case2.「初めてのドリームランド」

僕は今、人生で1番興奮している。


明日は人生で初めての、東京ドリームランド。

楽しみすぎる、本当は去年友達と行こうとしていたのだけど

直前でその友達が体調を崩して断念。

だから行ったことない。

ほんとに今最高の気分。

こんなに寝れないのは、修学旅行の前日ぶりかもしれない

少なくとも10年ちょいはこんな日無かった。


今年のクリスマスも彼女はおらず、

寂しく過ごしてるところを、小学校からの友達の和哉と夏未が一緒に行こうと誘ってくれた。

和哉と夏未とはいつも同じグループだった。

そこに奈々という女の子もいたが

そのうちの2人と一緒に行けるなんて幸せすぎる


あーやばい!

パレードも楽しみすぎる!!!



早く寝なきゃ!




そして、当日。


ここからは、みんなにも分かりやすく

名前をつけて話させてもらう。





和哉「ジャングルパニックやっぱり面白いな」


夏未「ねー、ほんと面白かった!」


大樹(僕)「次、どれ乗る?」


和哉「どうしよっか?」


夏未「ちょっとまってて、これ持ってて」


和哉「あーはいはい」


大樹「あれ?これが今どのエリアなんだっけ」


和哉「えっとね、」


夏未「え!ちょっと待って!おしゃぶりどこやったけ」


和哉「え、無い??」


大樹「あの!ここさ!どのエリアなんだっけ!」


夏未「あーーー、はいはい!泣かないよ!こじろう!強い子でしょ!」


和哉「いないないばあ!」


夏未「帽子嫌がってるから1回取ろ」


和哉「おっけ!」


夏未「ありがと」


和哉「てかこんなちっちゃい帽子売ってんだね。このキャラなんだっけ、あ!フージャか!」


大樹「あーそうじゃない?」


和哉「でもさ、小学校からの幼なじみでドリラン来れるってなんかすごくね?」


大樹「そうだね·····あ!カールだ!写真撮ってもらおうよ!おーい!カール!」


夏未「あ!カールだ!ほら!こじろう!カールだよ!」


和哉「カール!あ、こっち向いてくれたよ!」


大樹「うわっ!きたきた!写真撮ってもらお!」


夏未「はい、こじろう!写真撮るよ!帽子被せたがいいよね!」


和哉「うんうん!はい、こじろう泣くなよ!」


大樹「あ、えっと·····俺1回どいたがいっか。」


夏未「あ、うん!」


和哉「はいチーズ!いいね!あ、ちょっとちょっと撮って撮って」


大樹「あ、うん·····」


夏未「ほらカールだよ!こんにちはって!初めてのドリランでカールに会えたね!よかったね!」


和哉「はいほら撮るよ撮るよ!頼んだ大樹!」


大樹「はい、はい·····チーズ、いいね」


夏未「ほら、カールありがとー!って、あー!カール頭ポンポンしてくれた!よかったね!」


和哉「うわぁ!こじろうよかったな!カールに頭ポンポンされて、ほら、カールまたねー!って手振りな!」


夏・和「またねーーー!」


大樹「あ、カール·····俺写真、カール、あ、えっと、カールまたね·····」


和哉「よしっ!次どうしよっか!」


大樹「はい!はい!次俺、ショコラのキャラメルマウンテン乗りたい!」


夏未「いいね!行ってきなよ」


和哉「え、行かないの?」


夏未「あれ、小学生以下乗れないから、私こじろうみてるよ」


和哉「え、でも好きじゃんキャラメルマウンテン」


夏未「いいよいいよ、行ってきな。私ベビーコーナー行ってるから」


和哉「あ、じゃ着いてくよ」


夏未「いいよ、行ってきなよ」


和哉「いやいや、こじろうドリラン初めてなんだから一緒に回りたいじゃん!」


夏未「そっか、せっかく初めてだもんね」




僕はここで堪忍袋の緒が切れた。




大樹「俺もドリラン初めてなんだけど!?」


夏未「へ?」


大樹「俺もドリラン初めてなんだよ!!!この歳まで行ったことないのヤバいかな?って和哉に話したら、じゃ行こうよ!案内してあげるよ!って言ってくれて夏未も一緒に行けるってなったからすげえ今日楽しみにしてきたのに!すごい王様のブランチとか見てきたんだよ!?」


和哉「いや、わかってるよ。だから案内してんじゃん」


大樹「ちょ無理さすがにこじろう優先ルート過ぎない!?赤ちゃん相手にこんなこと言いたくないけどさ!!!俺初めてのドリランで今ん所ベビールームに一番長く居るんだけど!??」


夏未「それはごめんって」


和哉「でもこじろう生まれて初めてのドリランだからさ」


夏未「結構バタバタして行けてなかったし」


和哉「育休取ってからその後休み取りづらかったしね」


大樹「まず結婚してんの教えといてくれないかな!!!俺3人でドリラン行くってしか聞いてなかったんだけど!家の前で待ってて車で迎え行くからって言うから待ってたらベルファイア止まってお前降りてきて夏未が助手席からこじろう抱いて窓開けて手振った時パレード始まったかと思ったんだけど!?!情報量パレードぐらいあったぞ!」


和哉「言ってなかったけ?」


大樹「聞いてねえよ!いっつもそう!俺だけ仲間はずれ!」


和哉「いや、ごめん。本当に言い忘れてただけだって!」


大樹「言い忘れんなよそんな大事なこと!」


和哉「結婚式は?」


大樹「呼ばれてねえよ!」


夏未「いや呼んだって!大樹誘わないわけないもん!ほら、ここのダイヤモンド城の前でみんなで写真撮ったじゃん!」


大樹「俺ドリラン初めてだって言ってんだろ!!!お前らがドリランで式挙げたんなら100%俺は行ってねぇんだよ!」


夏未「いやまあ、大樹には悪いけどこじろうにも大事な日になるんだって今日は」


和哉「生まれて初めてのドリランだもんな」


大樹「いや、、んー、、いやあの、忘れるよ」


夏未「は?」


大樹「絶対忘れるって!」


和哉「そんな事言うなよ」


大樹「こんなの親のエゴだよ!1歳の子が今日のことはさすがに覚えてねえよ!カールと写真撮ったのも俺は覚えれるけどこじろうにはむりだって!今日のこと鮮明には無理だって!でも

27歳の子なら鮮明に覚えてられたけどな!!!」


和哉「なんだよ、27歳の子って」


夏未「しょうがないじゃん!まだこじろう1人で歩けないんだから」


大樹「おばあちゃんに預けてこい!」


和哉「勝手なこと言うなよ!」


大樹「4歳で連れてこい!3歳までタダなんだろ!4歳から来る場所ってことだよ!4歳から用に作られてんだよ!」


夏未「そんなことない!ジャングルパニックだけは乗れるもん!」


大樹「待って!逆にジャングルパニックにしか乗れないの!?おかしいと思ったんだよ!入場してすぐ行ったから!別にメインっぽくもなかったけど初めてなりにこれが最初がいいのかな!とか期待を胸にワクワクしてたんだよ!

やっぱりこじろう優先ルートか!」


和哉「そんなことねえよ」


大樹「え、じゃどういうルートだったわけ?今日、どんな案内しようとしてたの?教えて?ねえ教えて??」


和哉「いや、だからジャングルパニック乗ってエンジョイサイクル行ってガーリィのハッピーレストラン行って、ほらここキッズメニューあるからで、エンジョイサイクルに借りてた自転車返しに行ってそしたらもういい感じの時間だからパレード見て帰る」


大樹「100回目か!!!!!年パスガチ勢じゃないんだよ!!!!初めてなんだよ!!!!どんだけ並んでも全乗り物乗りたいんだよ!!!

だから少しでも並ばない26日にしたのかな!とか思うじゃん!!!

ほらなんだっけスカルの銃で悪者倒していくやつとかやらせろよ!!!」


夏未「あれこじろう乗れないし」


大樹「俺は乗れる!!!!なんだよこじろうばっかかよ!俺も楽しませろよ!!!」


和哉「許してやれよ、今日誕生日なんだよ」


大樹「·····え、そうなの?」


夏未「そう、こじろうのね。じゃなきゃ、12月26日にドリラン来ないって」


和哉「そうだよ、クリスマス終わってニューイヤーって言うまでの間のなんもないタイミングだよ。来るわけないじゃん。

あ、そっかだから今日パレードないわ。そういや」


大樹「お前ら、人の初めてをなんだと思ってんだよ!なんかおかしいと思ったんだよ!こんな静かなドリラン無かったもん!ブランチ見てて!なんかあれだろ!ショコラのキャラメルマウンテンとかクリスマス仕様になってんだろ!みたかったもん!!!!!」


和哉「いや、いいじゃん、どうせ乗れないんだから」


大樹「俺は乗れるもん!!!もういい今日帰る!絶対今日のはノーカンにする!好きな人と来る!!!もういいなんかわかんないけどこれを機に絶対奈々に告る!!!10年の片思いとか関係ない!お前らと来なきゃ行けないぐらいなら振られてもいいから告る!そんで絶対奈々と来る!!!!!」


和哉「わかったから、、、」


大樹「じゃあな!!!」


夏未「ちょっとまってよ!」


大樹「なんだよ·····!」


夏未「チケット代もらってないんだけど?」


大樹「払わねえよ!!!楽しんでもないやつから金をとるな!!!奢れ!!!こじろうの分と思え!ばーか!!!!!じゃあな!!!!」


和哉「あ、ちょっと待った、そこの曲がり角の時計台の下に隠れガーリィいるよ」


大樹「そんなんじゃ機嫌直んねぇよ」




こうして僕の初ドリランは終わった。






かと思われた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る