第187話 佐藤の砂糖
午前10時
「先生、旦那さんと仲直り出来たんですか?確かこの前は、『あの人、浮気してるかもしれないの!何度も、携帯チェックさせてって言っても断られるし、絶対、仕事場の若い事と浮気してるんだわ!!』とか、若干ヒステリック気味で怖かったんですけど。」
「ふふんっ、当たり前じゃない!あの人が浮気なんてする訳ない無い!!あの後、ダーリンが結婚記念日のサプライズを贈られて、私の勘違いだったことが分かってから、ダーリンも優しいんだから!!今日だってこの後、ダーリンの会食が終わり次第、デートの予定なんだからね!ふふふっ!」
スペースオペラ二階にある個室で俺は、遥さんとの定期健診を行っていた。
この前までは、俺担当の精神科医として働いていた筈なのに、いつの間にか、スペースオペラライバー全体とケアする為の、精神科医として雇われていたのには驚きだ。
最近だと、嬢ノ内さんや緒恋さんらも通っているらしく、仲良く出掛けている姿も見かけられているらしい。
一言で良いから、相談してほしかったよ高太郎さん。
「相変わらず夫婦仲の良い事で。旦那さんも、情緒が激しい人が傍に居て大変だろうにな。40代で、『ダーリン』とか言ってる夫婦なんて、希少生物でしょ。」
「まぁ、酷い!ダーリンだって私のことを『はるちゃん』とか『はるたん』って、言ってるんだから良いでしょ?そもそも、彼女の一人も出来たことが無いあんたに、夫婦愛が分かるはず無いでしょ!」
俺に好きな人が出来たとしても、碌なことにならない事を知っていて言うんだから、意地悪だよな。
はぁ、本当にこの人が、『メディカルチェックチームリーダー』だったか?で、良いのだろうか。
「そう言えば「コンッコンッ、入るわよ~♡」」
「は~い、って、ゲッ!何であんたがここに居るのよ!!」
「えっ⁉そっちこそ、何でここに居るんだよ!あっ、ゔっゔん!あなたこそ、自慢の彼ピと過ごす時間を増やしたいからって仕事辞めた癖に、結局同じ仕事してんじゃないのよ!!」
「うっ、うっさいわね!ダーリンが、『私の働いてる姿も、凄く綺麗だったよ?』って言ってくれたから、フリータイムで働いてるのよ!!それに、仕事した後に会えば、褒めてくれるし!あんただって、同志が集まる憩いの場所を作るんじゃなかっの?あっ、もしかして、VTuberとして活動している中で探すつもり⁉」
「当たり前でしょ?そうでなきゃ、この会社に居る訳無いでしょうが!私だって、じっくり考えた上でここに居るんだから、邪魔しないでよ?」
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