最終話前編「繋がりゆく来園者」

~浩介編(ダサい彼氏)~



「浩介、そろそろできるってホットドッグ!」


『そうなんだ、』


俺は愛子の声が耳には届いてなかった。

というのも、俺は今必死で頭を動かしている。

1番後ろに並んでいる男、絶対俺の知り合いだ。


誰だっけ、あいつ。

警察学校時代の同期?いやちがう

いつも行く居酒屋のバイト?いやちがう


ええ、誰だっけーーーー

俺はこういう時もすぐ思い出せないから

ダサいんだよなあ


その時1番前に並んでた女性のお客さんが

叫んでいるのに気づいた。


『あいつを捕まえてください!!!』


捕まえる?なんで俺の知り……



思い出したああああ!!!!!!!

あいつ結婚詐欺で全国指名手配に選ばれてる

男だ、名前は確か、和田光晴。

休日だが、そんなことは言ってられない。

警察官としてやるべきことは決まっている。


「ごめん、愛子」


俺は愛子に事情を話した。


『え、ほんとに!?わかった、絶対に捕まえて浩介!』


「うん!!!」


俺は叫んだ女性の元へ向かった。


「あの、」


『なんですか!!!急がないと』


「あなたがあの男を捕まえたい理由はお金を騙し取られたからですよね?」


『なんでそれを!?』


「警察なんです、すいません休みだから手帳がなくて証明出来ないですけど本当に警察なんです。あの男は全国指名手配になっています。」


『え、私全く知らなかった』



一緒にキッチンカーに並んでいたスタッフさんにあの男をここから出さないために

ドリランの出口を閉鎖することをお願いした。


「わかりました!上に掛け合ってみます、ただもうひとつ厄介なことが…」


「なんですか?」


「このパーク内にもう1人あの男に騙されている女性がいます。今日プロポーズされる予定だと仰ってありました!」


「次のターゲットになってしまっているはずです!急ぎましょう!!!」


「わかりました!!!」


「あのスタッフさん!もし犯人捕まえたらどんな形でもいいんでイルミを今日まで光らせて貰えませんかね?」


「わかりました!私どもがどうにか致します!」



~朋花編(今日プロポーズされる女)~



「ねえ、陸遅くない?」


「知らねえよあいつ陸って言うの?

つかさ、加藤遅くないか?俺腹減りすぎてるんだけど」


「陸もキッチンカーにいるはずなんだよねえ」



その時私の電話がなった。陸からだ。


「ごめん急用ができた!今日は俺先に帰る!!!」


「え、なにそれ急にちょっと待ってよ、私も行く!今どこ?」


私の問いには何も返事はなく電話を勢いよく切られた。



「なんて?彼氏さん」


「なんか急用できたから今日は帰るって」


「そっか」


「意味わかんないよねw」


「だなw」


「あーあもう尚更ブルーだわ」



え、これワンチャン俺チャンスあんじゃね?

朋花ともう1回より戻すチャンス!

よし落ち着け言うぞ俺言うぞ!


「朋花…あのさ、、」


「んー?」


「あの朋花俺さ」


『すいませーーん!!!』



誰だよ!!!!!

そこには赤ちゃんを連れた幸せそうな夫婦がいた。


「あ、どうされました?」


「これって赤ちゃんも乗れます?」


「あ、乗れますよ」


「よかったねこじろうーーー」


「準備しますね」


「助かりました子供乗れるやつ少ないんですもんwジャングルパニックぐらいしか乗れませんもん」


「あああ!!!!!!」



この夫婦、あの男性の友達だ!

そっか赤ちゃんって言ってた。


あの人どこいったんだろまだキッチンカーいたのかな?



「お客様、失礼ですが本日もう一方といらしていませんでしたか?」


「え、なんでそれを?」


「あぁ、いや実はかなりご機嫌ななめだったのでパーク内でなにかご不満なことがあったのかと思いお話を伺ったんです」


「そうだったんですね、あいつイルミも見れないみたいでうちも子供いるから申し訳ないっては思ってるんですけど」


「イルミこちらでもしてあげたいんですけどね。朋花お前も見たいんだろー?」


『別に。私イルミの前でプロポーズしてもらうのが夢だっただけだからあいつもう帰ったしいいかな』


「そっか」


「まあお客様、どうにかお子様にも一生の思い出に残るような素敵な思い出を我々が作り上げてみせます」


「え、それってイルミを?」


「んーいやまあ、、頑張ってみます!」


「お願いします!!!」


その時加藤から電話がなった。





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12月26日はさすがに光らない 岩山竜秋 @Ryu_dra

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