈無邪気と言うか、本当の馬鹿ww〉


 「か~ら~の~、勝負が決まる三枚目!!!奈落君が『刀』の札!!!マキシ・マイザー君の方は・・・・『波』の札だぁ!!!よって、この勝負、奈落君の勝ち!!!ほらぁー、マキシ・マイザー君、もうちょっと考えれば良かったのに!!」


 「やっぱり、順番に選択しただけじゃねえか⁉いや、奈落の場合、この展開を読んでたな?なんだよ、お前以外に頭の回転速いのか?」


 〈案の定ww〉

 〈てっきり奈落は、拳刀波の逆順で選らんだと思った!!〉

 〈センチネルが適当に、拳刀波の順番で選ぶのを予測したから、最後に刀を選んだのかな?〉

 〈奈落だけ頭脳戦www〉

 〈案外、奈落はやる気だったの?〉


 そう、センチネルさんの雰囲気的に、このしょうもないゲームで時間を使いたく無さそうだった為、高い確率で『拳→刀→波』の順番で札を選んだを考えた。

 そして、本当なら俺は、センチネルさんが選んだ札の、逆の順番で出すつもりだったのだが、そんな事をすれば互いに一勝一分け一敗で、もう一度戦わなければいけなくなる。だから――


 「最後だけ、『刀』に代えておきました。」


 「・・そこまで頭が回って居なかったな・・・・本当に助かった。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る