第5話 初めての・・・
プロフィールを見ながらの自己紹介は、大体うまく出来ているような気がする。視聴者が多ければ、もう少しコメント欄への反応などをして、話題を掘り進められるのだが、残念ながらコメント欄には、まともなコメントが無かった。
〈なんか、あんまり良い声では無いな〉
〈顔だけ〉
〈うーん・・〉
まあ、分かってはいたよ?分かってはいたけど、辛辣だな。後、最後の奴『うーん』って、どういう意味だ!
「最後に、SNSでのフォロー等よろしくを願いします‼」
本当はもう少し続ける予定だったが、思ったより話題が続かない為、締めに入る。
「まだ、覚束ない部分もありますが、応援よろしくお願いします。」
挨拶をした後、配信を切る。
深いため息をしながら、FANHOMEを開き、配信の感想について投稿しておく。
FANHOMEとは、世界有数のSNSアプリで多くの有名人が使用している。前まではOwitterという青い鳥のアプリが有名だったが、今では、ほとんどの人がこのアプリを使っている。
何故、ここまでの人気があるかと言うと、FANHOMEは国家機密の情報並みに情報管理と管理体制があり、一番の人気コンテンツとしては、それぞれのジャンルと、全体のランキングが毎週表示され、今一番HOTな話題を確認しやすいことである。また、そのランキング上位者は、テレビ等に取り挙げられ、さらに人気を加速させる効果を生み出しているからだ。
FANHOMEで投稿した後、今回の配信について考える。
「今日は初配信だったから、20分くらいで終わったけれど、これからの配信は大変だな・・」
大体、2時間から3時間の配信を続けてやるためには、ある程度の話題を作っておかなければならない。
FANHOMEで配信で話す為の話題やランキングを見ていると、自分のアカウントのフォロワーが一人増えている事に気付いた。
「えーと・・『イレイザー』、どういう意味だろう。まあ、初めてのフォロアーだな。」
初めてのフォロアーということで、フォローを返した後、改めて嬉しさを感じていることに気が付いた。
思ったよりも配信をすることについて、前向きに捉えていることに驚いた。
「明日の配信も頑張ろう‼」
自分のチャンネルを開いて、明日の配信の枠を作る。
チャンネル登録者の欄も一人増えていて、そこには、先ほど見た『イレイザー』さんの名前があった。
「本当に有難いな・・」
その日は、久しぶりに気分がいい状態で寝ることが出来た。
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