第5話 「卒業式」の落とし前をつける
人の10倍働いても給料は同じ、という期間が5年間続きましたが、その成果は6年目に米国駐在員として抜擢されるという形で報われました。給料は日本にいる時と大して変わりませんでしたが、いろいろな人と会い、様々な経験をさせてもらったことは、大きな糧となりました。
駐在員生活4年目に休暇で行った南米では、ある大きな町で日系人社長と知り合い、その人の会社で働く、という話までありました。
私を引き立ててくれた日本の会社社長はその時、すでに辞められていたので、私は日本帰国後、私も会社を辞め南米へ渡るつもりでいたのです。
5年間の駐在生活を終え日本へ帰ると、3年前に入社したという、私と同じ大学を卒業した女の子がいました。彼女が言うには「うちの大学では、(当時、飛ぶ鳥を落とす勢いのあった)この会社に入ることは無理だろうと思っていたが、就職課のファイルに私のことが記載されていた」のを見て勇気づけられ、応募した。」ということでした。
私は、この話を聞いた時「これでようやく卒業式の日の負債を返済することができた。」と思いました。
大学を卒業する時(ぼんやりとしてはいましたが)「会社で大学の名前を挙げて、後輩を呼び寄せる」という目標が達成されたからです。
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