第6話 変化
初配信から1週間が経った。毎日最低2時間以上の配信を目標に俺は頑張っていた。時には長時間配信をしてみたり、リスナーとコミュニケーションを取ってみたりと、少しづつ配信をすることに慣れることが出来た。配信内容はvoltexをやりながらの雑談配信だ。
チャンネル登録者は667人で、フォロアー数は700人を超えた。今も順調に増えている。1週間でここまで増えたのには理由がある。
3回目の配信終了後。
「そろそろ話題が尽きてきたなぁ。まぁFANHOMEのランキングが切り替わるのは1週間ごとだからなぁ。」
配信でやっているvoltexは6対6のFPSゲームで良く世界大会も開かれるゲームだ。様々なゲームモードがあり、爆弾を設置する側とそれを死守する側とで別れるモードが人気だ。あまり雑談配信に向いているコンテンツではないが、そこまでゲームに対し、真剣に取り組んでいるわけではないので、まぁ、今のところは問題なしだ。
次の配信の為に色々調べていたが、結局話題に出来るものが無かった。
「俺自身が話題に出来る趣味があればいいんだけどなぁ」
そんなことを考えていると、スマホに通知が来た。
「あー!今日、和葉さんと
協さんは和葉さんと同じ、チャンネル登録者200万人越えのVTuberで、OOさんじの誇るゲーマーの一人だ。和葉さんとは同期で、『くろマール』というユニットを組んでいる。
配信を観ながら、コメント欄の賑わいを楽しむ。一人のオタクとして。
「やっぱりいい声だなー‼来たー‼和葉さんのラップ‼」
2時間のLiveを観終わった後、改めて明日の配信の内容について考える。
「何かないかなぁ。欲を言えばもう少しコメント欄が盛り上がりそうな話題が良いな。」
そんなことを考えていると、先ほどのLiveのコメント欄が頭に浮かんだ。
「もしかして・・これは使えるんじゃないか⁉」
翌日
「奈落の底からこんばんは!どうも鬼道 奈落です。今回も雑談配信をやっていきたいと思います!」
いつも通りの挨拶をした後、voltexを始める。
「そういえば、昨日の『くろマール』Live観た?あれ最高だったよなぁ!」
〈マジで良かった>
〈くろマール最強!くろマール最強>
〈よくVTuberの配信観るん?〉
〈ちなみにどこの箱推し?〉
〈オタクの友よ〉
「よく観るね。特によく観てる箱はOOさんじかな、時々OOすぽも観るけどね。OOライブはあまり観ないかなぁ。OOさんじは男性VTuberも多いから、笑いのツボとかが合うんだろうね!」
昨日、思いついた話題は、好きなVTuberの配信についてだ。VTuberの中にはVTuberオタクのVTuberも一部いる。その一人に俺もなろうと考えたのだ。
暇さえあればVTuberの配信を観ている自分にとって、一番話しやすい話題だった。
「おっ‼いつの間にか120人も見てくれてる!ありがとうございます!」
この配信から、好きなVTuberや今注目のVTuberなどの雑談を中心として配信していると、次々に視聴者が増えていった。
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