case.3「ふたりの12月26日」

私は、今日ドリランで彼氏とデートをする。

本当はクリスマスが良かったけど、

クリスマスはお互い仕事だったから、

泣く泣く断念。

だけど昨日は夜から私の家に泊まりに来た。


まあ一緒にいられて幸せだけど、

だけど、なんか最近冷めてきてもいる。

まあクリスマスマジックで幸せを感じてただけなのかもしれない。

そんなマジックが消える今日私たちはデートをする。


そんなドリランへ行く直前のこと。



「おはよ」


『あ、起きた』


「気づいたらこたつで寝てたわ」


『昨日だいぶ飲んでたもんねw』


「俺全然記憶ない」


『トイレから帰ってきたら寝てたからそっとしといたw』


「うわぁ、もうクリスマス終わってんじゃん。どうしよ」


『終わるまでは起きてたんじゃない?わかんないけど』


「そっかw

12時までは確かに起きてた気もするな」


『これもう食べないよね?捨てていい?』


「あぁ、ごめんごめん。俺も手伝うよ」


『あ、じゃあこのピザの箱、畳んでゴミ箱に入れてもらっていい?』


「わかった」


『あとはほとんど終わってるから!』


「ごめんね、ほとんどやってもらっちゃった」


『ううん、全然。プレゼントもらったし!』


「あーいやあんなの全然」


『貰えると思ってなかったからビックリした』


「大きい靴下用意してたじゃん」


『まあまあ、それは、、』


「あんなの貰う準備でしかないじゃん」


『じゃツリー片付けようか』


「あぁ、そうだね」


『飾り付け全部1回外して』


「あぁ、わかった。なんか久々かもなクリスマスツリーちゃんと飾ってる人見たの」


『そう?』


「実家とかでしか見ないじゃんこういうの」


『そうかな?でもまあ1500円ぐらいだし』


「いや値段じゃなくてさ手間もかかるじゃん」


『あーでも結構うちちゃんとクリスマスしてたよ。イルミもやってたよ。サンタさんがハシゴ登っていってるやつ』


「あぁ、そういう実家なんだ、、、」


『そういうって?』


「ああいう明るいイルミとかしてる家見るの幸せそすぎてなんかしんどいんだよな」


『あ、飾り付け取れた?全部』


「うん取れた。これさ、ツリー自体はどうすればいい?」


『あ、今日何曜日だっけ?』


「今日は月曜だね」


『じゃ明日可燃ごみの日だから、玄関に出してて』


「え、捨てんの?」


『1500円だし·····』


「いや値段とかじゃなくて、なんかこういうの捨てるの嫌じゃない!?」


『え?でもヨーロッパとかアメリカは本物使ってるから次の日燃やすよ』


「日本のプラスチックを捨てる理由にはならねえよ」


『ピザの箱入れた袋にまだ入るよね?』


「え、ピザの箱入れた袋に入れんの?

もうクリスマス捨ててるみたいなもんじゃん

サンタさんの袋を奪い取って捨ててるみたいなもんじゃん」


『え、冬以外ゴミじゃん』


「そういうこと彼女の口から聞きたくない。ずっとサンタさん!って言ってろよ」


『置いとく場所もないし』


「じゃ来年どうすんの」


『また買えばいいじゃん』


「飾り付けは?」


『同じだと飽きるって』


「飽きないよ、こんなの同じなら同じなだけいいんだから。てか来年も同じのにするって」


『いや、来年クッキーが人間のやつは買わない』


「いや、来年もクッキーが人間のやつあったがいいって」


『なんで?別にクッキー食べればいいじゃん』


「違う、別にクッキー食べたいから言ってるんじゃないって」


『あーもうるさい、そんなにクッキーの人間大事ならとっとけばどうですか?』


「クッキーの人間で揉めたくない。え、ほんとに捨てんの?」


『うん』


「ほかのクリスマスグッズは?」


『捨てる、冬以外ゴミ』


「え、あの大きい靴下は?」


『私、靴下あんなサイズじゃないもん』


「そうやって捨てるのじゃないってあれ

履けるなあで買ってないもんあれ!」


『違うって!だってクリスマスソングのCDって買わないじゃん?』


「·····あ、いや買うよ!買う買う。危ねぇ喋り方だけで論破されそうだった。全然そんなことない!いやいいよ、わかったじゃ俺持って帰るなら」


『ええいいよ、なんかそれはそれで気持ち悪い』


「いやもうほんとその考えが嫌!ちょごめん別れてほしい」






え、?ドリラン前に別れた、???、?


どうすんのこの2枚のチケット。



まぁいっか、少し冷めてきてたし

最悪の26日だけど。

誰と行こっかなー。あ、そうだ



「もしもしー?ねぇねぇドリラン今から行かない?えぇ!今3人でドリランいんの!?私も行く!!!」




こうして私は、1人でドリランへと向かった。

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