第4話 配信開始
翌日午後1時
昨日は起きた後に、カメラやマイクの調整をしながら初配信に向けて準備を進めていた。サムネイルの準備や試しに軽く配信してみたところ、特に問題が無かった。問題があるとすれば、俺の喋りだな。
普段から人と絡まないせいで、話題の出し方が下手過ぎた。自分のプロフィールをスライドにして出すのだが、話を掘り進めていくことが出来ない。
「まいったな。まぁ何とかなるかな。」
ほかのVTuberの方たちの配信を観ながら必要だと思われる項目を埋めていく。
配信の内容は、ほとんどがゲームをしながらの雑談配信にしようと考えている。特にゲームが上手い等の特技が無いためこのスタイルになった。凸待ちや他の配信者を呼んでの対談など、様々な配信をしている人がいるが真似できそうにない。
俺もよく雑談配信を観るが、特に印象的なのは、危険な
最後の項目まで埋め、配信開始時間を午後8時に予約しておく。
少しだけ緊張している。これくらいの緊張感があった方がいいかもな。なんて考えながら、新春生放送のアーカイブを開いた。
「いやー、『OOさんじ格付けチェック』面白いなー‼」
今観ている動画は、総勢200名以上のVTuberが所属している『OOさんじ』という企業が年明けに行った、大型企画だ。
VTuberとしての常識や安い物と高い物の区別をするなどの格付けを行う規格である。普段見ないVTuberも参加している為、とても面白い企画になっている。企業勢の強みがまた一つ生かされていると感じた。
午後7時50分
いよいよ配信時間が迫っている中、意味も無く身だしなみを整えたり、動画で観た、声の調整方法を真似してみたりなど、落ち着かない様子でいたが、気が付くと配信開始まで3分を切っていた。
「いよいよか・・」
スマホで時間を確認しながら、自分の配信が正常であるか確認した後、マイクのミュートを外す。
「奈落の底からこんばんは!どうも、VTuberの鬼道 奈落です。これからVTuberとして頑張っていこうと思っているので、皆さんよろしくお願いします。」
自分の性格に合わない挨拶だと思いながらも、自己紹介を進めていく。
現在の視聴者は3人だ。まあこんなもんだよな。
「まずは、プロフィールを見ていきたいと思います。」
画面に用意したスライドを出す。
項目は、好きな食べ物から始まり色々ある。出来る限り、分かりやすい物にしたつもりだ。実際のところ、金が無くてできない物ばかりだ。世の中、金よな。
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