第191話 平々凡々
「な、何で盛り付けられてる食材は微妙なのに、盛り付けだけは綺麗なのよ!!!」
「うーん、まぁ、美味しいのか?福神漬けとかの味が、若干強すぎる気もしますけど、丼ものなら味が濃くて丁度良いのかもしれないですね。」
「ぶ、豚丼の方は、私的にはポン酢が苦手だったので、正確な評価は難しいかもです。す、すいません!」
「レモン汁の方は、少しだけ甘みを強くしてるから、刺激が苦手な奴でも食えただろ?妹も、酸っぱい物とかは苦手だったから、必死に調べたかいがあるもんだぜ!!!」
〈見た目は綺麗だけど、美味そうでは無かったなwww〉
〈城東、シスコン?〉
〈草〉
〈青じそドレッシングとかも、苦手な人居るよね!〉
〈酸っぱいの苦手なのはしょうがない!〉
〈見た目O 味△ 万人受け×〉
〈一発にしては良いんじゃない?ww〉
〈次は誰だろ?〉
「てっきり料理はダメダメだと思ってこの二人にしたのに、見た目だけでも美味しそうになるなんて予想外だったわ!!ただ、次の対決は、奈落VSギトラ!!!普通の料理で良いんだからね?普通ので!!!」
「・・・・奈落って料理出来るのか?」
「普段、ここの食堂で見かける事の方が多いので、あまり自炊はしてないと思っていたのですが。」
「な、奈落さんとですか!!うぅ、なんか料理上手そうですね!!」
「・・・・・早く終わらせた帰りたいのに。」
いや、変にハードルを上げられても困るのだが。
一人暮らしを始める前や、一人暮らしを始めてから一年くらいは頑張って自炊していたのだが、最近はカップラーメンや出前で済ますことの方が多くなってしまったからなぁ。マジで、出前便利。
そうして、城東さん達と同じように食材をそれぞれ持ち運んだ後、特に面白みのない調理を行い、設置してあるカメラの前に出された料理も、俺はパラパラっとした『チャーハン』で、緒恋さんは家庭料理の定番『肉じゃが』と言う、普通過ぎる対決になってしまった。
「まぁ、美味いな!」
「チャーハンも、時間短縮料理ですよね!!」
「あら、この肉じゃが美味しいわね!!どうやったらここまで、味を沁み込ませられるのかしら?」
「・・・・・・・普通。」
〈美味そうではあるな!〉
〈普通の料理番組だったなww〉
〈面白くねぇww〉
〈引き分けだろ!ww〉
〈手間がかかってる分、ギトラの勝ちだろ!!〉
〈いやいや、パラパラチャーハンの技術点を加えたら、同点じゃない?〉
〈使われた食材も普通過ぎて、判定が難しい!!ww〉
〈エンタメ考えようよ!ww〉
〈ギトラの肉じゃが!!俺と結婚しよう!!〉
〈自炊出来るだけ凄いんだぞ!!〉
〈食えるだけ感謝しろ!〉
「な、奈落さん、私、何か間違ったんでしょうか?」
「い、いや、肉じゃがって見た目以上に難しい料理だから、合ってたんじゃないのかな?(俺がもう少し、奇抜な料理を出せば良かったのかもな。駄菓子チャーハンとか?)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます