第21話 裏
午後11時
配信終了後、風呂に入り布団に潜り込んだ。
スマホで切り抜き動画を見ている時、カグヤ・ユリさんの炎上の件についてのまとめが上がっていた。投稿している人物は雷闇さんだった。前回、情報に上がっていたリーク情報だろう。試しに見てみるか。
20分ほどのまとめ動画を観終わった。やっぱり、あまり気分の良い物では無かったな。
炎上した理由について簡単に説明する。
まず、今回炎上した理由は、他のVTuberやコラボした人達に対しての陰口や印象操作を行った事が明らかになったかららしい。主にチャンネル登録者がユリさんより少なかった人達が被害にあっていたらしく、俺もその中に入っていた。全然気付かなかった!
こんなことをした理由も明らかになっていて、一番の理由は『コラボしている時に他の人が活躍したり、自分より目立ったりすることが気に入らなかったかららしい。理不尽過ぎる。
印象操作については、一部の視聴者とオフでコンタクトを取り、相手に対し金銭などを支払い行っていたみたいだ。
一部の配信者の方達からは賠償請求や裁判沙汰にまで発展していて、詐欺まがいな事まで行っていたらしい。
結果、コラボした時に感じた、こちらを見下しているような感覚は当たっていたって事だ。嬉しくないけどな。
「うわー!ガセの情報を流したり、意図的に誹謗中傷のコメントを遅らせたり酷いもんだなぁ・・。自己顕示欲が結構強い人だったんだな。」
GETafterのおすすめ動画の部分には、ユリさんの切り抜きやゴシップ系の動画ばっかりになっている。
ユリさんに対しての批判は簡単には収まらないだろう。被害にあったVTuberの人達の視聴者は勿論のこと、大御所の人達の視聴者によって、今回の事に対しての質問や怒りのコメントが送られてくるため、とても迷惑していることだろう。
「俺の方には全然送られてこないな。まぁ、今回の被害自体、確認出来て無いもんな。そもそもコラボの時、目立ったことはしてないような気がするな。和葉さんが神プレー見せて終わったし!俺地味だし!・・言ってて悲しくなってきたな。」
スマホの画面から目を離し、天井を見る。
「炎上、怖いなぁ。明日の配信、ユリさんの話でコメントがいっぱいになっちゃうかもしれないなぁ。嫌すぎる。冒頭で忠告しておこうかな。」
明日の配信に不安を抱えていると睡魔が襲ってきた。
「寝よ。」
翌日
「奈落の底からこんばんは!どうも鬼道 奈落です。今日も雑談配信をやっていきたいと思います!voltexも同時にね!」
〈こんばんは〉
〈おいっすー〉
〈ういー〉
〈こんばんは〉
〈炎上とか大丈夫だったん?〉
〈今日も情報たっぷりやで!〉
〈かかってコイキング〉
『イレイザー』「コメント欄が荒れそうなコメントはしないようにしましょう〉
〈イレイザーさんに賛成やな〉
〈りょ〉
『イレイザー』さんの御蔭で、コメント欄の流れが落ち着いた。流石、最古参の視聴者だな。配信するたびに見に来てくれているけど、暇なんかな?これで会社経営者とか?だったら笑えるけどww。
「あの件については特に問題が無かったので、この話はここまでで。最近OOすぽに移籍した、『大森 めとり』さんの話でもしましょうか!」
〈問題無いならOK〉
〈めとりさんカワユス〉
〈あの阿保っぽい子ねww〉
〈ちょっと馬鹿なくらいが可愛いぞ!〉
〈声良いよな!〉
〈本人には言えないけど、タイプです〉
〈それな〉
〈本人には言えないけど〉
〈すぐ調子乗るからww〉
〈草〉
〈ちょっと見てくる〉
〈いてら〉
「声、めちゃくちゃハマりません?周りを明るくさせる才能がありますよね!!羨ましいです!何か俺、ほとんどの人の声羨ましがってません?ww」
〈聞いてて元気が出るよね!〉
〈あれは才能やなw〉
〈まさか移籍するとは思わなかった〉
〈確かにいつも羨ましがってるなww〉
〈移籍してからコラボ増えたよね〉
〈羨ましいのは分かる〉
〈俺の声終わってるww〉
〈今北産業!何の話してる?〉
〈大森 めとりの話〉
〈あざすあざす〉
今回話題に挙がった『大森 めとり』さんは、先週OOすぽに移籍したVTuberで、前は771.nc《なないんこ》と言う事務所に所属していた。少しおバカで明るいい性格が特徴で、視聴者、他ライバー問わずの愛されキャラだ!FPSゲームが得意らしく、ストリーマーを集めた大会等にも呼ばれたりしている。
「確かに、最近コラボ配信が多かったですよね!同じ企業に所属しているライバーを中心に配信してたんで、顔見せみたいな感じだったんですかね?視聴者側としては、色々な絡みが見れて嬉しかったですけど。」
〈それな〉
〈顔見せ大事〉
〈チャンネル登録してきたわ〉
〈切り抜きも上がってたね〉
〈OOすぽにまた 変な奴がww〉
〈変って言うなww面白い奴と言えw〉
〈草〉
〈草〉
〈同じ企業に所属したから、コラボに誘いやすくなったんだよね〉
〈なるほど〉
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