第161話 侵入者

午後7時30


 「今度の企画は面白くなりそうですね!」


 「腹一さんの同級生の方なんですよね?仲が良い同級生が居るのは、ちょっとうらやましいです。」


 「俺だって、次の企画は酒が無いから、真面目に出来るぞ?」


 「「本当ですか?」」


 「いや、まぁ、何とかなるだろ!」


 俺達は今、次の『大食漢』企画の会議を終えたところだった。

 まさか、前回の企画が高評価につき、高太郎さんの方からシリーズ化をお願いされるとは、思いもよらなかった。だって俺達、飲み食いしてただけだろ?


 「それにしても、次はスイーツですか。俺、甘いものはそんなに食べられないんですけど、大丈夫ですかね?」


 「ああ!その辺は大丈夫ですよ?実はその友達も、あまり甘いものは好きでは無かったんですけど、何故かパティシエの道に進みましたからね!しかも、スイーツを作るようになった理由が、『自分好みの甘くないスイーツを作りたいから!』ってリ湯ですから!」


 「へぇぇ、そんな人も居るんだな!」


 「はははっ!私も、その話を聞いた時はびっくりしましたよ!まさか、そ「キャーーーーーーーーーーー」ッ⁉」


 突如、歩いていた廊下の、目の前の扉から女性の悲鳴が聞こえて来た為、俺達は動揺を隠せないまま、その扉に近づく。

 部屋の中からは、何かが割れる音が聞こえた。


 「おい!!大丈夫か!!おい!!返事しろ!!!


 城東さんが扉に向かって声を掛けるが反応は無い。

 その横では、腹一さんが扉の番号を見ながら顎に手を当てていた。


 「確かこの部屋は、緒恋さんの部屋では無かったでしたっけ?本当に、うろ覚えなので確かでは無いんですが。」


 「それは・・・マズい!!!何か問題は起こってるのかもしれない!!どうやって入れば・・・「どけっ!!!はぁぁ、しゃあ!!!」


 次の瞬間、城東さんが扉に向かってタックルを食らわす。僅かだが、扉が凹んでいるようだ。

 それを見た、俺達も城東さんと同時に攻撃を与える。


 タックル 「しゃあ!!!「ドガァン!!!」クソッ!!もういっちょ!!」


 タックル 「おおっ!!「バーン!!!」って、痛たた」


 蹴り 「ふっ!!「ガァン!!」」


 そうして、城東さんが三回目のタックルをした瞬間、扉が外れて中に吹っ飛んでいった。


 「よっしゃ!!緒恋さん!!!」


 「大丈夫ですか!!!」


 「おい!!大丈夫か!!1」


 土足のまま急いで部屋の中に入るとそこには、緒恋さんの首元に包丁を当てながらこちらを見ている、緒恋さんの元父親の姿があった。


 「てめぇら!!それ以上近づいて来るんじゃねぇ!!!」


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