明日へジャンプ!

Shizukuシーちゃん

空へ跳ぶ

「おねえちゃーん」

まだ、6歳の幼い妹が駆け寄ってくる。

「がんばってね」

そう言って、私の手を握る。

震えていた指先の動きが穏やかになる。

「うん、じゃあ、いってきます」

玄関の外に広がっていたのは、青い空と所々にある巻雲の明るい景色だった。



笛の音が鳴る。

高さ125cmのバーを見る。

震える指先、ここで失敗したら最後の大会が終わりを告げる。

そんなとき、ふと思い出したのは、妹の手。

朝繋いだ、小さくて、暖かくて、優しい手。

指先の震えが止まる。

大丈夫、跳べる。

あの場所に向かって、私は足を踏み出した。



「ピロリン」

LINHの通知音がなった。

明音あきね、県大会出場おめでとう!頑張れ!」

親友の愛喜菜あきなからだ。

あの日の大会の結果は、5位。

メダルは取れなかったが、入賞と県大会出場の切符を手に入れた。


「おねえちゃん、もう行くの?」

玄関で靴を履いてる私に妹が声をかけてくれた。

「うん、行ってくる」

扉を開けるとそこに広がるのは、あの日と似ているけど何かが違う空。


まだ、跳べる。

あの青空に向かって、高く、高く、跳びたい。

それが今の私の目標

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明日へジャンプ! Shizukuシーちゃん @sizukul

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